「銀行に金利も返済出来なくなる。」
悩みました。ついにこの旅館も終わりか。絶望的な気持ちに陥ったものです。
勿論、自宅も同時に失います。
自宅は失っても良い。旅館だけはどうしても続けたいのです。
此の時、偶然にGと知り合いました。
「大丈夫ですよ。借先は保証協会付銀行が1行ですね。絶対に商売は続けられます。
10年先までは断言できませんが、4-5年ならば大丈夫です。」
毎月、3-5万を保証協会に払えば、保証協会は競売をしないと云うのです。
その位ならば、食べて、払っていけます。
返済を止める前に彼にはやっておかねばならない事が残っています。
旅館の帳簿には古美術品として4000万の資産が計上されています。
彼は旅館には調度品として不可欠の品物と思って居ましたが、Gは違います。
真っ先に狙われる品物でこのままでは必ず取られるというのです。
リスケはやる。しかし一方では之を売却していざと云う時の軍資金にとっておこうと云うのです。
当旅館自慢な品物です。
亡父の代から集めた品物です。
掛け軸や置物、自慢のお品は玄関から各階の主要な場所、それに自宅まで飾って居ます。
貰い物などもあると聞きましたが、殆どが自分等で買った物です。
贋作でない、本物だ。それが古美術として今も残って居ます。
かって融資をお願いしたとき、銀行が一度調べさせてくれと云いました。
写真を撮ったり専門家が来たりして力を入れて調べたみたいです。
担保に取られるかなと思って居ました。
此の時、銀行は融資はしてくれました。
「担保にお願いしようと思いましたが、大切な物ですから、急に消える事は無いでしょう。
必用な時にお願いすれば、担保と同じ事ですから。」
調査金額も教えてくれませんでした。
しかし融資が出来ただけに価値はある物と思って居ました。
売るなんて考えた事も有りませんが、Gは盛んに薦めました。
「銀行が調査しましたね。本当に価値が有れば、銀行はとっくに処分を要求して居ます。
勝手に処分しても良いと云う、銀行の意思表示です。
話が買値の10分の1としても4-500万の価値が有るでしょう。
それでも銀行は最終的には言ってきます。その時は遅いのです。」
部屋はどうにでもなりますが,フロントや要所・要所を飾っている物は未練が有ります。
玄関のオールドノリタケの大きな花瓶、掃除するためにひやひやして居たものです。
要所要所に飾った県出身の中堅画家の絵、贋作とは思えません。
半分以上は確実だ。銀行だって最後にはきっと云うよ。言われる前に売っちゃおう。
「全部で10万ですね。」
見積もりに来た町の有名骨董店の主人はニコリともせず云いました。
「運送費も見ていますから、お宅で店まで運んでくれたら、もう5万たしても良いです。」
不満そうな二人に付け加えます。
「これは何れも作者を言っていませんから贋作とは云えません。
質の悪い骨董屋にしてやられたのですね。
骨董自身も解からなかったのでしょう。」
「玄関のノリタケの花瓶は?」
「ノリタケとは全然違います。何でノリタケだと信じていたのですか。
贋作ともいえない全然違った品物です。
又中堅画家の絵、あれも全く違います。」
様は贋作より悪いと云うのです。
本当かもしれません。
だから銀行も黙っていたのでしょう。
其れだったら正々堂々今までと同じように飾っておきましょう。
見栄えもいい。私たちが人に自慢しなければ良いだけだから。
そう思ったら巣こそは気も晴れました。
古美術として貸借対照表に載っている会社って意外に多いです。
会議室の端に汚い家具がおいて有ります。
「捨てればいいのに」と思いながら聞きます。
1ケ500万から800萬もする西洋アンテニックです。
そう聞くとうっかり触れなくなります。
此の会社、いまは有りません。一体あれはどうなったか、今でも思い出します。
馬具では日本一だ。展示室まで作って居ます。2億以上の資産です。
会社が潰れそう、思い切って売ったら1200万でした。
古美術が資産に載っている決算書。先ずその会社は用心と思います。
たまには予想を外れるような美術品に出会ってみたいものです。
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042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。
