「久能早生」
1981年に静岡県で生れた品種。主に久能地区で「石垣いちご」として栽培され、長年静岡県の特産品として知名度を上げていました。しかし、今では「章姫」に押されてしまい、市場からも姿を消しつつあるようです。
果実はやや硬めで細長く、酸味が強く感じます。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/Strawberry-varie.htm より
「久能早生」
1981年に静岡県で生れた品種。主に久能地区で「石垣いちご」として栽培され、長年静岡県の特産品として知名度を上げていました。しかし、今では「章姫」に押されてしまい、市場からも姿を消しつつあるようです。
果実はやや硬めで細長く、酸味が強く感じます。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/Strawberry-varie.htm より
「皐月」
皐月とは
皐月は、5月のことを表す旧暦での名前で、読みは「さつき」と読みます。旧暦とは、明治5年12月2日まで使われていた太陰太陽暦のことです。その翌日の12月3日から現行の新暦と言われている太陽暦に変わりました。
その旧暦での5月のことを皐月と呼ばれていました。その後、新暦に変わったことから、旧暦とは1~2ヶ月の差が出来ました。たとえば、新暦の現在の正月は1月1日ですが、旧暦での正月はおおむね1月22日頃から2月20日頃にあたるのです。毎年の旧正月は旧暦法に従って決められています。
皐月の由来とは
5月は、皐月(さつき)です。名前の由来は諸説ありますので、解説します。一つは、田植をする月であることから「早苗月(さなへつき)」と言っていたものを略したという説です。二つ目は、稲を植えることを古語で「さ」と呼び田植えの月ということで「さ」月となったというものです。
漢字「皐」には「神に捧げる稲」の意味があるため、皐月が当てられたとも言われています。皐月5月は、さわやかな新緑のころ、田の神様を奉じて田植えをする季節を意味します。また、かつて物忌み月と言って禁欲の期間としたこともあったようです。
また、皐月というツツジ科の植物があり、山奥の岩肌などに自生し可憐な花を咲かせるため、盆栽などで親しまれています。サツキツツジ(皐月躑躅)などとも呼ばれていますが、他のツツジより開花が一ヶ月程度遅く、旧暦の五月皐月の頃に一斉に咲き揃うところからその名が付いたそうです。
「皐」という漢字の読みは、「コウ」「さつき」「すすむ」「たか」「たかし」などがあります。実は、人名漢字の一つなのです。「皐」という漢字には、水辺の平らな地、きし、沼・さわのきし辺などの意味や、「 ああ」など声をゆるやかに長く引いて魂を呼ぶ様、またそのときの声などや、声をのばして大声で呼ぶさま、 明るくかわいた陰暦の五月などの意味があります。
そして「皐」という漢字は、元々は「皋」という漢字でした。「皋」は「白+大+十(まとめる)」で、白い光のさす大きな台地をあらわします。明るい、たかい、広がるなどの意味を含みます。皐はその略体なのです。
また、同じような漢字の使い方として「早苗(さなえ)」「五月雨(さみだれ・早水垂)」「早蕨(さわらび)」などがありますが、どれも「早」という漢字が使われています。
*https://gift-manners.shaddy.jp/article/3292/ より
「デヴィッド・バーン」
1952年5月14日生まれの69歳
デビッド・バーン&スパイク・リーが生み出した至福の体験! 「アメリカン・ユートピア」5月7日公開 2021年3月10日 12:00
スパイク・リー監督(「ブラック・クランズマン」)と、元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンでグラミー賞受賞アーティストのデビッド・バーンのコラボレーションが実現した映画「David Byrne's American Utopia(原題)」が、「アメリカン・ユートピア」の邦題で、5月7日から公開されることが決定。あわせて、日本版ポスター、予告編、場面写真が披露され、字幕監修をブロードキャスターのピーター・バラカンが務めることがわかった。
映画の原案となったのは、2018年にバーンが発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」。同作品のワールドツアー後、19年秋からブロードウェイのショーとして再構成された舞台が始まり、その斬新な内容が評判となった。映像化の可能性を考えたバーンが、リー監督に声をかけたことで映画化がスタートしている。
