もうすぐ夕方5時40分。しだいしだいに日が暮れて行く。もう雀たちも目白たちもいなくなった。竹に刺した黄色い蜜柑ももう見えない。畑から帰ってきて、いまは炬燵に足を延べている。
1月4日。わたしも仕事始め。というか、ずっとしている。ほんの少しずつだけど。ちょっとでもいいから、外に出て草取りをしないと落ち着かない。気が済まない。土に触れていたらいい。
今日も草取りをした。午前中も午後も。草取りをしている間は、辛いことを忘れていられる。悲しいことから逃れていられる。無心、とまではいかないが、おだやかになっている。
小心者なんだなあ。この老爺は至って小心者なんだなあ。心配事がある。それが胸を塞いでいる。畑に行って土に触れている間は、逃れていられる。こうやって家の中に入って来ると、またぞろその心配事が頭をもたげて来る。