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陸続きのヨーロッパでは、難民は力をもって嫌応
なしに入って来る。それは土石流のようなもので
彼らは食べ飲み排泄をし、政治を動かそうともす
る。その国に多大な負担をかけるが、感謝する訳
でもない。彼らに対処するのに、日本のように最
善の策を取るといった甘い話でなく、最悪の道を
取らないように足掻くのだそうだ。
日本のように総理が5月の連休の時だけ儀礼的に
外国を訪問していて済むことではない。あちらと
こっそり話をつけ、こちらと陰で取引をし、あち
らを脅しながら微笑し、こちらに色目を遣いなが
ら懐のナイフをちらつかせ、常に最強の武器であ
る金の話になる。信義は表向きだけのことだ。
その力関係の不純さをたいていの大人が知ってい
る。だから皆が大人になっている。それが見抜け
ない日本人は子供ばかりだ。日本はやはり東洋の
「黄金の国」「夢の国」なのかもしれない。
<曽野綾子著「最高に笑える人生」より>