4月4日、ドックおじさんの白内障手術日。付き添いはチャングムとハン尚宮。
今日はドックおじさん1人だけの手術かと思ったら、この日だけで11人も患者がいたらしい。
手術室に入れるのは、1人の付き添い人だけなので、ハン尚宮は待合室で待機。
他の患者は不安や興奮を取り除くように配布された精神安定剤を服用していたが、ドックおじさんは「そんなもの、いらん!」と肝を据えていたらしい。
外部からの微生物や微小な埃が入り込まないように、手術着に着替えての入室。
手術を受ける部分だけ穴がついている布を顔にかぶせた。
拡大カメラで目の表面を大きくモニターいっぱい映し出せるようになれば、執刀開始。
手術中は、細菌を殺すための点滴を受けなければならず、いきなり針でチクっとさせるといけないので、「さあ、いきますよ」と腕を少したたくと、手指を丸め、OKサイン。
白く濁っている水晶体を超音波で少しずつ壊し、少しずつ吸引。目の検査で度合いを調節した人工レンズを挿入して完了。その間、わずか10分。
「終わりましたよ」と看護師が背中を持ち上がろうとしたら、むくりと起き上がった。
他の患者たちは、恐怖心などの精神的なストレスで「やれやれ、やっと終わったのか」と力が抜けてしまい、全然起き上がれないのに、ドックおじさんだけは楽々と起き上がれたのはビックリしたと看護師。
チャングムいわく「お医者さんに他の患者たちに比べるとスムーズに執刀できた」と褒められたのよ。
「全然痛くなかった!目の表面を水に浸しているだけの感覚」というのが感想だそうです。
眼帯をしているのかなと思ったら、目玉をえぐり取られたあとの治療中のようで丸いプラスチックの蓋をして、その上に肌色のテープで貼られていた。
白内障手術後とは知らない人が見たら、「どうした!?目玉をえぐり取られたのか!?」なんてビックリするような顔面。
チャングムの11話もドックおじさんの料理を国王さまに食べさせたところ、手足の麻痺を訴え、倒れてしまった。侍医たちはドックおじさんが料理に毒草を入れたのではないかと疑い、「白状しなければ、両手を切り落とせ!」と命じる。
チャングムにとってのドックおじさんは自分の育て親のようなものなので、他の食材の組み合わせでそのような反応が出ないかと医学書で調べてみたり・・・という場面がある。
今回は目をえぐり取られてしまったような顔面。見ていて、違和感がする1日。
今日も手術後の経過検査でまた眼科医に連れて行った。チャングムは本職の内医院に行かなければならず、恵民署(一般市民の病院兼家庭訪問)でのお仕事はできないので、私と一緒に。
診察室でプラスチックの蓋を外すと、「おお、きれいに見えるぞ!」と喜んでいた。
医師の部屋に入る前、
「目玉に何か変なものがついている?」と私に聞かれた。
「全然、変わっていないよ。以前と変わらない」
「見え方が少し青みが帯びているような?」
さっきのやりとりを伝えると
「取り外した直後はまぶしさで見え方が青っぽく見えますが、しばらくすると元の通りになりますので、心配はありません」とのこと。
デクスの上にモニターが2つ。手術後の目は澄んでいたが、片方は白く濁っていた。その差がはっきり出ていた。
「片方だけきれいに見えて、もう片方は見えにくい状態になっているので、手術をお勧めしますよ。ご希望されるのでしたら、またいらしてください」
ドックおじさん「えっ!?また受けるのか!?」
私「でも、痛くなかったのでしょう!?」
ドックおじさん「はい、受けます」
看護師に「今まで色々ありがとうございます。もう片方も手術を受けたいとのこと、データはもう取ってありますか?」と確認すると、「はい、両目ともデータを取ってあります。次回からはご本人の希望が出ていれば、すぐに手術できますよ」
なるほど、初診のときに「片方だけお願いします」と申込みをしても、片方だけではなく万が一に備えて両目とも検査をしていたらしい。
毎週月曜日の精密検査で両目とも検査をしていたので、ドックおじさんが「手術を受けるのは、そっちの目なんでしょ、間違えないでよ」と看護師に訴えたことがあり、「はい、片方だけではなく、見比べるために検査させていただきます」と言葉を濁していた理由がわかってきた。
最初から喜んで両目を受けますと言う人がいないので、片方だけの手術だけで「なんだ、あまり痛くなかったので、こっちもまた受けたいな」という気持ちをさせるという作戦なのかなあ・・・(笑)