この日は中学生のT兄ちゃんが息子のスパーリング相手役のため、
わざわざ時間を割いて来てくれました。
もともと厳しいT兄ちゃんでね、父兄や後輩の間でも好き嫌いが分かれるんですけど、幸い息子はとても好かれているんです。うちの息子、母親の言うことは聞かないし、口答えばっかりだし、いっつもウロウロしてじっとしてないし、ベラベラ喋って煩いしなんですけど、物凄く先輩後輩の上下関係をきちんと守る子でしてね。これ、私が教えたわけではないんですけど、知らぬ間に身に付いておりました。
先輩が「腕立て30回」と言えば、絶対に歯を食いしばってするし、「うへ~」とか「うひ~」とか弱音も絶対に吐かない子でね(私には口答えばっかりするくせに)。絶対に達成するまで諦めないという姿勢が気に入られたようで、先輩達も「根性試し」なつもりで様子見ていたのかもしれませんけど、小学高学年や中学生のお兄ちゃん達に贔屓にしてもらっているんです。
「もし学校で苛めてくる奴がいたら、
俺らでそいつ叩きのめしに行ってやるから言えよ!」とまで言ってくれて、
なんとも頼もしい。
空手を始めて1年ちょっと経ち、うんと仲が深まった感じ。息子のことを可愛がってくれるから、旦那や私にも皆礼儀正しいし、娘のリーにも優しくてね(涙)。
こんな上下関係は学校生活では築けないので、ここで築いている友情や人間関係は、彼にとって大きな財産になるだろうと信じています。
ともあれ今日のスパーリング、T兄ちゃん叩きのめされていてね、私、ハラハラしてずっと心臓押さえっぱなし。なのにT兄ちゃんは息子に身長を合わせるために膝付いて、「今度はオレの頭を殴れ!」「脇腹!」「もっと強く!」「加減するな!」って…。
こんなことしてしてくれる人、おらんよ…と、スパーリング終わった後に、このT兄ちゃんハグしそうになったほどだったよ…(って、ただ若い男子をハグしてみたいだけか…)。
息子ね、加減するんですわ。やっぱりいつも良くしてもらっている先輩を本気で殴ったり蹴ったりできないのか、途中で止めたり、本気でしなかったりでね。なので、今日のレッスン前に「わざわざ時間割いて来てくれているのに、本気でしなかったら時間の無駄なのよ!自分は仮面ライダーか何かになったと思いなさい。相手は人間の格好した妖怪だから、本気で戦いなさい!」と言ったばかりだったのでね、息子、結構本気で立ち向かっていて、T兄ちゃんに申し訳ない気持ちになったけどね…(汗)。
それでも嫌な顔一つしないで、物凄く息子を褒めて励ましてくれて、この子はいいお父さんになるんだろうなぁと思いました。
と同時に、「あんたもT兄ちゃんみたいな先輩にならんといけんよ。後輩の殴られ役や蹴られ役やってあげて、励まして勇気付けてあげられるような男にならんといけんよ。それを今、見せられとんよ。」と息子に言うと、
「うん、僕、いい先輩になって後輩の面倒みたいから、空手は絶対に辞めん。」と。
息子、ようやっと「子虎」みたいになってきました。でも、彼の性格からしてスパーリングは向いていないように思います…。なんか、相手の痛みのことばっかり考えてんの…。彼はじっくりゆっくり修練タイプだと思うわ。
で、スパーリングが向いていんのは、娘のほうだと思う…。あの子のパンチとカカト蹴りは死ぬほど痛い…。今まで何度本気で怒ったことか。しかもあっち向いて叩かぬフリして叩く技を自ら習得。まさに寅年生まれの、本物の子虎。
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