ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

【鎌倉建長寺 巨福能のご案内】

2007-03-20 00:06:09 | 能楽

来る6月3日(日)、鎌倉・建長寺で毎年恒例の能楽公演「巨福能(こふくのう)」が開かれ、このたび
                                      私儀
本公演への出演の依頼を頂き、能『隅田川』を勤めさせて頂く運びとなりました。

建長寺は鎌倉五山の筆頭の格式を誇る名刹で、鎌倉時代の5代執権・北条時頼の創建となる歴史を持ちます。山号を「巨福山」と言い、この公演はここを由来としています。主催は建長寺ながら、企画制作には能楽金春流に所属する方が携わり、今回はその方から ぬえにとくに出演のご依頼を頂きました。もとより建長寺のような名刹で公演できる事はぬえ個人としても大きな喜びでありますが、能楽の他流派の方から わざわざご指名を頂いて出演させて頂けるのは演者として大変な名誉でございます。ご期待に背く事のないよう、謹んで、大切に勤めさせて頂く所存です。どうぞお誘い合わせのうえお申込頂きますよう、お待ち申し上げております。

今回の建長寺・巨福能では、主催者の要望により大曲『隅田川』を勤めさせて頂くこととなりました。世阿弥の嫡男・観世十郎元雅の作になる能楽屈指の名曲です。

  『隅田川』あらすじ

 昔、京都に二人きりで暮らしていた母子がいました。ところが子どもの梅若丸は人商人にさらわれてしまいます。子どもを失った母は狂ったように我が子を尋ねて旅に出、今日は武蔵の国(=いまの東京)の隅田川に着きました。川を渡る渡し船に乗せてもらった母は、向かいの岸に人が集まって念仏を唱えているのに気がつき、船頭はその人だかりについて物語をします。 ~一年前、人商人に連れられて、一人の子どもがこの土地までやって来た。しかし長旅に疲れた子は病伏せってしまい、人商人は足手まといになったこの子を捨てて下ってしまい、子どもは母親の名を呼ぶと、ついに力つきてしまった。子どもを憐れんだ村人たちはこの子の墓として塚をつくり、一年が経った今日、こうして跡を弔っている。~それは恐ろしい物語でした。その子どもこそ、この母親が探し求めていた我が子の梅若丸だったのです。驚いた船頭は母を梅若丸の墓に案内します。その夜、涙ながらにお弔いをする母の前に、まぼろしのように梅若丸が現れます。。

<催し詳細>



※お席料はお一人7,500円ですが、お二人でお申込されると合計で14,000円に割り引きとなり、お得に
 お求め頂けます。

※公演は全自由席です。4月23日(月)より一般の電話予約受付が始まり、当日はその受付番号順に
 会場に入場して座席を取ることになっています。

※ただし出演者の関係者は一般の予約受付日よりも優先して予約できるそうです。観覧ご希望の方は
 お早めに ぬえ宛てお申込み頂ければ、優先予約を承ります。

※上記一般予約開始日の前に、4月上旬より関係者の先行予約が始まるようです。演者を通しての
 優先受付はそれより前になりますので、ぬえにお申込頂きます際は3月末日までにお申込み頂け
 れば、最優先にて受付番号が割り当てられるようです。お申込はお早めにお願い申し上げます。

 E-mail QYJ13065@nifty.com       ぬ  え