日本農業新聞e-農netに、「[現場から]堆肥満杯「もう限界」風評害で引き取り手なく 福島県の肥育農家 (2012年10月19日) 」という記事があった。
内容は以下の通り
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で牛ふん堆肥が行き場を失い、福島県の肉牛肥育農家が苦境に陥っている。
放射性物質の暫定許容値を下回っても、「風評被害」で引き取り手がない。
堆肥舎はすでに満杯で、搬出できない「未熟堆肥」(牛ふんと敷料が混ざった状態)が牛舎内に蓄積。
未熟堆肥に埋もれて牛が窒息死したり、未熟堆肥が発熱して出火したりといった事故も各地で起こっている。
対策が急務だ。
・牛窒息、発火事故も
15センチを超える未熟堆肥がたまり、牛のひづめが埋もれている。
和牛を330頭肥育する福島県古殿町の青柳畜産の牛舎。
堆肥舎は切り返しができないほど堆肥が山になり、牛舎からは3カ月以上も搬出できていない。
青柳畜産の堆肥の放射性物質濃度は検査器の検出限界値を下回り、国が定めた放射性物質の暫定許容値(1キロ400ベクレル)を超えたことはない。
それでも取引していた耕種農家が敬遠し、農場から堆肥を出せなくなってしまった。
・起立不能で死亡
「もう、限界だ」
牛を見詰めながら同社の後継者、青柳陽介さん(31)がつぶやいた。
未熟堆肥が邪魔をして寝返りを打てず起立不能になるなどした牛の死亡事故が、今年に入って2件発生した。
現在は起き上がれない牛がいないか毎朝見回り、起立できるよう支えてやる。
死亡事故が発生しやすくなるのはこれから迎える冬だ。
夏は、牛舎ごとに設置した扇風機で未熟堆肥の水分を飛ばして乾燥させ重量も軽減。
しかし冬は牛が冷えるので扇風機は使えない。
「乾かすことができなければ、じとっとした(未熟)堆肥に牛がずぼずぼとはまり、また死なせてしまう。
でも、もう、現場ではどうしようもない」。
青柳さんは嘆く。
青柳畜産は震災前は400頭を肥育していた。
だが未熟堆肥の蓄積や東京電力による損害賠償金の支払いの遅れで肥育頭数を70頭減らした。
「後継者として息子が帰り後戻りはできない。
どうすればいいんだ。
堆肥の処理にめどが付けば先は見えるのだが」。父で社長の浩さん(55)は無念さをにじませる。
・行政の対応急務
堆肥処理の問題は、自給草地が少なく自前で処理できない大規模な肥育農家ほど深刻だ。
農水省によると、許容値を超えた堆肥を抱える畜産農家は2500戸。
うち1600戸以上を福島県が占める。
ただ同県では許容値以下の堆肥も出荷できない。
何戸の農家にどのくらい滞留しているのか県は正確には把握できていないという。
同県二本松市の大規模肉牛肥育農場・エム牧場の社長、吉田和さん(33)は「堆肥をため込んでおくしかないので参っている。
行政の対応があまりに遅い」と憤る。
県内の他の地域でも「牛舎内のアンモニア臭がひどかったり、牛が(未熟)堆肥にはまったりして発育が悪い状況がある」(JAあぶくま石川)、「堆肥問題が解決しなければ、畜産経営がどん詰まりになる」(JAたむら)と悲痛な声が相次ぐ。
JA全農福島など関係機関は、農水省や県などに何度も現状を訴えてきた。
同省は「牧草の除染などで一部の堆肥が活用されている。
400ベクレル以下の堆肥の活用を耕種農家に推進していくことなどに今後も力を入れ、行き場のない堆肥を少しでも処理していきたい」(畜産企画課)と話す。
しかし全農福島は「一時しのぎ的な対応にとどまっており、処理できているのはごくわずか。
根本的な解決になっていない。
現場の状況は極めて深刻で、大半の肥育農家が苦しんでいる」(畜産部)と、行政に抜本的な解決策を提示するよう切望する。
聞こえるだろうか。
産地の悲鳴が!
