畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

中国元の対ドルレート

2009-12-10 06:34:00 | 政治・経済
 いまや「G2」とまで呼ばれるようになった中国。しかし、環境対策や人権問題などを考えるととても世界第2の国とは言えないお粗末なもの。
 中国のなかでも私が一番問題だと思うのは、経済問題だ。具体的には中国元の対ドルレートがいまでもほぼ固定相場制であることだ。中国政府により多少の切り上げはあったものの、毎年飛ぶ鳥を落とす勢いで成長する中国の実情に、レートが追い付いていない。実態以上の割安レートのおかげで中国は多額の貿易黒字を手にした。アメリカとの貿易摩擦に発展している。
 かつて日本も対ドルレートは固定相場制だった。戦後$1=¥360ときめられたが、日本が経済大国になるにあたり変動相場制に移行。プラザ合意など米国との交渉で何度も円高ドル安に。現在では$1=¥85ほどになった。円の価値が4倍以上になった。それでも日本の貿易黒字は続いた。なぜなら日本企業がコスト削減に努力し、現地生産に転換するなど関係国との軋轢を排除してきたため。結果日本はレートの割安な中国での生産に切り替えていき、国内産業は空洞化した。
 中国も国内産業の空洞化を恐れているかもしれない。ただ、割安のレートを利用し、日本やアメリカなどから貿易黒字を溜め込むような現状はよいのだろうか?もし、中国元の対ドルレートが変動相場制になれば、中国の人民元は大幅に上昇し、対日輸出も減少するだろう。そうなれば、また日本の中小企業の工場で生産するようにならないか。
 日本各地の都市部で多くの工場が閉鎖され、マンション開発がされている。工場の閉鎖は雇用減少を意味する。失業率の高さは不景気よりも構造的なもんだいではないか。ものづくり大国日本の復活を私は願っている。