かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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共有名義の差し押さえ

2011-02-22 | 事例
まさか仮差をしてくるなんて、彼は思いもしませんでした。
第一、此の自宅は3人の共有名義です。母が20%、妻が10%残りは彼です。
共有物件は競売に成らないか、また、競売をしても売れないと聞いて居ました。
それをやってきたのです。

元の会社の同僚です。
毎月保証料を3万円呉れると云うので、つい1000万の保証をしたのです。
保証は気をつけろと言う事は聞いて居ました。
しかしつい目の前の3万に目が眩んだのです。

貸して居たのは信組です。設立が新しいので保証協会の保証は取れません。
保証人で1000万を融資したのです。そして、3ヵ月後に同僚は姿を消しました。
独身だったので身も軽かったのでしょう。

サービサーに譲渡されると信じていた彼に、信組は「譲渡はしません。
最後まで私どもが回収させていただきます。」と宣言。
毎月5万の約束をさせたのです。
でも支払いは3ヶ月後からで頼みました。彼に魂胆があったのです。

彼の自宅は母親名義です。信組も手を出すことは出来ません。
前の道は整備された市道ですが、彼の家の回り9軒が整備から取り残された格好です。
以前から此の工事が話題になって居ましたが、丁度此の頃、
正式に工事が始まろうとして居ました。
母の家も立ち退きです。彼は之を考慮して居たのです。

彼は同じ市内に立て替え地を探しました。
其処に建てたのですがその費用は母が得た補償金です。
之を借りたと云うことで家の70%は彼名義、20%が
母親で10%が妻です。
知人が「銀行の保証人でトラぶっているのでしょう。
貴方は所有者に成らない方が良いでしょう。」
と云っても平気です。

「此処に引越す事は銀行に内緒です。解からないですよ。
 それに万一解かっても大丈夫のように3名の共有としました。
 だから私が弁済をしなくても此の家は安泰です。」

言葉を続けます。
「ある人から教えて頂きましたが、共有の時に裁判所は説明書に
「此の物件は共有であるから買った人は住む事は出来なく、
 且つ賃料を貰うことも出来ません。」と書くそうです。
 そんな物件買ってもお金を捨てるのと同じです。売れるわけは有りません。」
確かに平成10年頃はこんな文句も見かけました。
しかし法の運用は、時代とともに変わる事は忘れて居ます。

知人もそんなに強くありませんから、そうですかと引き下がったのです。

彼の一家が突然居なくなりました。新居に越したのです。
彼は、もう支払いは解消したと張り切って居ます。
住所がわからないと交渉も出来ません。
保証人になった時に勤務の神社は解かって居ますが、
ここが彼の現住所を教える事は有りません。
新住所は住民票から十分に解かりますが、そんな事は忘れて居ます。
これで保証債務から開放されたと浮かれて居ました。

そんなある日、彼が帰宅すると門のところに二人の男が彼の帰りを待っていました。
信組の人です。
しかし今度は彼も必死でした。
「払えません。」と云う事です。言い訳も滅茶苦茶です。
 騙されて保証したと言い出す始末です。
其の挙句が「もう帰ってください。」と追い返す始末。
二人が見えなくなると、これで終ったと安堵の息です。

ところが此の日から10日ほど経って裁判所から書類です。
仮差の書類でした。勿論支払いの訴状も入って居りました。

頭にきた彼は信組の担当者を呼んで八つ当たりです。
「差押えても競売も出来ないものを、何で差押えるのだ。」
と彼の共有に対する知識をぶち広げます。
「こうしないと貴方は冷静に話し合いの場に乗っていただけ無かったでしょう。」
と信組は落ち着いて居ます。
「私ども貴方の給料の差押をしても良いですが、そんなことをして勤め先を
 失うともっと困るでしょう。」
とジャブを入れます。
「共有物件は、今は幾らでも競売に成ります。
 1つは共有を分割所有にして差押をする方法です。
 ある広さが有れば、此の方が良いでしょうね。
 それよりお宅のように分割も出来ない広さで、共有者が家族で、
 持分比が少ない場合は、共有者の分まで全部を競売にしますよ。
 それで売れた後、持分比で共有者に配当するのが普通です。
 ですから簡単に競売は出来ます。」
彼が此の家を建てたお金は、実質は母のお金である。だから此の家は母のものだ。
と力説してもそれは裁判所でご説明願いますと取り上げません。

結局彼は母からお金を借りて半分を支払い、半分は4年分割で話を纏めました。

彼が逃げようとした心、それと間違った知識が彼を不利にさせたみたいです。


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