最愛のお嬢さんを「癌」の病で失った父親の愛惜(思い)の深さが詩篇にちりばめられています。意識の中に同行している娘のいずみさん!病室で270日間見守り続けた父親の愛情がことばの中にあふれ、明るい笑顔も見えてくるようです。明日に希望をもって闘った命が枯れ果てていくことー、見守るいたたまれない思い、そして、しかし彼女は闇の中に放たれる光となって同行しているのです。
「かわいい非在のぼくの孫よ いとしいぼくの娘よ」!
父が遠く那覇まで孫の保育園の運動会に来てくれた日の姿が浮かんでくる。お父さん、あなたは存分に愛してくれたー。
ーーーすでに旅立った最愛の者たちが常に風のように寄り添っている。
まぶたに焼き付いている顔、顔、顔、犬のタロウの顔も、決して脳裏から消えない。わたしが生きている間、身近に実在したものたちは同行者なのだ。