「又、単なる書換えは駄目だって。元金を若干払わなければ、書換をしないのか。」
社長は苦い顔です。
「他の銀行はこんな事言って居ないだろう。」
手形借入は此の銀行だけでは有りません。他行も有りますが、メインの此の銀行だけは
2年ほど前から、素直に書き換えてくれないのです。
「手形貸付ですから、本来は書き換える義務は有りませんし、貴社からも全額払って頂かないと成りません。
または、一旦全額返金をして頂き、改めて貸せるのが筋です。
其処までは言いませんから、少しは元金を入れてくださいよ。」
2年前に始めて言われた時は大喧嘩になりました。
「他行はそんなこと、言って居ない。ましてや、お宅はうちのメイン銀行ではないか。」何を言っても駄目でした。
「解かりました。それでは此の手形、交換に回らさせて頂きます。」
最後の脅しには ころと負けてしまいました。
「単名の手形は交換では不渡りにならない。店頭で不渡りに出来るだけだ。」と誰かに聞いた覚えは有ります。
が、何のことか意味が解かりません。
不渡りに成れば倒産だと言う事で泣く泣く払ったのです。
払った額は、ほぼ証書貸の返済元金と似た様な額でした。
「之を貸し剥がしと云うのだな。」
社長には忘れられないことでした。
次の年も繰り返しでした。
今年も期日前に銀行に連絡すると慣れたものです。
「例年と同じ様に、又若干お支払いを御願いします。」
社長は考え込んでしまいました。
「何故うちがこうなるんだ。
世間は金融円滑化法のために、潰れそうでも金利だけだ。
うちは、減額支払いなどした事がない。其れを、メインバンクが。」
銀行には月次こそ出していませんが、決算書は必ず提出しています。
此処4年くらい売上も利益も殆ど変っていません。同業者は皆大幅な右肩下がりと云ってましが、お陰さまで平行線です。
勿論、粉飾などは一切無関係です。
ただ難を言えば、総借入れが年商をはるかにオーバーしています。
其れだって10年前と比較すると相当減って居ますが、此の2-3年はさして減っていません。
此のとき彼に最近の新聞記事が閃いたのです。
「日本の世界に位置するメガ銀の自己資本比率が若干落ちそうだ。」
落ちるといっても、最低の8%ではなく、15%内外の最高値からほんの僅かです。
「其の関係で我々に皺寄せが来て居るのかな。」
以前は日本中が此のBIS規制で大騒ぎと成りました。
そのために銀行が潰れたり、合併も有りました。
今度は「トップの面子のために我々が犠牲に成るのか。」
元金の返済も出来ない企業は資金円滑化法で守られて居ました。
そんな企業から無理やり回収して潰してしまえば、BISどころか、銀行の命取りです。
そんな企業は、張子の虎の様に温存しか有りません。
そこで、元金を少し位回収しても、生きて行く企業からは、少し返済を強めたいと云うのが銀行の勝手な真意ではないか、
反抗すれば貸し剥がしをすればよい。
これが銀行の戦略変更かと気づいたのです。
彼は債権関係の勉強会で此の事を発表しました。
意見を述べた人が5人居ました。
5人ともほぼ同意見で、彼の意見とは大きく違いました。
「原因は手形貸付にある。
手形貸付は1年未満の短期貸付であるが、既に固定化されている。これが体質を悪く
して居る。
かっての当座貸付と同じく金融機関は、此の弊害を直そうと躍起居になって居る。
其の現れではないか。
改善策とすれば、之を証書借入に切り替えると、恐らく銀行も同意すると思う。」
5人とも同意見でした。
手形貸付けは、売上入金が有るまでの短期、長くても1年以内の返済にして、
現在のような滞留貸付から切り替えようとする銀行の方針と云うのです。
少なくとも全額切り替えならば、その時に見せ金は必要です。
だから力のある銀行ほど、手形貸付けの改善に躍起になって居るという事です。
手形貸付の貸剥がし説が大きく出たのです。
此の他に、借入限度の事も少し気になります。
今の全借入は年商の1.5倍です。多い事は十分に承知しています。
これでも13年前の2.3倍から比較すると、確実に減少して居ますが牛歩と同じです。
此の銀行は其れを承知で取引を開始してくれたのです。
会社は此処10年のうち赤字は1回しか有りません。後は黒字です。
牛歩で有っても確実に借入残は減っています。
ですから、これが手形貸付ヲ減少する引き金にはなっていないと思います。
結論はまだ出ていません。
予告は有りましたが、本格的の話は有りません。
此のメイン銀行との取引を失いたくは有りません。
手形借入を証書借入に変更する妥協案は用意して置きます。
原因が当社の業績とは関係ないと思っていますから、何となくすっきりしません。
http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから
電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。