バーンのライブ映画としては「トーキング・ヘッズ」時代の傑作「ストップ・メイキング・センス」(ジョナサン・デミ監督)が製作されたが、今回のコラボによって、ドキュメンタリーでもなく記録映画でもない、新たなスタイルのライブ映画が完成。海外では早くも高評価を得ており「ふたりの大物が組んだ見事なコラボ」(バラエティ)、「このジャンルの最高傑作の1本」(インディワイヤー)、「圧倒的な傑作」(ローリング・ストーン)と絶賛の声が相次いでいてる。
本作では、全21曲、スペクタクルな107分のステージが展開。本国アメリカでは HBOでの配信のみとなったが、日本では映画館での上映が叶うことに。冒頭、プラスティックの脳を持ったバーンが登場し、人間の脳の進化について語り始める。「人間の脳は成長と共に衰えていく」。そんな衝撃な研究結果について話を始めるバーン。今回のショーを通じて、彼は現代のさまざまな問題について問いかける。コミュニケーションの大切さ、選挙の重要性、人種問題……。混迷の時代を生きる現代人の意識をゆさぶる物語が語られていく。
今回の舞台でバーンは意識的に何もない空間を選び、マイクやドラムセットもなくし、新たな仲間である11人のミュージシャンやダンサーと舞台の上を縦横無尽に動きまわっている。パントマイム、前衛パフォーマンスの要素も取り入れた斬新な振り付けを担当したのは、過去にもバーンの舞台も手がけたアニー・B・パーソン。プロダクション・コンサルタントもバーン一家のアレックス・ティムバースが担当している。
舞台に立った11人の仲間はさまざまな国籍を持っており、クライマックスではBLM(ブラック・ライブズ・マター)を訴えるプロテスト・ソング「Hell You Talmbout」(ジャネール・モネイ)を熱唱。アルバム「アメリカン・ユートピア」からは5曲、トーキング・ヘッズ時代の代表曲から9曲が選ばれ、計21曲を演奏。パワフルに歌いながら踊る大ベテランのバーン。そんな彼が、11人の新たな仲間と組むことで、ミュージシャンとしても更なる進化を遂げたショーとなっている。
ポスターは、バーンと11人のミュージシャンたちを活写。ジェンダー、国籍あらゆる境界線を飛び越え、さながら理想郷(ユートピア)へと見るものを誘う使者のようだ。予告編は、至福のステージングの一部を解禁。ステージからは一切の配線をなくし、自由自在な構成に。ミュージシャンたちは揃いのグレーのスーツと裸足というスタイルでショーを展開している。
「アメリカン・ユートピア」は、5月7日から東京・TOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開。
(映画.com速報)
*https://eiga.com/news/20210310/11/ より
【平成30酒造年度全国新酒鑑評会 金賞銘柄一覧(大阪国税局)】
〈奈良〉 豊祝/奈良豊澤酒造
豊澤酒造の酒造り
「高品質のお酒を、多くのかたに」その思いはずっと変わらずに。
昭和40年代、日本全国で普通酒が全盛の頃、 当蔵の4代目・豊澤安男は「これから世の中が豊かになるにつれ、 消費者は本当に良い酒を望むはずだ」と考えました。そして、力を入れたのが純米酒造りです。 「高品質のお酒をたくさんの方に飲んでいただきたい」という思いから、価格を抑えた純米酒「黒松貴仙寿」を 世に送り出したところ、大変多くの方に支持されました。 それは、消費者の視点から「本当に喜ばれる良質の酒」にこだわった結果なのです。
奈良豊澤酒造の酒造りへの思いは、今も変わっていません。 そのため、創業以来、ほとんど機械化せずに手造りに徹した酒造りを行ってまいりました。 今日、奈良豊澤酒造で生産する酒の8割が、純米酒以上の「特定名称酒」で占められているのも、 その証といえます。そうした手造りへの一途な思いの一方で、 酒を愛してくださる方のニーズを取り入れ、柔軟に対応してきたのも奈良豊澤酒造の酒造りです。 小さな蔵ですが、大きな誇りを持って、今後も酒造りに精進してまいります。
「現代の名工」藤沢杜氏流酒造り
但馬杜氏 藤沢忠治
平成14年、卓越した技能者を讃える「現代の名工」に杜氏藤沢忠治が選ばれ、 厚生労働大臣から表彰されました。
その藤沢杜氏が重視するのは、杜氏のカンと経験。 麹造りはもちろん、洗米やもろみの仕込みから搾りにいたるまで、 全ての工程で機械化をできるだけ避け、杜氏の経験を頼りとする手造りにこだわっています。 例えば、洗米に洗米機を使っていては、洗っているうちに吸水時間を超えてしまうと、蔵人総出の手作業で米を洗っています。また、大吟醸造りには酒米を蒸すのにも、 昔ながらの甑(こしき)を使用。酒は生き物だから対話を大切にしたいと考える藤沢杜氏流の酒造りが、 奈良豊澤酒造の身上なのです。
麹造りへのこだわり
酒の良し悪しは、麹の出来の良し悪しに由来するといっても過言ではありません。
