日本の,様子を伺いながら揺れながらやっと決定した「ゆとり教育廃止」と違って,容赦なく毎年目まぐるしく授業内容が変わるNY.今年(9月から)も大きく変わるようで,教える教師も大変ですが,サポートしていく親は戸惑ってますから….
数年前から英語のReadingに力を入れているNYの教育現場ですが,今年からはより一層,文章読解に力が入ってるように思います.
こちらGレベル.
(キンダー卒園のときと未だ同レベル)
1年生になったばかりの息子が音読する英語の宿題です.
毎日7冊+チャレンジとしてもう2冊の計9冊.
見開き1ページの本じゃないですよ.
写真は11ページ目.
1冊15~30ページの本.
知らない単語も自分で発音し,親は手出し口出ししません.
その後,文章読解の質問をします.
毎日9冊読んだらもうヘトヘトになってる息子….
小学1年生っていったら,「ABC」とか「This is an apple.」程度の英文と思ってました?だからキンダー(年中)で,既に日本の中2レベルくらいだってどこかで書いた通りです.現在進行形も過去形も未来形も比較級も過去分詞も全て,ReadingとWritingの中で同時進行.
余談ですが,途中で他所の国からNYの学校に転校してくる子ってとても苦労するだろうな…と思います.
隔週ごとに生徒一人一人Readingテストがあって,担任が個々に確認しレベルUPしたりDownしたりしていきます.なので,Reading(日本でいう国語の読みと読解)レベルは同じクラスの中でも皆それぞれレベルが異なります.統一の教科書もないし,興味深い方法だと思います.
A~Eレベルがキンダー(年長)で,F~Lレベルが1年生で習得するレベル.成績評価はキンダーのときと同じ1~4の4段階評価なのですが,小学1年生はReadingで「4」を取るのはLレベルがスラスラ読め読解力に長けている子だけで,相当じゃない限りLレベルには到達しないとのことでした.
この基準はNY一般公立校なら基準はほぼ同じだと思います.
息子のクラスは夏休みの間に親子で相当Readingを頑張っていた子もいて,すでにIレベルの子もクラスの中にはいるようで,そんなこと聞くとちょっと焦ってしまう私です…(日本語しかしなかったからね…).
息子は今,感情を込めて読むというのに勝手に嵌っていて(苦笑),読むのは喜んでするのだけど,内容がどれだけ説明できるかが危ういところ.四択や選択問題ならサッと答えられるのだけど,「起承転結を述べよ」とか「このストーリーは何を言いたかったのか?」と,独自の言葉で述べさせたり記述させたりする質問ばかりなので,それに対し頭の中で日本語と英語で考えているようなので,サッと簡潔に英語で説明できないのが見ていてとてもどかしいです.
こういうとき,「ああ日本語捨てて,英語だけ教え込めたらなぁ」という気持ちも過ぎるのだけど,いやいや「日本語教育」ではなく,現在「高度バイリンガル・トライリンガル教育」というのがNYではとても重要な位置づけになっていて,それは学校教育ではなく家庭教育となっているので,ここを妥協するわけにはいかないのです….その点はまた機会があれば書きますね.
さて,Readingについてもう1点.
NYではノンフィクション重視の国語教育を取り入れています.ノンフィクションといえば,説明本や図鑑みたいな本.歴史や生物,惑星や恐竜のことなど,史実や記録に基づいた本です.どうしてノンフィクションを推奨するようになったかというと,去年ニューヨークタイムズ紙に掲載された調査結果の記事が切っ掛け.
NY市がノンフィクション重視の国語カリキュラムを一部の小学校に試験的に導入してみたところ,従来カリキュラムの生徒よりも読解力の試験で高得点且つ,理科&社会のテストでも好成績だったから.
そんなわけで去年のキンダーでも「ノンフィクション」を読むよう散々言われていましたが,ノンフィクションの本って読んでても面白くない~~.一人で勝手に読んでくれるんだったらいいんだけど,まだ絵や写真を眺めてみる程度.始まりとも終わりとも言えない説明文をただただ読み聞かせる親の立場となると,ちっとも面白く無くって読むの止めようかと思うくらい….
やっぱり読み聞かせは「ありえない」ような,「非現実的」な,「信じられない」ような創作ストーリーじゃないと,子供と一緒にワクワクもできやしない….グリム童話も日本昔話も全部フィクション!でもそこから学ぶ「文化」だったり,「モラル」だったり,あるんじゃあないんですか?!と心の中で叫び続け早1年.それに想像力とか養うのってこの時期大事なんじゃないの?とかも思うわけで,まあ勧められてるのでノンフィクションも意識しながら読み進めてはいきますが,やっぱりちょっと反して,私が読むのはフィクションです.
そんなこんなで,NYの英語というか国語と言うかはこんな具合に進んでいます.
ねっ?極端且つ強引な街NYで勉強させると,善し悪しもあるわけです.
「きょ~く~た~ん~(極端)!」と心の中で叫びつつ,私はわが道を進んでおります…(汗).
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