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悩みました。ついにこの旅館も終わりか。絶望的な気持ちに陥ったものです。
勿論、自宅も同時に失います。
自宅は失っても良い。旅館だけはどうしても続けたいのです。
此の時、偶然にGと知り合いました。
「大丈夫ですよ。借先は保証協会付銀行が1行ですね。絶対に商売は続けられます。
10年先までは断言できませんが、4-5年ならば大丈夫です。」
毎月、3-5万を保証協会に払えば、保証協会は競売をしないと云うのです。
その位ならば、食べて、払っていけます。
返済を止める前に彼にはやっておかねばならない事が残っています。
旅館の帳簿には古美術品として4000万の資産が計上されています。
彼は旅館には調度品として不可欠の品物と思って居ましたが、Gは違います。
真っ先に狙われる品物でこのままでは必ず取られるというのです。
リスケはやる。しかし一方では之を売却していざと云う時の軍資金にとっておこうと云うのです。
当旅館自慢な品物です。
亡父の代から集めた品物です。
掛け軸や置物、自慢のお品は玄関から各階の主要な場所、それに自宅まで飾って居ます。
貰い物などもあると聞きましたが、殆どが自分等で買った物です。
贋作でない、本物だ。それが古美術として今も残って居ます。
かって融資をお願いしたとき、銀行が一度調べさせてくれと云いました。
写真を撮ったり専門家が来たりして力を入れて調べたみたいです。
担保に取られるかなと思って居ました。
此の時、銀行は融資はしてくれました。
「担保にお願いしようと思いましたが、大切な物ですから、急に消える事は無いでしょう。
必用な時にお願いすれば、担保と同じ事ですから。」
調査金額も教えてくれませんでした。
しかし融資が出来ただけに価値はある物と思って居ました。
売るなんて考えた事も有りませんが、Gは盛んに薦めました。
「銀行が調査しましたね。本当に価値が有れば、銀行はとっくに処分を要求して居ます。
勝手に処分しても良いと云う、銀行の意思表示です。
話が買値の10分の1としても4-500万の価値が有るでしょう。
それでも銀行は最終的には言ってきます。その時は遅いのです。」
部屋はどうにでもなりますが,フロントや要所・要所を飾っている物は未練が有ります。
玄関のオールドノリタケの大きな花瓶、掃除するためにひやひやして居たものです。
要所要所に飾った県出身の中堅画家の絵、贋作とは思えません。
半分以上は確実だ。銀行だって最後にはきっと云うよ。言われる前に売っちゃおう。
「全部で10万ですね。」
見積もりに来た町の有名骨董店の主人はニコリともせず云いました。
「運送費も見ていますから、お宅で店まで運んでくれたら、もう5万たしても良いです。」
不満そうな二人に付け加えます。
「これは何れも作者を言っていませんから贋作とは云えません。
質の悪い骨董屋にしてやられたのですね。
骨董自身も解からなかったのでしょう。」
「玄関のノリタケの花瓶は?」
「ノリタケとは全然違います。何でノリタケだと信じていたのですか。
贋作ともいえない全然違った品物です。
又中堅画家の絵、あれも全く違います。」
様は贋作より悪いと云うのです。
本当かもしれません。
だから銀行も黙っていたのでしょう。
其れだったら正々堂々今までと同じように飾っておきましょう。
見栄えもいい。私たちが人に自慢しなければ良いだけだから。
そう思ったら巣こそは気も晴れました。
古美術として貸借対照表に載っている会社って意外に多いです。
会議室の端に汚い家具がおいて有ります。
「捨てればいいのに」と思いながら聞きます。
1ケ500万から800萬もする西洋アンテニックです。
そう聞くとうっかり触れなくなります。
此の会社、いまは有りません。一体あれはどうなったか、今でも思い出します。
馬具では日本一だ。展示室まで作って居ます。2億以上の資産です。
会社が潰れそう、思い切って売ったら1200万でした。
古美術が資産に載っている決算書。先ずその会社は用心と思います。
たまには予想を外れるような美術品に出会ってみたいものです。
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