An Avid Birder Talks About His Conflict In Central Park That Went Viral
https://www.npr.org/2020/05/26/862838384/an-avid-birder-talks-about-a-conflict-in-central-park-he-taped-and-went-viral ←記事もインタビューも拝聴できます。
黒人差別の根の深さを再認識させられる出来事である。
Twitterには動画が紹介されている。バードワッチングを楽しんでいた所へ、犬を鎖から放していたエイミー(Amy Cooper)さんがやってきて、鎖につないでと声をかけたアフリカ系アメリカ人の男性(Christian Cooper)の善意が真逆の状況に至ったことがスマホ動画でよくわかる。ただスマホの情報だけではわからなかったことが、ラジオ番組のインタビュー録音と文字でその背景がよくわかった。
公園を散歩するのが好きで、草花や野良猫さんたちの写真を撮ったりしているが、目白や鶯など小鳥たちの鳴き声を聞き、桜と目白のように、その姿を見るのも楽しみの一つであるゆえに、このクリスチャンさんの出来事は、人種の坩堝ニューヨークならではのことと、同情が起こる。肌の色が黒いということで、無意識であれ、恐怖感を抱くのか、エイミーさんのとっさの行動は、愛犬を虐待していることにも気が付かないほど、狼狽えて敵意をむき出しにしていることがわかる。とっさに警察にアフリカ系アメリカ人が脅威を与えている、というように電話しているのである。
彼の意図が冷静に受け止められない状態が見て取れるが、犬と一緒の広い公園でいきなりアフリカ系アメリカ人から声をかけられ、最も彼は犬をつなぎなさい、ここは繋がないといけない区域だよと声をかけたのだ。それに対して彼女は素直に対応するのではなく、動揺し、犬を窒息させそうな状態に追い込んで警察に電話している。彼はその状況をいつもバードワッチングでもっているスマホに動画を撮ったということだが、その動画のおかげで、身の潔癖を証明することになっている。
クーバーさんの妹がその動画をTwitterで公開し、went viral(buzz)である。5月26日の出来事が世界を駆け巡って、こちらにも届いたのである。興味深くan avid birderをGOOGLEに打ち込んだら、インタビューラジオが文字化された記録と共に登場してきた。ラジオを聞きながら記事を読んだ。
なぜか海外記事のTwitterが去年あたりからだろうか、メールに送られてくる。世界で話題になっている出来事が送られてくるようで、これもその流れだったのだと思うが、アメリカではアフリカ系アメリカ人というだけで、ジョッギング中に警察に訴えられたり、射殺されたりする事例が昨今もあった。
大きなセントラル公園でバードワッチングをしていても、白人と黒人に対する周りの対応の違いをクーバーさんは話している。スマホで茂みの中に入ったりして小鳥たちの姿を追いかけているのだが、自らの人種に対する警戒心や摩擦があることを語っている。その緩和のために鎖から放たれた犬への忠告のために犬の餌を持ち歩いているようだが、それは頑固な犬の飼い主に考慮してもらうためだという。まず偏見がある、という前提で大好きなバードワッチングを楽しんでいるChristian さんの、ささやかな大変さがわかる。
この島に住んでいてそんな心の負担(負荷)はほとんどない。
ただアメリカに3カ年留学した体験からすると、いきなり善意のことばをかけられたにも関わらず、Christianさんに恐怖心を抱いたエイミーさんの気持ちはなんとなくわかる気がする。人種差別だということは確かに違いない。しかし、彼女がとっさに恐怖感を覚えてパニクった様子が伺えた。1980年代のことだが、アメリカの大学の図書館の地下倉庫のエレベーターの前で、2メート近いアフリカ系アメリカ人の男性に遭遇した時、本能的な怖さを覚えた事があった。驚いたのはその学生の対応だった。彼は白い笑みをうかべて「How are you doing?」と挨拶したのだった。その瞬間、緊張感が溶けて、「Fine thanks」と答えた。何冊かの本を抱えてエレベーターに乗ったのはわたし一人だったように記憶しているが、あの時のアフリカ系アメリカ人の学生の笑顔が脳裏に焼き付いている。笑顔と挨拶は単純だが、人と人の距離を温める。見知らぬ人と人の警戒心を解いていくきっかけにもなっている。
男性のクーバーさんとエイミーさんの場合人種のるつぼのニューヨークに住んでいてかつそのような事態が起こるという事に、人間の本能的な人種間の壁や溝の大きさ、深さを意識させるのだが、果たして、その後職場も首になったというエイミーさんのあの少しパニクったような対応に同情も寄せられているのだろうか。Twitterを見る限り、いくらか同情も寄せられているようだ。恫喝なり脅威を与えられているような感覚は、理性を失って、単純に条件反射的に行動しているように見えなくもない。パブロフの犬が吠えているようだ。
理性的(客観的)に状況を認識する間もなく、直感的な反射神経で動いていくことがありえる。エイミーさんはどうもその罠に一瞬、囚われたのかもしれない。そしてそれはクーパーさんからすると人種差別ということになる。
“I’m going to tell them there’s an African-American man threatening my life,” Amy yells to Christian. When she calls the cops, her voice ramps up with the screaming-bloody-murder inflection that has claimed the lives of so many falsely-accused Black men in our country. https://www.bet.com/news/national/2020/05/26/opinion-amy-cooper-falsely-accusing-black-men-gotten-us-killed-f.html ←この声もその通りなのだと理解できる。