Tさんは悩んでいました。
会社を続行すべきか、それとも今手を引くべきかと云う事です。
全部で3名の小さな住宅販売会社。親会社の物件を販売するのです。売れたら2ヶ月から4ヵ月後に手数料が入ってきます。
親会社と言っても資本や人事の繋がりはなく、単に販売をさせてもらうという立場です。毎月、30万の会費を払って居ます。会費の支払いを止めるとTさんは売るべき商品が無くなります。
5月以降トンと売れないのです。
手形は切って居りませんから、助かりますが、人がどうしても最低3名は必要です。コンピューターのネット販売をするには必要人員です。一人でもかけると販売は難しくなります。
したがって給料の支払いには特に気を使っています。
7月末で資金は枯渇寸前、8月の支払いは殆ど予定が立ちません。
それに7月も坊主でした。8月は例年悪いです。期待は出来ません。
倒産を覚悟して、7月の末に、Tさんは、2軒ほど相談をしました。
いざと云う場合の処理の仕方が、全然解からなかったからです。
その一人、弁護士は「破産しかない」と強く言いました。
全てを精算してやり直せというのです。どんな様にやり直すのか
具体的のことはアドバイスはありません。
破産の費用は200万ほどかかり、ローン中の自宅は手放すことに
なるだろうと言うのが、主旨でした。
コンサルタントは、「先ず自分が生きて行くことを考えよう。」と言いました。
しかし、収入の道が考え付きません。当座お金を少し用意をしてその間に
探すしかないという結論になりました。
自宅はローンの方が、賃料より安い。それに無剰余物件だから、手放さないほうが良いだろう。そのほか、仕入れ業者との交渉の仕方等、一言で言うと、自分で任意整理をしなさい。そのほうが僅かな資産でも守れると云う事でした。
一方でコンサルタントはこの決算書ならば保証協会で貸してくれる可能性があるよ。しかし借りても商売が出来なければ意味がないものね。と言いつつ借り方の説明をしてくれました。
駄目元と思っていた保証協会が借りれるように話が付いたのです。
600万借りて200万の残債を返し、正味400万が8月上旬に入ることになりました。
借りると9月までは会社は持ちます。9月の売上を見ながら会社整理が出来ます。
駄目で元ですから、9月まで背一杯仕事をやってみたいです。
しかしコンサルタントの意見は少し違いました。
「商売ですから波があるが普通ですが、それにしても5月からの業績はおかしい。此処で思い切って整理をすべきではないだろうか。
幸いある程度のお金も掴める事だし。8月の途中までやって駄目だったら、
皆に支払う前に、会社の整理を宣言しよう。其れが一番Tさんがお金を握ることが出来るよ。その後の生活を考えると其れしか方法はないですよ。
Tさん。子供の学校まで辞めさす事を考える必要もないですよ。」
Tさんは「お金が続く限り商売を続けるか、後の当座の生活費に食い込むまで
商売をするか」悩んでいるのです。
ぼんやり考えて居るTさんの目に家族がかわいがっている猫が飛び込んで
きました。猫は本棚の横の文箱を足がかりにして本棚の上に飛び上がりたいのです。
良く此処へ来て狙っては居ますが、1回も飛び上がった処は見ておりません。
やがて猫は諦めて何処かに消えています。今日も同じ様に狙っています。
Tさんはふと気づいて、飛び上がるのに、全然邪魔と思えないところに、
何時も置いてあるティッシュの箱をどかしてやりました。すると驚いたことに
猫は上手く本棚の上に飛び乗ったのです。
なぜかその時にTさんははっとしました。今の猫の姿がTさんをして
何か感じさせたのです。
何時も狙っていれば猫だって出来るんだ。
一見邪魔にならないようなものが、実際には大きく影響している。
今まで俺は顧客の説明に、当然とか不必要と思って手を抜いていた点は
なかったか。価格と支払い方法だけを問題にして居なかったか。
猫の跳躍はTさんに再度自分の仕事を見直させることになったのです。
その結果Tさんは何かやれば出来るような気になってきました。
会社の倒産なんてその寸前に考えよう。
今はもう1度チャレンジあるのみだ。
Tさんは張り切っています。
猫は本棚の上が自分の常駐の場所のひとつと決めたようです。
宜しければ、クリックして下さい