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社長は苦い顔です。
「他の銀行はこんな事言って居ないだろう。」
手形借入は此の銀行だけでは有りません。他行も有りますが、メインの此の銀行だけは
2年ほど前から、素直に書き換えてくれないのです。
「手形貸付ですから、本来は書き換える義務は有りませんし、貴社からも全額払って頂かないと成りません。
または、一旦全額返金をして頂き、改めて貸せるのが筋です。
其処までは言いませんから、少しは元金を入れてくださいよ。」
2年前に始めて言われた時は大喧嘩になりました。
「他行はそんなこと、言って居ない。ましてや、お宅はうちのメイン銀行ではないか。」何を言っても駄目でした。
「解かりました。それでは此の手形、交換に回らさせて頂きます。」
最後の脅しには ころと負けてしまいました。
「単名の手形は交換では不渡りにならない。店頭で不渡りに出来るだけだ。」と誰かに聞いた覚えは有ります。
が、何のことか意味が解かりません。
不渡りに成れば倒産だと言う事で泣く泣く払ったのです。
払った額は、ほぼ証書貸の返済元金と似た様な額でした。
「之を貸し剥がしと云うのだな。」
社長には忘れられないことでした。
次の年も繰り返しでした。
今年も期日前に銀行に連絡すると慣れたものです。
「例年と同じ様に、又若干お支払いを御願いします。」
社長は考え込んでしまいました。
「何故うちがこうなるんだ。
世間は金融円滑化法のために、潰れそうでも金利だけだ。
うちは、減額支払いなどした事がない。其れを、メインバンクが。」
銀行には月次こそ出していませんが、決算書は必ず提出しています。
此処4年くらい売上も利益も殆ど変っていません。同業者は皆大幅な右肩下がりと云ってましが、お陰さまで平行線です。
勿論、粉飾などは一切無関係です。
ただ難を言えば、総借入れが年商をはるかにオーバーしています。
其れだって10年前と比較すると相当減って居ますが、此の2-3年はさして減っていません。
此のとき彼に最近の新聞記事が閃いたのです。
「日本の世界に位置するメガ銀の自己資本比率が若干落ちそうだ。」
落ちるといっても、最低の8%ではなく、15%内外の最高値からほんの僅かです。
「其の関係で我々に皺寄せが来て居るのかな。」
以前は日本中が此のBIS規制で大騒ぎと成りました。
そのために銀行が潰れたり、合併も有りました。
今度は「トップの面子のために我々が犠牲に成るのか。」
元金の返済も出来ない企業は資金円滑化法で守られて居ました。
そんな企業から無理やり回収して潰してしまえば、BISどころか、銀行の命取りです。
そんな企業は、張子の虎の様に温存しか有りません。
そこで、元金を少し位回収しても、生きて行く企業からは、少し返済を強めたいと云うのが銀行の勝手な真意ではないか、
反抗すれば貸し剥がしをすればよい。
これが銀行の戦略変更かと気づいたのです。
彼は債権関係の勉強会で此の事を発表しました。
意見を述べた人が5人居ました。
5人ともほぼ同意見で、彼の意見とは大きく違いました。
「原因は手形貸付にある。
手形貸付は1年未満の短期貸付であるが、既に固定化されている。これが体質を悪く
して居る。
かっての当座貸付と同じく金融機関は、此の弊害を直そうと躍起居になって居る。
其の現れではないか。
改善策とすれば、之を証書借入に切り替えると、恐らく銀行も同意すると思う。」
5人とも同意見でした。
手形貸付けは、売上入金が有るまでの短期、長くても1年以内の返済にして、
現在のような滞留貸付から切り替えようとする銀行の方針と云うのです。
少なくとも全額切り替えならば、その時に見せ金は必要です。
だから力のある銀行ほど、手形貸付けの改善に躍起になって居るという事です。
手形貸付の貸剥がし説が大きく出たのです。
此の他に、借入限度の事も少し気になります。
今の全借入は年商の1.5倍です。多い事は十分に承知しています。
これでも13年前の2.3倍から比較すると、確実に減少して居ますが牛歩と同じです。
此の銀行は其れを承知で取引を開始してくれたのです。
会社は此処10年のうち赤字は1回しか有りません。後は黒字です。
牛歩で有っても確実に借入残は減っています。
ですから、これが手形貸付ヲ減少する引き金にはなっていないと思います。
結論はまだ出ていません。
予告は有りましたが、本格的の話は有りません。
此のメイン銀行との取引を失いたくは有りません。
手形借入を証書借入に変更する妥協案は用意して置きます。
原因が当社の業績とは関係ないと思っていますから、何となくすっきりしません。
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