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東京を発ってから28時間半。ここがやっと最終目的地。人口400名程度の母島。
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母島は父島に比べると、とてもひっそりしているのに、母島に直行したがる理由は何だろうな??ずっと昔、山口県のな~にもない、小さな漁村で暮らしていました。日本の首都、トーキョーに住みたいと憧れ続け、それが現実になったのもつかの間、休日は檜原村や奥多摩へ。夏になれば、目指せ!伊豆諸島全島制覇!とか言い、いきなりの思いつきで「今日は利島だっ!」と竹芝桟橋へ。無茶を仕出かしても平然な若気の至り、20代の話。利島は朝到着したばかりの船で飛び入り宿泊でもOK、しかも、夕食は他の宿泊者と一緒にいただく食堂で刺身や煮つけをどーんと次々と運ばれてきてビーックリ!!ということも・・・。でも、利島は1度きりで、似たような秘境の青ヶ島はリピータになってしまいました。利島の存在はお隣の伊豆大島に奪われがちですが、利島もすごくいいところだと思いますよ。都心に憧れたつもりが、なぜか田舎が好きになってしまいました。
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沖港の真正面。観光協会とははじま丸切符売り場の建物です。
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父島で鋏を入れたときの鋏痕。國鐵廣島鉄道管理局の鋏痕は、ア行の駅なら、□、イ行は三画ベース、ウ行はM型、エ行はトンネル型、オ行は凸。長門二見駅はウ行なので、M。綾羅木、滝部はア行だから□。吉見や小串はオ行で凸。そんな法則を見出したのは小学生のころ。首都圏は、自分で切り込みを入れてキセルを企むのに防止するため、廣島では見たことのないようないろんな形の鋏。
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ははじま丸利用者の乗客マナーは抜群。使った毛布をもとにあった場所にしっかり折りたたんで置いています。
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7年ぶりに母島にものすごーく浮かれてしまいました。友人の姿が見えません。切符は私が持っているので、しばらく待っていたら・・・
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「冷蔵庫に入っていた飲み物忘れていたよー」
「あっ!!」
常温は苦手なので、キンキン冷えた状態で楽しもうと冷蔵庫に入れたままでした。旅先でいつも浮かれて、何かモノを忘れるという私の性格はもうすでにお見通し!という友人は賢明。浮かれると鉄道員みたいに指差し呼称を怠ってしまうけど、友人はちゃんと最後まで忘れ物はないか、確認してくれるので本当に助かります・・・。
母島に降り立つと、夕方のツアーを予約していたクラブノアさんのプラカードを持ったスタッフさんに「○○さんですね~。今日の5時半に、クラブノアで集合でーす。場所、わかりますよね?アンナビーチから歩いて3分!」と簡単な手話で教えてくれました。そのとなりに若い男の人。「このツアーは何時頃で終わりますか?」と手話。内心、この人何言ってんだろう?スタッフなんだから、「何時で終わるかはお任せしますよ」と返事。「あの、その・・・」ぎこちない手話。「あなたはスタッフじゃないんですか?」「母島手話サークルです。今日は送別会がありますので、宿の食事が終わったら、ぜひ村役場の集会室に来てください」「はーい、わかりました」あのね、ですね・・・。ツアーを行うスタッフと横並びするような立ち方じゃなくて、「母島手話サークル」って書いたプラカードまたは大きな紙を胸の前に出しておくべきなんですよ~!(笑)母島という土地柄なので、まあ、それくらいは「よし」。たぶん、手話を流暢に話せる小笠原郵便局のおかげで母島に連絡が行ったかも!?父島、母島も手話サークルがあり、ろう者が来たら、積極的に交流して手話フレーズを覚えていこうという意図もあるそうです。