≪生協食堂の外側のテーブルの先に池がありこんもりと繁る森が続く。そこからピーヒョロロ ピーヒョロロが聞こえてきた。昨今、確かに「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」と鳴く赤ショービンの鳴き声が5階の部屋の中にいても幽かに聞いたと思った。今日、池の辺りからはっきりと聞こえてきた。渡りの季節、このうりずんの季節に彼らはやってきて、また去っていく。以前は実家の庭に立つと、ゴールデンウィークの頃はかならず聞こえてきた鳴き声だ。それがキャンパスの池の周りから聞こえてきた。しばらくフェンスに跨り鳴き声に耳を澄ました。ピーヒョロロ ピーヒョロロ鳴いている。 小さなアカショウビンがどうしてこんなに綺麗な鳴き声を奏でることができるのか、生き物の不思議と魅力にしばしとりこになるひとときは、悪くない。上里和美さんの歯科の待合室でも確かいつでもアカショービンがピーヒョロロ ピーヒョロロと鳴いてゲストを迎えていることを思い出した。和美さんも赤ショービンの鳴き声が好きなんだ。録音された赤ショービンの生の鳴き声を聴きたい方は是非和美さんの歯科に行かれたらいいね。そこでは赤ショービンがピーヒョロロ ピーヒョロロと鳴いている。≫
和美さんは「カフェ・ライカム」の作者でネットでもとても興味深いエッセイを連載している。あひると人間の世界の寓話のようなリアルな物語は彼女の感性の瑞々しさ、風刺がこめられている。最近はサイトを訪問していないが、あひるがヒント。