2年前、「図書館に異動を命じる」と辞令をもらったときは、「えーっ!図書館って土日曜日出勤の職場なんてイヤだよ~!」と思っていたが、今はすっかり図書館の虜になってしまいました。
毎週1回、国内で発売されることになった新刊全てのリストが載っている新刊案内が届き、職員が「その本なら図書館に置いてもよい」とそう思ったらサイン。選書会議で同じシリーズの本は所蔵してあるか、そのジャンルの貸出状況、信頼できる著者なのかどうか、内容には問題はないか、専門的な本ではないかと検討しながら購入決定することになっている。
新刊案内で情報を集め、ネット通販で書籍を購入したり、購入するほどの本でなければ予約を入れてみたり・・・。本好きな人にとっては図書館は楽園のように思われるかも知れないのですが、実際は返却された本を書架に戻したり、背番号の番号順に仕分けするのが本当に骨の折れる作業なんです。
カウンター業務はえっと、土・日曜日、夜間などカウンターの人が足りないときは私がカウンターに立つこともあります。容姿は聴者と全く変わらないので、聴者だとしょっちゅう間違われ、最初の頃はついていくのがやっと。
そこで左写真のように、指差しで会話ができるようなリストを置いてからは私はろう者だということを理解してくれたのか、手話で「ありがとう」や本をもう1度貸し出しをしたいという意味を表す「1」のサインを出すお客様もいらっしゃるので、本当に嬉しいです。
あとはお客様が私に何をして欲しいかという勘に頼ったり・・・。例えば、何も持たずに図書カードだけを差し出されたら、「予約本の受け取り」。端末に予約本の表示がなければ、今、何冊の本を借りているかという「貸出状況確認」になるので、端末の画面をお客様に見せるようにしている。
複数の本を2つに分け、その上に図書カードを置かれたら、「この本は返却で、この本はもう1度貸し出し」という意味になる。
長い会話になりそうだと判断したら、となりの窓口か手の空いている職員のところまで歩いて案内。「○番窓口まで行って」と身振りをすると横柄な職員だと間違われそうなので・・・(笑)
手が空いているときは、返却されたばかりの本を作業室で仕分けがしやすいように一般書、大型の本、青少年本、文庫本ごとの背番号順に仕分け。
1番多いのは、貸出期間を過ぎての延長を申し込まれるお客様。申し訳ございませんが、貸出期間中なら延長はできるのですが、貸出期間を過ぎての延長はできないのですとその都度、筆談で説明するのが大変なので、左のような案内を目につく場所に置き、案内に指しながら頭を下げながら「返してもらっていいですか?」と身振りをすれば、返却に応じてくれる。
ろう者の友人、リスザルが来館。「なんだ、こりゃ!?ハングルと英語表示!?」「空白スペースに何を埋めればいいのか、考えてみたら外国人が来館した場合に備えて・・・」「それに加え、手話のイラストもあったらいいのでは?」なるほど、手話のイラストもあったほうが、お客様がそれを見て「借ります」「返します」「延長」「予約」「調べる」とかの簡単な手話で話しかけたら、スムーズな対応も可能になる。しかし、私はイラスト書けないし、イラストの得意な人にお願いしようかな・・・。