日経読んでたら
興味深い記事が載ってました
ちょっくら長いけど頑張って読んでね
リニア工事、大井川に影響は 地下水脈断ち切る懸念
山梨の実験線沿線では水枯れ
JR東海が進めるリニア中央新幹線のトンネル工事に絡み、
静岡県中部の大井川の流量減少が懸念されている。
南アルプスの地下を走る水脈を断ち切り、
川に集まる水の流れを変えてしまうのではないか。
地下の状態を事前に把握するのは難しく、地元では不安がくすぶっている。
昨年12月に始まった「南アルプストンネル」の工事は、
山梨、静岡、長野にまたがる南アルプスの地下を
長さ約25キロメートルにわたって掘り進む。
工事の最大の障害とされるのが、
地表から染み込んだ雨水や雪解け水を集めて走る地下の水脈。
和田秀樹・静岡大名誉教授(地球化学)は
「南アルプスの地質構造は複雑で、
水がどこでどれだけ出るかは掘らないと分からない」と指摘する。
南アルプスの間ノ岳を源流とし駿河湾に注ぐ大井川について、
JR東海は、地下の水がトンネル内に染み出すなどして
流量が最大で毎秒2トン(17%)減ると予測。
ただ「あくまでも試算にすぎず確実な数字ではない」(和田名誉教授)という。
大井川の水系には14の大型水力発電所があるほか、
流域の7市約60万人の飲料水の源となっており、
下流一帯には酒造場や飲料工場、製薬工場など豊かな水が欠かせない施設が集まる。
大井川下流に近い焼津市の養鰻(ようまん)業「共水」は、
地下から湧き出る川の伏流水をウナギの養殖池に利用。
片岡征哉社長(51)は「50年以上、川の恵みで商売してきた。
水が減るようなことがあれば立ちゆかない」と眉を寄せる。
地元の懸念を深める一因となったのが、
山梨県のリニア実験線の沿線で起きた水枯れ。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構などによると、
2008年にトンネル工事が始まった後、
同県の笛吹市や大月市で川の水が減ったり井戸が干上がったりした。
「トンネルに地下水が流れ込んで沢や井戸の水位が下がった」(同機構)とみられている。
大井川への影響を低減するため、JR東海は河川やトンネル、
地盤の専門家を集めた検討委員会を設置。
流れ出た地下水を導水路やポンプを使って大井川に戻す対策を示し、
「中下流域への影響は避けられる」と説明している。
だが「温度や成分が異なる地下水を川に戻すと水質が変わらないか」
「上流は水が減って動植物に影響が出る」などと不安の声は消えていない。
水量が豊富で、江戸時代には東海道の難所として
「越すに越されぬ」とうたわれた大井川だが、
1960年ごろからダムや発電所の取水で流量が減少。
自治体が電力会社と交渉を重ねて流量を確保してきた経緯がある。
静岡県生活環境課の市川加代子課長は
「大井川は流域の日常生活や生産活動の基盤」と強調。
「影響を最小限にとどめるため、工事はデータを集めながら慎重に進め、
速やかに情報を共有してほしい」と求めている。
先日書きました
吉村 昭著 「闇を裂く道」の話
静岡県函南と熱海を結ぶ丹那トンネルの工事
火山地帯を掘り進む難事業。
この小説の中でも描かれてましたが
それまでは、風光明媚で水量も豊富な丹那盆地
わさび畑がそこここにあり
緑豊富で放牧も営なわれて
新鮮な牛乳を沢の水で冷やして熱海まで運んでいます
田畑が村々を潤して
平和な日常がそこにはあったのです
しかし、トンネル工事が始まり
みるみる水量が減っていき
わさび畑が枯れ、田んぼが枯れ
畑が枯れ
生活用水にまで事欠くことに
それはやがて、筵旗を揚げることになるのです
輸送力の強化と、時間の短縮
それは、日本の近代化に欠かせないものでした。
しかしその立派なうたい文句のうらに起こった出来事
光には必ず影があり、その向こうには闇の部分があるのです
人間の英知が、それを克服していくのか。
それが正しいのか?
本当の克服なのか?