会社を続行すべきか、それとも今手を引くべきかと云う事です。
全部で3名の小さな住宅販売会社。親会社の物件を販売するのです。売れたら2ヶ月から4ヵ月後に手数料が入ってきます。
親会社と言っても資本や人事の繋がりはなく、単に販売をさせてもらうという立場です。毎月、30万の会費を払って居ます。会費の支払いを止めるとTさんは売るべき商品が無くなります。
5月以降トンと売れないのです。
手形は切って居りませんから、助かりますが、人がどうしても最低3名は必要です。コンピューターのネット販売をするには必要人員です。一人でもかけると販売は難しくなります。
したがって給料の支払いには特に気を使っています。
7月末で資金は枯渇寸前、8月の支払いは殆ど予定が立ちません。
それに7月も坊主でした。8月は例年悪いです。期待は出来ません。
倒産を覚悟して、7月の末に、Tさんは、2軒ほど相談をしました。
いざと云う場合の処理の仕方が、全然解からなかったからです。
その一人、弁護士は「破産しかない」と強く言いました。
全てを精算してやり直せというのです。どんな様にやり直すのか
具体的のことはアドバイスはありません。
破産の費用は200万ほどかかり、ローン中の自宅は手放すことに
なるだろうと言うのが、主旨でした。
コンサルタントは、「先ず自分が生きて行くことを考えよう。」と言いました。
しかし、収入の道が考え付きません。当座お金を少し用意をしてその間に
探すしかないという結論になりました。
自宅はローンの方が、賃料より安い。それに無剰余物件だから、手放さないほうが良いだろう。そのほか、仕入れ業者との交渉の仕方等、一言で言うと、自分で任意整理をしなさい。そのほうが僅かな資産でも守れると云う事でした。
一方でコンサルタントはこの決算書ならば保証協会で貸してくれる可能性があるよ。しかし借りても商売が出来なければ意味がないものね。と言いつつ借り方の説明をしてくれました。
駄目元と思っていた保証協会が借りれるように話が付いたのです。
600万借りて200万の残債を返し、正味400万が8月上旬に入ることになりました。
借りると9月までは会社は持ちます。9月の売上を見ながら会社整理が出来ます。
駄目で元ですから、9月まで背一杯仕事をやってみたいです。
しかしコンサルタントの意見は少し違いました。
「商売ですから波があるが普通ですが、それにしても5月からの業績はおかしい。此処で思い切って整理をすべきではないだろうか。
幸いある程度のお金も掴める事だし。8月の途中までやって駄目だったら、
皆に支払う前に、会社の整理を宣言しよう。其れが一番Tさんがお金を握ることが出来るよ。その後の生活を考えると其れしか方法はないですよ。
Tさん。子供の学校まで辞めさす事を考える必要もないですよ。」
Tさんは「お金が続く限り商売を続けるか、後の当座の生活費に食い込むまで
商売をするか」悩んでいるのです。
ぼんやり考えて居るTさんの目に家族がかわいがっている猫が飛び込んで
きました。猫は本棚の横の文箱を足がかりにして本棚の上に飛び上がりたいのです。
良く此処へ来て狙っては居ますが、1回も飛び上がった処は見ておりません。
やがて猫は諦めて何処かに消えています。今日も同じ様に狙っています。
Tさんはふと気づいて、飛び上がるのに、全然邪魔と思えないところに、
何時も置いてあるティッシュの箱をどかしてやりました。すると驚いたことに
猫は上手く本棚の上に飛び乗ったのです。
なぜかその時にTさんははっとしました。今の猫の姿がTさんをして
何か感じさせたのです。
何時も狙っていれば猫だって出来るんだ。
一見邪魔にならないようなものが、実際には大きく影響している。
今まで俺は顧客の説明に、当然とか不必要と思って手を抜いていた点は
なかったか。価格と支払い方法だけを問題にして居なかったか。
猫の跳躍はTさんに再度自分の仕事を見直させることになったのです。
その結果Tさんは何かやれば出来るような気になってきました。
会社の倒産なんてその寸前に考えよう。
今はもう1度チャレンジあるのみだ。
Tさんは張り切っています。
猫は本棚の上が自分の常駐の場所のひとつと決めたようです。
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