風立ちぬ
いままでのジブリ作品とは、一線を画した作品
主人公の声を素人が演じている。
ということで、評価が真っ二つの映画ですね。
たしかに、主人公の幼げでインテリ然とした風貌には・・合いませんねw
封切前から、監督自らがマスコミに顔を出し
庵野氏に声優をやらせたことを正当化(?)してましたので
ご本にも違和感があったんじゃなかろうか?
話題作りに試みたのでしょうか?
そうだったらちょっと残念だし、もったいない。
ストーリー
ネタばれ注意で宜しくです。
名家に生まれた堀越二郎は、生来目が悪く
飛行機の操縦士にはなれないことを自覚していました。
しかし、飛行機に対する憧れは強く、
いつしかイタリアの大設計士カプローニと夢の中で逢瀬をかさねるまでになっていました。
カプローニから励まされて、設計の勉強をすべく帝大に向かう堀越
しかし、関東大震災に巻き込まれてしまいます。
そこで出会ったのが、里見菜穂子。
菜穂子とおつきの女性を助けた、二郎は運命を感じます。
三菱重工に就職した、堀越は天才とうたわれ
ドイツに留学し
新型機の開発に取り組みます。
しかし、日本独自のエンジン、機体は欧米から20年も遅れているのです
ましてや貧乏な日本が、満足な機体を作れるわけもありません
堀越のような天才が知恵をしぼり、技術で欧米に追いつくにしても
5年はかかると。
5年経つうちに、欧米はもっと先に進むのです
アキレスと亀です
亀は先に進みます、アキレスが追いついた時には
亀は必ずアキレスより前にいるのです。
アキレスは、絶対亀を追い抜くことはできないのです。
アキレスと亀のパラドクスです。
堀越は苦悩します。亀になりたいと。
堀越の作った試作機は、無残に試乗で壊れます。
失意の二郎は、夏の高原の避暑地に向かいます。
そこで、里見菜穂子と運命の出会いをします
お互いに、言葉はいりません。
あった瞬間に2人の運命を悟ります。
菜穂子を嫁にほしいと菜穂子の父に申し込みます
菜穂子は「私は、結核を病んでいます。必ず直すので待っていてほしい」といいます
二郎は「いつまでも待つ」と応えます
同席した不思議なドイツ人が
「今年の夏は、すばらしい夏です」と・・
日本は戦争に突入しますが
堀越の周りは、よい飛行機を作ることだけを考えている人間ばかりです。
不思議なドイツ人との関係を怪しまれた堀越は、特高に目をつけられますが
上司の黒川の機転により難をのがれ
黒川の家に居候し、新型機の設計に寝食をわすれて取り組みます。。
一方、菜穂子は治療のため、山深い療養所で病魔と闘っていました。
ある日、突然菜穂子は東京の二郎の下へ訪れます。
菜穂子は、自分に残された時間が無いことを自覚していたのです。
残された時間を濃密にすごす2人。
そんな2人をみた、黒川は2人に祝言を挙げさせます。
幸せな日々。
そしてある日、菜穂子は黙って療養所へ戻ります。
二郎は、新型機を完成させます。
そして、物語はすばらしいラストをむかえるのです・・
最初に、声優の話をしましたが
見終わったら、そんなことどうでもよくなってきました。
この映画は、完成作では無いんですね
自分の心の中で完成させる映画なんです。
ラストシーンのあと
エンドロールで、ユーミンの「ひこうき雲」が流れた瞬間
涙腺が崩壊しました。