昨日、師家の初会 梅若研能会1月例会が催されました。
『翁』~『賀茂』(御田・素働)まで終えて地謡が楽屋に帰ってきたところで時計を見たところ、所要は2時間50分でした。お囃子方は、さらに休みなく『福の神』を勤められたので、全体では3時間15分ぐらいでしょうか。。翁付きでここまで小書が付けられていた事を考えると、むしろ上演時間は少し短めにすんだ、と言えるかもしれません。。いずれにせよ、出演者も、そしてお客様にとっても、体力の限界に挑戦するような演式だった事には変わりありませんが。。みなさまお疲れさまでした~ m(__)m
お笛や太鼓、そして地謡のみなさんも、あれだけ長く座る事も大変なのですが、千歳と天女のお役を勤めさせて頂いた ぬえは賀茂が終わった時には彼らとは反対に「やっと座れる。。」と思いました。
なんせ、開演の一時間前にはすでに千歳の装束を着け終わり(なんと開場時刻より前!--『翁』は開演の前に楽屋で出演者一同 神酒を頂く儀式があるためです)、千歳を終えて装束を脱いでから五分後には天女の装束を着け始めました。。と言うことは。。考えてみれば装束を着ていた時間は上演所要時間より1時間長く、3時間50分間という事になります。。実際に舞台に出ていた時間は千歳で30分間、天女も同じく30分間の、あわせて1時間にしか過ぎないのですが。。
そして、その間 ぬえは楽屋でほとんど立ちっぱなしでした。もとより楽屋ではシテ以外は床几に腰掛ける事は許されないのですが、最近は装束を着けたままで正座をすると装束が傷むので、着付けが出来上がったあとは楽屋で立っている事が多いのです。今回のように待ち時間が極端に長い時には、例外的に床几に掛けさせて頂ける場合もあるのですが、その時間を除いても3時間は楽屋で立っていたでしょう。(。_・)
かんじんの千歳と天女の出来ですが、自分としては「まあまあ」というところでしょうか。天女で一カ所、一瞬バランスを崩しかけて「おっと。。」と思った所がありましたが、それ以外は大過なく勤める事ができました。(あいかわらず力みすぎてしまうところは。。課題ですが)
それにしても、千歳はともかく、『賀茂』の後ツレの天女を勤めて思ったのですが、やはり「後ツレ」というのは演りにくいお役ですね。以前にも『女郎花』のツレをさせて頂いた時に思ったのですが、前場には登場しないで楽屋で待機していて、後だけに舞台に出ると、何というか非常に居心地が悪いのです。それは当然で、前場でシテとともにワキや地謡、そして囃子方の全員で作り上げてきた場にはまったく関与していないで、後場の、いわば能のクライマックスにいきなり登場するのですから。これはそれまでどれだけ稽古を積み重ねてきたか、とは別の問題で、出演者のみなさんがせっかく作り上げてきたその場に土足で踏み込むような、勤めながら「これで良いのだろうか。。迷惑をかけていないかな。。?」と思ってしまうのです。
『賀茂』の天女は、その点この能の中ではかなり独立した役なので、「天女之舞」を瑕疵なく勤めることが出来れば、少なくとも形の上ではツレとしての役目は成立させる事ができるので、『女郎花』などのようにシテの情念のようなものを直接受け止める役と比べればまだ気が楽ではありました。それでもやはり『賀茂』の前場で出演者一同で作り上げてきた、その雰囲気の中に幕を揚げて出ていくのは勇気が要りますし、それまでの間に楽屋でいかに集中しておくか、が重要なのだと痛感しました。
ともあれめでたい初会を無事に勤め果せた事をいまは感謝しています。
ご来場頂いたお客様には改めて御礼申し上げます m(__)m
『翁』~『賀茂』(御田・素働)まで終えて地謡が楽屋に帰ってきたところで時計を見たところ、所要は2時間50分でした。お囃子方は、さらに休みなく『福の神』を勤められたので、全体では3時間15分ぐらいでしょうか。。翁付きでここまで小書が付けられていた事を考えると、むしろ上演時間は少し短めにすんだ、と言えるかもしれません。。いずれにせよ、出演者も、そしてお客様にとっても、体力の限界に挑戦するような演式だった事には変わりありませんが。。みなさまお疲れさまでした~ m(__)m
お笛や太鼓、そして地謡のみなさんも、あれだけ長く座る事も大変なのですが、千歳と天女のお役を勤めさせて頂いた ぬえは賀茂が終わった時には彼らとは反対に「やっと座れる。。」と思いました。
なんせ、開演の一時間前にはすでに千歳の装束を着け終わり(なんと開場時刻より前!--『翁』は開演の前に楽屋で出演者一同 神酒を頂く儀式があるためです)、千歳を終えて装束を脱いでから五分後には天女の装束を着け始めました。。と言うことは。。考えてみれば装束を着ていた時間は上演所要時間より1時間長く、3時間50分間という事になります。。実際に舞台に出ていた時間は千歳で30分間、天女も同じく30分間の、あわせて1時間にしか過ぎないのですが。。
そして、その間 ぬえは楽屋でほとんど立ちっぱなしでした。もとより楽屋ではシテ以外は床几に腰掛ける事は許されないのですが、最近は装束を着けたままで正座をすると装束が傷むので、着付けが出来上がったあとは楽屋で立っている事が多いのです。今回のように待ち時間が極端に長い時には、例外的に床几に掛けさせて頂ける場合もあるのですが、その時間を除いても3時間は楽屋で立っていたでしょう。(。_・)
かんじんの千歳と天女の出来ですが、自分としては「まあまあ」というところでしょうか。天女で一カ所、一瞬バランスを崩しかけて「おっと。。」と思った所がありましたが、それ以外は大過なく勤める事ができました。(あいかわらず力みすぎてしまうところは。。課題ですが)
それにしても、千歳はともかく、『賀茂』の後ツレの天女を勤めて思ったのですが、やはり「後ツレ」というのは演りにくいお役ですね。以前にも『女郎花』のツレをさせて頂いた時に思ったのですが、前場には登場しないで楽屋で待機していて、後だけに舞台に出ると、何というか非常に居心地が悪いのです。それは当然で、前場でシテとともにワキや地謡、そして囃子方の全員で作り上げてきた場にはまったく関与していないで、後場の、いわば能のクライマックスにいきなり登場するのですから。これはそれまでどれだけ稽古を積み重ねてきたか、とは別の問題で、出演者のみなさんがせっかく作り上げてきたその場に土足で踏み込むような、勤めながら「これで良いのだろうか。。迷惑をかけていないかな。。?」と思ってしまうのです。
『賀茂』の天女は、その点この能の中ではかなり独立した役なので、「天女之舞」を瑕疵なく勤めることが出来れば、少なくとも形の上ではツレとしての役目は成立させる事ができるので、『女郎花』などのようにシテの情念のようなものを直接受け止める役と比べればまだ気が楽ではありました。それでもやはり『賀茂』の前場で出演者一同で作り上げてきた、その雰囲気の中に幕を揚げて出ていくのは勇気が要りますし、それまでの間に楽屋でいかに集中しておくか、が重要なのだと痛感しました。
ともあれめでたい初会を無事に勤め果せた事をいまは感謝しています。
ご来場頂いたお客様には改めて御礼申し上げます m(__)m