母の日記には、食べ物の話がよく出てくる。病人には、ごはんが食べられたか食べられなかったか、美味しかったか、ということが健康な人間以上に大切な事だからだろう。
札幌の病院に入院していたこの頃は、かなり体調もよい時もあったので、あれこれ食べることができたようだ。
この日記には父とざるそばを食べたとある。父の好物で、父の昼ご飯はいつもざるそばだったので、父が買ってきたのだろうか。
そのあと、「八ちゃんソーメ」を売店で買って食べたとあるが、これはなんだかわからない。それからお菓子を買って食べたというのだから、お菓子ではないのだろう。「ソーメ」と読めるが違うのかもしれない。
この日は、年末から帰省していた同居人と私が、大阪への帰り道千歳に行く前に寄った日だ。病院の塀の上に、誰かが作った小さな雪だるまが5つばかり並んでいたのをなぜかよく覚えている。
何か食べた、という話のほかに、日記とは別の箇所に、料理のレシピが書いてあることもある。
日記を読んでいてはじめは気づなかったのだが、裏を見てこのレシピを見つけた時は、日記の内容を読むより胸が痛んだ。
「百合根のポタージ」(ポタージュだろう)
テレビで見たのか、雑誌か新聞ででも見つけたのか。
自分で食べてみたいと思ったのか、父が百合根好きだったはずだから、それでちょっと変わったメニューで拵えて食べさせようと思ったのか。
いずれにせよ、自分が退院して、元気になって家に帰ったら作ろう、と考えてメモを取ったに違いない。そんな日が来ることはなかったのだが。
母に代って、このレシピで「百合根のポタージュ」を作ろうと思ったのだが、大阪ではあまり百合根を売っていない。「らでぃしゅぼーや」で来ることもない。
いつ作れるだろうか?
私自身はあまり百合根は好きではないのだが、ポタージュにすれば確かに美味しいかもしれない。
そう思いながらもう7年が経ってしまった。
来週の日曜が母の祥月命日だ。
http://mognavi.jp/food/23047;jsessionid=D1E92B9AEEA7682C575B31EF80652C10.mognavi_carotene
これではございませんか?
残念ながらこの横山製麺さんはもう廃業してしまったみたいです。
おかあさまが天に召されてからもう7年になるのですか。
祥月命日を前におかあさまの思い出を偲ぶ、
きっと思い出していただいて喜んでいらっしゃることでしょう。
百合根はうちでは年末に「旨煮」用に父が剥くのが担当でした。
http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/A2003/Yurine.htm
殆どが北海道産だったとは。
知りませんでした。
このそうめんのフタには見覚えがあります!北海道にいた頃に、カップのそうめん食べました。結構美味しかったんです。きっとこれのことですね。
いや~リスさんわざわざ調べてくださってありがとうございました。やっと謎が解けました。
しかしうちの母は、ざるそば食べてそのあとでそうめんを食べたんでしょうか?ずいぶん食べたものですね。その後お菓子も食べたようだし。もちろん時間差はあったでしょうが…。
HP見て懐かしくなりましたが、もう廃業されているとは残念です。
リスさんのお家でも煮ものでしたか。うちもですよ。関西のスーパーで数度、百合根売ってるの見たんですが、やはり「北海道産」と書いてありました。
茶碗蒸しにも入れませんでしたか?関西ではまず入っている事はありませんが。
うちの母方の茶碗蒸しには入っていませんでしたが父方祖母が作る茶碗蒸しには入っていた記憶が微かにあります。
茶碗蒸しといえば内地の茶碗蒸しには必ずといっていいほど銀杏が入っていますが銀杏って塩で炒っただけのほうがおいしいと思う人なので実はあまり茶碗蒸しの銀杏が好きではありません。
仕事で都内にある京都料理懐石を食べたときには確か百合根が煮物で供されましたが関西の方々は普段は召し上がらないのかしらん?
ゆりねのポタージュは昔、作った記憶があります。作り方のせいか、ビシソワーズとあまり変わらなかったけど、すこし、甘味があるかも・・・。ゆりねって、剥いて、下ごしらえが面倒だよね。北海道は産地だけど、あまり食べないよね。地元では。
炒った銀杏って大人の味ですよね!
エースさん>
おっ、百合根のポタージュ作ったことあるんだ!さすがお料理上手のエースさん。
確かに食感はいも風だから、ヴィシソワーズみたいになるでしょうね。
私子供のころはあのぼそぼそ感が嫌で、いつも父に食べてもらっていました。