本当に最悪の事態となっているのだ。
個の悲鳴が届いたのなら、5回に1回でもいい。
10回に1回でもいいので、東北のお米を選んでほしい。
内容は以下の通り
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で牛ふん堆肥が行き場を失い、福島県の肉牛肥育農家が苦境に陥っている。
放射性物質の暫定許容値を下回っても、「風評被害」で引き取り手がない。
堆肥舎はすでに満杯で、搬出できない「未熟堆肥」(牛ふんと敷料が混ざった状態)が牛舎内に蓄積。
未熟堆肥に埋もれて牛が窒息死したり、未熟堆肥が発熱して出火したりといった事故も各地で起こっている。
対策が急務だ。
・牛窒息、発火事故も
15センチを超える未熟堆肥がたまり、牛のひづめが埋もれている。
和牛を330頭肥育する福島県古殿町の青柳畜産の牛舎。
堆肥舎は切り返しができないほど堆肥が山になり、牛舎からは3カ月以上も搬出できていない。
青柳畜産の堆肥の放射性物質濃度は検査器の検出限界値を下回り、国が定めた放射性物質の暫定許容値(1キロ400ベクレル)を超えたことはない。
それでも取引していた耕種農家が敬遠し、農場から堆肥を出せなくなってしまった。
・起立不能で死亡
「もう、限界だ」
牛を見詰めながら同社の後継者、青柳陽介さん(31)がつぶやいた。
未熟堆肥が邪魔をして寝返りを打てず起立不能になるなどした牛の死亡事故が、今年に入って2件発生した。
現在は起き上がれない牛がいないか毎朝見回り、起立できるよう支えてやる。
死亡事故が発生しやすくなるのはこれから迎える冬だ。
夏は、牛舎ごとに設置した扇風機で未熟堆肥の水分を飛ばして乾燥させ重量も軽減。
しかし冬は牛が冷えるので扇風機は使えない。
「乾かすことができなければ、じとっとした(未熟)堆肥に牛がずぼずぼとはまり、また死なせてしまう。
でも、もう、現場ではどうしようもない」。
青柳さんは嘆く。
青柳畜産は震災前は400頭を肥育していた。
だが未熟堆肥の蓄積や東京電力による損害賠償金の支払いの遅れで肥育頭数を70頭減らした。
「後継者として息子が帰り後戻りはできない。
どうすればいいんだ。
堆肥の処理にめどが付けば先は見えるのだが」。父で社長の浩さん(55)は無念さをにじませる。
・行政の対応急務
堆肥処理の問題は、自給草地が少なく自前で処理できない大規模な肥育農家ほど深刻だ。
農水省によると、許容値を超えた堆肥を抱える畜産農家は2500戸。
うち1600戸以上を福島県が占める。
ただ同県では許容値以下の堆肥も出荷できない。
何戸の農家にどのくらい滞留しているのか県は正確には把握できていないという。
同県二本松市の大規模肉牛肥育農場・エム牧場の社長、吉田和さん(33)は「堆肥をため込んでおくしかないので参っている。
行政の対応があまりに遅い」と憤る。
県内の他の地域でも「牛舎内のアンモニア臭がひどかったり、牛が(未熟)堆肥にはまったりして発育が悪い状況がある」(JAあぶくま石川)、「堆肥問題が解決しなければ、畜産経営がどん詰まりになる」(JAたむら)と悲痛な声が相次ぐ。
JA全農福島など関係機関は、農水省や県などに何度も現状を訴えてきた。
同省は「牧草の除染などで一部の堆肥が活用されている。
400ベクレル以下の堆肥の活用を耕種農家に推進していくことなどに今後も力を入れ、行き場のない堆肥を少しでも処理していきたい」(畜産企画課)と話す。
しかし全農福島は「一時しのぎ的な対応にとどまっており、処理できているのはごくわずか。
根本的な解決になっていない。
現場の状況は極めて深刻で、大半の肥育農家が苦しんでいる」(畜産部)と、行政に抜本的な解決策を提示するよう切望する。
聞こえるだろうか。
産地の悲鳴が!
本当に最悪の事態となっているのだ。
個の悲鳴が届いたのなら、5回に1回でもいい。
10回に1回でもいいので、東北のお米を選んでほしい。