かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

破産をしなくて良かった。

2010-12-09 | 事例
「近々お伺いします。」
3ヶ月ぶりの電話です。8月の後半、半月くらい付き合った人でした。

彼が「破産をしたい。」と云ってきたのはまだ最近の8月中旬でした。
「今はお金は全然有りません。どこかから借金したいですが、
 量規制でうまく行きません。それを何とかして借りて、絶対に
 払うべきところを払い、2-3ヶ月の生活費を残して破産をしたいのです。
 300万ほど貸してくれるところを知らないでしょうか。
 それと私の場合、破産しかないと思いますが、どう思いますか。」

長く住宅リフォームを専門にやってきて、今では社員が一人になってしまったと云うのです。
伝手と雑誌の広告で需要を探しているが、全然無く、売上は昨年の半分以下になりました。
借り入れ返済も出来なくなって、ついに業者から借りる様になりましたが、
総量規制で、借りられません。
やむなく親戚から借りたが、これも限度になりました。
もう破産しか有りません。

私に対する目的は、「お金を貸してくれる処」を教えて呉れと云う事だった見たいです。
破産は既に決めていたのです。

確かに、業績は急激に落ちる居ます。
お金も全然無く、此の状態では再起の仕事も、破産も出来ないでしょう。
彼が悲観的になる気持ちはわかります。
でも私が気になったのは受注の方法でした。
今までは、伝手と雑誌の広告だけです。その広告から業務の内容を詳しく知ることは難しいです。
「一般のお客が簡単に此の会社を知って、老舗だからと信用さえしてくれれば。」
そんな感じを持ったものです。

9月決算ですから、今期の決算書はまだ無く、昨年の決算書はそんなに悪くありません。
「これだったら振興銀行ならば貸してくれるかも」
300万を彼に当たらすとOKです。
借りたのが8月の30日でした。
それから間もなく振興銀行は破綻しましたから運が良かったというべき
でしょうか。
彼は100万を工賃主体の外注費と絶対必要な経費、、100万を当面の生活費、
100万で破産をしようと決めて居たのです。

「破産はいつでも出来ますよ。
 それより破産をすると生活はどうなるのですか。100万くらい直ぐになくなります。
 其の後、勤めも無いし、自分で事業も出来ないし、それこそ悲惨ですよ。
 又銀行はお母さんが保証人ですが、自宅は取られてしまいます。
 
 もう1度再建に向かって動いてみませんか。
 素人考えですが私にも若干案が有ります。」

「弁護士は破産しかないと言って居ました。私もそう考えて居ました。
 それを破産をするな。とは予想外の言葉です。」
彼は戸惑って、居たみたいです。

「私は、今日限り、顔を出さないから、私の意見を参考にして、
 もう1度やることを薦めます。それで3ヶ月経って効果が無い時は
 破産もやむをを得ないでしょう。」
私は、3ヶ月は借りた300万で持つと判断したからです。

そんな3ヶ月目に電話が有ったのです。

会った表情は晴れて居ました。
「あの時破産をしなくて良かったです。
 破産は何時でも出来ると云う言葉が身に滲みて、頑張りました。
 特に9月は債権者からは責められるし、
 仕事はないし、むしろ破産をしなかったことが悔やまれました。

 しかし、先生から言われた通り、ホームページを知り合いに易く頼んで、
 徹底的に変えました。特に風呂場に力を入れて、使用部材から、
 価格など入れたのが効を奏し、今では日に4件くらいの
 電話問い合わせが有ります。大体5件に1件は決まります。
 こんなに早く効果が出るとは、夢にも思っても居ませんでした。」

彼のホームページ、ついでに業界各社のホームページを見てのアドバイスが、
まんまと当たったのです。電話で問い合わせ、そして会い、其の生真面目な
印象が、初対面の人に信頼を得たかも知れません。

「まだモラトリアムをして居ますが、今では資金も回る目処が付きました。
 振興銀行、これは絶対に返済して行きます。
 あの時、借りれたから、今の私が有るからです。
 それに何より、破産をしなかったことが良かったです。
 親戚や母も助かりました。」

事業をする者が破産をするときは慎重の上に慎重を重ねたいと思います。


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