それから、80年の時が経ち
人間はまた、同じことを繰り返す
人間の理想を追い求めるための、技術の進歩。
それは素晴らしいこと
しかしその美名の裏に潜んでいる闇から
目をそむけてはいけないってことでしょうね
興味深い記事が載ってました
ちょっくら長いけど頑張って読んでね
リニア工事、大井川に影響は 地下水脈断ち切る懸念
山梨の実験線沿線では水枯れ
JR東海が進めるリニア中央新幹線のトンネル工事に絡み、
静岡県中部の大井川の流量減少が懸念されている。
南アルプスの地下を走る水脈を断ち切り、
川に集まる水の流れを変えてしまうのではないか。
地下の状態を事前に把握するのは難しく、地元では不安がくすぶっている。
昨年12月に始まった「南アルプストンネル」の工事は、
山梨、静岡、長野にまたがる南アルプスの地下を
長さ約25キロメートルにわたって掘り進む。
工事の最大の障害とされるのが、
地表から染み込んだ雨水や雪解け水を集めて走る地下の水脈。
和田秀樹・静岡大名誉教授(地球化学)は
「南アルプスの地質構造は複雑で、
水がどこでどれだけ出るかは掘らないと分からない」と指摘する。
南アルプスの間ノ岳を源流とし駿河湾に注ぐ大井川について、
JR東海は、地下の水がトンネル内に染み出すなどして
流量が最大で毎秒2トン(17%)減ると予測。
ただ「あくまでも試算にすぎず確実な数字ではない」(和田名誉教授)という。
大井川の水系には14の大型水力発電所があるほか、
流域の7市約60万人の飲料水の源となっており、
下流一帯には酒造場や飲料工場、製薬工場など豊かな水が欠かせない施設が集まる。
大井川下流に近い焼津市の養鰻(ようまん)業「共水」は、
地下から湧き出る川の伏流水をウナギの養殖池に利用。
片岡征哉社長(51)は「50年以上、川の恵みで商売してきた。
水が減るようなことがあれば立ちゆかない」と眉を寄せる。
地元の懸念を深める一因となったのが、
山梨県のリニア実験線の沿線で起きた水枯れ。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構などによると、
2008年にトンネル工事が始まった後、
同県の笛吹市や大月市で川の水が減ったり井戸が干上がったりした。
「トンネルに地下水が流れ込んで沢や井戸の水位が下がった」(同機構)とみられている。
大井川への影響を低減するため、JR東海は河川やトンネル、
地盤の専門家を集めた検討委員会を設置。
流れ出た地下水を導水路やポンプを使って大井川に戻す対策を示し、
「中下流域への影響は避けられる」と説明している。
だが「温度や成分が異なる地下水を川に戻すと水質が変わらないか」
「上流は水が減って動植物に影響が出る」などと不安の声は消えていない。
水量が豊富で、江戸時代には東海道の難所として
「越すに越されぬ」とうたわれた大井川だが、
1960年ごろからダムや発電所の取水で流量が減少。
自治体が電力会社と交渉を重ねて流量を確保してきた経緯がある。
静岡県生活環境課の市川加代子課長は
「大井川は流域の日常生活や生産活動の基盤」と強調。
「影響を最小限にとどめるため、工事はデータを集めながら慎重に進め、
速やかに情報を共有してほしい」と求めている。
先日書きました
吉村 昭著 「闇を裂く道」の話
静岡県函南と熱海を結ぶ丹那トンネルの工事
火山地帯を掘り進む難事業。
この小説の中でも描かれてましたが
それまでは、風光明媚で水量も豊富な丹那盆地
わさび畑がそこここにあり
緑豊富で放牧も営なわれて
新鮮な牛乳を沢の水で冷やして熱海まで運んでいます
田畑が村々を潤して
平和な日常がそこにはあったのです
しかし、トンネル工事が始まり
みるみる水量が減っていき
わさび畑が枯れ、田んぼが枯れ
畑が枯れ
生活用水にまで事欠くことに
それはやがて、筵旗を揚げることになるのです
輸送力の強化と、時間の短縮
それは、日本の近代化に欠かせないものでした。
しかしその立派なうたい文句のうらに起こった出来事
光には必ず影があり、その向こうには闇の部分があるのです
人間の英知が、それを克服していくのか。
それが正しいのか?
本当の克服なのか?
それから、80年の時が経ち
人間はまた、同じことを繰り返す
人間の理想を追い求めるための、技術の進歩。
それは素晴らしいこと
しかしその美名の裏に潜んでいる闇から
目をそむけてはいけないってことでしょうね