寒いなあ。寒いなあ。お布団の中は電気毛布があるからあたたかいけれど、外に出している両方の手、手の指は冷たく寒い。左手にタブレットを握りしめて、右手の指で文字をなぞる。ブログがそこに顔を見せて来る。「おでいげにおいでおいで」の仲間の新入りがまた一つ加わる。データに依れば、直ちに読んで下さる方はそう多くない。今は夜明け方、まだ大方はおやすみだろう。目覚めた後で読んで下さる方もおられるかもしれない。さっきは光の春に因む短歌を作って、作品の背景を絵に描いて遊んでみた。遊ぶのは楽しい。遊ぶことしか能のない老爺だ。およそ役には立たない。
我を呼ぶ者百人(ひゃくたり)をあめつちに聞かば光の春は嬉しや 薬王華蔵
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光の春が来ている。まばゆい。天上界地上界のどちらからもわたしに繋がろうとしてわたしの名を呼ぶ存在がある。百人も千人も万人もいる。さんざめいている。みなそれぞれの楽しみがあるらしくて、嬉しげで誇らしげだ。わたしはひとりひとりに頷き返す。光の春にいるわたしはじっとしていられない。誘いに応じて、じっとしていられない。
こうして光の春を過ごす。こうして聞く耳がわたしに具えられていたことを悦ばずにはいられない。声があちらからこちらから聞こえて来る。姿を見せて来る者もいるが、最後まで見せない者もいる。姿を見せてもまばゆいばかりの存在なのではっきり見えているわけではない。
もうすぐで夜明け。明るくなって来る。
暗い夜は憩うとき、休むとき、眠るとき、エネルギーを充填するとき。憩うによろしく休むによろしく眠るによろしく、エネルギーを充填するによろしい。
明るい昼間は起きるとき、動き出すとき、働くとき、こころ満たすとき。起きるによろしく、動き出すによろしく、働くによろしく、こころ満たすによろしい。
明るくてよろしく、暗くてよろしい。よろしいばかりにしてもらっている。両方のこの嬉しさ。嬉しさのスイッチがもうすぐ切り替わる。こころ弾む夜明け。
喉の痛みが続く。鼻水が垂れる。胸が刺される感じがする。目が覚めた。風邪薬飲んで寝たのになあ。うううん。なかなかしつこいぞ。乗り越えられないなあ。お好み焼きおいしくいただいたけどなあ。年寄りは抵抗力が低下しているのかなあ。鼻詰まりして息が苦しい。