とてもそそられる研究テーマで応募したいと思っていたのですが、研究テーマや方法論、結論などしっかり論理化して実証データを持ってこないといけないので、思いつきで取り組んでも論理化は厳しそうです。でもことばとアイデンティティにずっと拘ってきたみなさんは、個人的な体験を通しても語れるのではないでしょうか?生活の場、実際に琉球諸語を使用する場からのことばの商品化はいろいろと実践されていることと思います。是非挑戦されてください!このテーマ、ことばとアイデンティティとコミュニティの関係性、特に沖縄では芸能などとの関係において、書いてみたいテーマです。現在のテーマがしっかり着地した後ですね。商品化という点では、最近「シェイクスピアの文化商品」という言葉が研究テーマの中でも登場しますから、言語とアイデンティティと商品化はいまどきの関心テーマなのかもしれませんね。面白そうです。『ことばと社会』18号は是非読みたいですね。
以下の要領で第9回研究大会を開催します。大会テーマ報告および自由テーマ報告を募集します。
【日 程】2016年12月3日(土)・4日(日)
【場 所】東京大学 東洋文化研究所
【テーマ】ことばとアイデンティティ、そして商品化
【主 旨】
話者が誰であるかは、どのようなことばを使っているかで示される。こういったことばの「指標性」は古くから指摘され、ゆえに、ことばの選択は話者のアイデンティティと強く結びつけて論じられてきた。しかし、そもそもアイデンティティは、その場その場で行われる多様で可変的なことばの選択として、あるいは選択肢(カテゴリー)それ自体の構築プロセスとして現れることが近年の研究で指摘されている。多言語社会研究会とリンクする雑誌『ことばと社会』の次号(18号、特集「ことばとアイデンティティ」、2016年10月刊行予定)では、具体的事例を扱うさまざまな論考を通じて、ことばとアイデンティティという問いの現在地を明らかにすることを試みている。
本大会では、この現在地のさらに先にある、「ことばとアイデンティティ、そして商品化」について考える。
話者のことばが可変的で選択・構築可能であるということは、言語的アイデンティティがもはや話者と分かちがたい生まれながらの属性としてではなく、自覚的に「装い」「着脱」可能なものであることを示唆している。すなわち、話者はあることばを選ぶことによって自分を演出し、より高い価値のある「商品」として売り出すことも可能である。一方で、好ましい選択肢として立ち上がるさまざまなことばもまた、「商品」として売買されるような存在に転化しつつあるとも言える。また、人の移動のみならず、場所に縛られないネットワーク上のコミュニケーションが飛躍的に増大する中で、地元のことばを「母語」として「自然」に習得する、といった言語と人の宿命的な結びつきは弱まりつつある。こうした状況において、どの言語を選択してどのように習得するのかという問いも、よりよい習得のための教本・教師などの言語教育、さらにはよりうまく習得した話者そのものの市場化として整備されつつある。
これらの問題意識にもとづき、商品化しつつあることばと、その選択に伴う話者のアイデンティティのゆらぎについて考えてみたい。
【報告申込】締切 2016年6月19日(日)
【申込方法】申込フォームに必要事項を記入して送信