夜の闇が覆っている。まもなく7時半になる。
ただいまの外気温は1℃。寒い。
一日の最後の食事を終えた。ウイスキーを飲んだ。お湯割にしてあたたまった。
酔っている。他愛なく酔っている。睡魔が襲う。目蓋が閉じる。
夜の闇が覆っている。まもなく7時半になる。
ただいまの外気温は1℃。寒い。
一日の最後の食事を終えた。ウイスキーを飲んだ。お湯割にしてあたたまった。
酔っている。他愛なく酔っている。睡魔が襲う。目蓋が閉じる。
昼間の外気温は5℃。寒さが戻って来た。現在時刻6時。炬燵から出している手の指先が、手袋をしているのに、ぴりぴりする。
☆
今夜は鍋料理。ちゃんこ鍋ふう。白菜の代わりにキャベツを使う。最後はチャンポン玉で締め括る。・・・ということになった。
☆
キャベツはもちろん我が家の畑で育ててもの。ふんだんに投げ込める。フカネギもさっき畑から掘り上げてきた。これであたたまろう。
朝ご飯は水餅だった。正月の餅だった。黴が生えないように壺に入れて水に漬けてある。
電子レンジでチンをして、味噌汁の中にぶちこんで、やわらかくして頂いた。
味噌汁の具は大根の薄切りと白菜だった。これもおいしかった。
有り難いなあと思う。長く生きて来て、正月餅をこうしておいしいおいしいで食べられたのだから。
にんげんの皮膚ね。にんげんの体の全部をくまなく覆っている皮膚ね。皮膚はにんげんが飛び出してしまわないようにしているんだよ。
これがなかったら、にんげんは外に飛び出してしまうんだよ。ばらばらになってしまうんだよ。
にんげんに皮膚があってよかったなあ。
お腹周りの皮膚が臓器をしっかり包んで覆って保護している。
大きな任務を果たしている皮膚さんに、「いつも有り難うね」って言いたくなる。
☆
でも皮膚が限界線ではない。境界線ではない。
本当は僕たち人間は幽体。霊体。
皮膚の内側だけが僕なんじゃない。その外にも広がっている。
僕ってのは大きいんだ。巨大なんだ。幽体の身長は7m~70mくらいはあるし、霊体はその10倍100倍ほどもある。
伸び伸びしているんだよ。萎縮していないんだよ。
弟は藪椿が好きだったなあ。僕の家に来るとすぐに垣根に咲いている藪椿のところへ行って眺めていたなあ。
藪椿は山椿。山里に咲いて山里を素朴にする。清楚にする。
花弁が横に広がらずに、とんがって縦向きに咲く。
目白が山から飛んできて蜜を吸う。蜜が薫る。冬の匂いをさせる。
弟は来なくなってしまったよ。死んじゃったからねえ。
藪椿は冬の椿。里山の椿。弟を思い出させようとして、目白が来ている。囀っている。
このブログにちょくちょくおんなの人を登場させるのはどうして?
あたたまりたいからだよ。
おんなの人はあたたかいからだよ。やさしいからだよ。
☆
生きているこの世界をあたためたいからだよ。
おんなの人をあたためると世界はあたたかくなれるんだよ。
いまよりかずっとずっとあたたかくなれるんだよ。
☆
でもでも此処には誰も居ないよ。おんなの人なんていないよ。
わたしの住む森の中は、遠く近くフクロウの鳴き声ばかり。ほうつくほうつく。ぶほうぶほうほう。
ときおり空っ風が行き過ぎる。ときおり星が降りて来てドラムを叩く。
わたしのからっぽを埋めようとして、空のことばたちが騒ぎ出す。
言葉たちが騒ぎ出すのは、おまえがからっぽだからだよって言う。
かさかさ、かさかさ、かさかさ。空の言葉たちは落ちて来て、落ち葉になる。
落ち葉が一斉に風に舞い上がる。
わたしの空っぽを埋めた途端に、枯れ葉が生き返って青くなる。
そこへ小鳥たちも飛んで来る。囀り出す。賑やかになる。
春になる。
わたしのことばたちが花を咲かせて春になる。
でもいまはまだからっぽ。空っぽの中には人が住めない。木枯らしが吹き荒れる。
僕のブログを読んでくれている人があるだろうか。
読んでもらえそうなことなんて、書いていないからね、まるっきり。
それでも我慢して読んでくれている人が、もしももしもいてくれたら?
そ、そりゃ、嬉しいよねえ。
次を書こうって気持ちになれる。ふっくらと鳩胸が膨らんで来る。
☆
まもなく朝の10時半。さ、着替えようかな、外行きに。
何処へ行こうか。山鳩だから山へ戻ろうかな。まだ冬の山は寒いよ。からっぽだよ。
☆
僕のこのブログを読んでくれている人はあるだろうか。
どうだろうかねえ。
目を見ればそこにおんなの人が生き灯をともしけり目にあたたまる 薬王華蔵
☆
わたしの作品。落選の。
短歌は難しい。難しいよ。
☆
おんなの人の目を見ている。大好きな人の。見ているだけなんだけど。
おんなの人の目の中に人が生きている。
ちろちろ明るくあたたかい灯火が燃えている。
冬の日を過ごしている人の、目の中の灯火を見ている。
☆
あたたまって、帰って来た。
今日はいい日になった。
なあんだ、お前はそんなことでよかったのか。おんなの人の目を見ているだけでよかったのか。
人を大好きになりたかったんだ。
寂しくてならなかったんだ。
だねえ。どうしていればいいんだろうね。
どうしていれば、こころがすこやかにしていられるんだろうね。
何にも考えていないといいんだろうかね。
無心がこころになっていれば、すこやかなんだろうか。
いつも何だか不安なんだ。
曲乗りをしているようなんだ。バランスがとれなくて堕ちてしまいそうな不安。
円形ボールになんか乗れっこないのに乗ろうとしている僕がいる。
乗ってそこで一本足で踊り出そうとしている。
乗れもしない円形ボールなんかしまっておいでよ。
2021年1月17日、日曜日。吹いていた風がやっと止んだようだ。日差しが明るくなってきた。