当蔵は創業以来、一貫して麹造りにこだわってきました。 麹とは、蒸米に麹菌が繁殖したものをいい、その後の酒母造りの土台となり、また酒の風味を左右するものです。 蒸米に付着した麹菌が、一粒一粒の中にしっかり菌糸を伸ばして白くなったものを「破精(はぜ)」といい、 菌糸の広がり具合や内部までの入り込み具合で、「総破精」や「突き破精」などと呼ばれます。 当蔵では、味わいを楽しむ純米酒には、蒸米の表面全体に破精がまわっていて糖化力の強い「総破精」に近い麹造りを行っており、 後味の綺麗さを求める大吟醸や吟醸酒には、表面は斑点状ですが、米粒の内部までしっかり菌糸が入り込んでいる「突き破精」の麹造りを行っています。 特に、大吟醸や吟醸酒の麹は、低温長期発酵に耐えられるよう、製麹時間を長くして、硬く締まった麹になるよう、藤沢杜氏ら蔵人の手によって管理されています。 奈良豊澤酒造の旨くてきれいな酒は、こうした麹造りへのこだわりから生まれているのです。
自家製酵母による酒造り
日本酒独特の香りを決めるのは、言わずもがな酵母です。 奈良豊澤酒造では、純米酒以上の特定名称酒の一部は、蔵内から分離された酵母によって造られています。 とりわけ良い出来にあがった酒のもろみから培養した自家製酵母は、当蔵独自の香り高くすっきりとした飲み口の酒を造り出しており、銘柄でいえば、純米吟醸の「無上盃」や「貴仙寿吉兆」として皆さまにお届けしています。
奈良豊澤酒造株式会社 奈良県奈良市今市町405
ラインナップ
「豊祝」大吟醸
「無上盃」純米吟醸
「貴仙寿吉兆」純米吟醸
「朱雀門」吟醸 など
「上伊場野芋-かみいばのいも」
【生産地】宮城県大崎市三本木町上伊場野地区
【形状】やや小ぶりで、茎が赤紫色なのが特徴。
【食味】特有の甘みとそれを超える旨みが絶品といわれる里いもで、伊場野以外の土地では栽培しても旨みを引き立てる粘り気が出ずにおいしく作れないという。
【来歴】宮城県大崎市の限られた地区だけに古くより伝わり栽培されている。元々生産量が多くない上に連作が難しい種で、1度栽培した場所は3年休ませなければならないため、収穫されてもそのほぼすべてが自家消費と固定客でなくなってしまい市場に出回ることはまずない。そのため”幻のいも”と呼ばれ珍重されている里いも。
【収穫時期】10月下旬~11月下旬
*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%EF%BC%8D%E5%AE%AE%E5%9F%8E/#i-28 より
幻の里芋☆ 2018-10-26 21:12:06
テーマ:ブログ
宮城県大崎市三本木町上伊場野地区で生産されている『上伊場野里芋』。
三本木にある道の駅でしか販売されていなく、しかも午前中には売り切れる程の里芋。
県外からもわざわざ買いに来る方も……。
仙台市内にも流通しない幻の里芋と呼ばれている。
一般的な里芋よりも柔らかく、数倍トロトロで甘味があってめちゃくちゃ旨いっ!
芋煮会シーズンの今頃が収穫の時期。
なかなか手に入らない逸品ですが、先日ロケで行ったので道の駅で購入!
里芋農家の方から里芋料理もご馳走になりました(^ー^)
里芋の煮っころがし、唐揚げ、芋煮。
どれも美味しくてびっくりしました。
宮城県内でも知る人ぞ知る『幻の里芋』
里芋好きなあなた、是非ともお薦めです!
今日は、6歳の娘と二人で手を繋いでスーパーに歩いて買い物に行った。
欲しいもの何でも買ってやるって言ってるのに、何もいらないよって……。
結局、何か買ってあげたいから無理やり選ばせて…ヨーグルト味の飴だけ購入(笑)
また、手を繋いで帰ってきた。
いつまでパパと手を繋いでくれるのかなぁ。
どんどん大きくなる娘の手の感触を感じながら、現在の娘の手の大きさを忘れたくないって思った。
*https://ameblo.jp/mikio-date/entry-12414661376.html より
前回の回答
次の四字熟語の読み方を答えてください。
※読み方が複数あるものには代表的な読みを答えとして表示しています。
問1 和羹塩梅 -わこうあんばい-主君を補佐して、国を適切に治める有能な宰相・大臣のこと。▽「和羹」はいろいろな材料・調味料をまぜ合わせ、味を調和させて作った吸い物。「塩梅」は塩と調味に用いる梅酢のこと。この料理は、塩と、酸味の梅酢とを程よく加えて味つけするものであることから、上手に手を加えて、国をよいものに仕上げる宰相らをいう。「塩」は「えん」とも読む。
問2 懲羹吹膾 -ちょうこうすいかい-一度失敗したことに嫌になり、不必要なまでに注意すること。
「羹」は熱い汁物。
「膾」は生肉を酢につけたあえもの。
熱い汁で火傷をしたことに懲りて、冷たい料理にも息を吹きかけて冷ますという意味から。
「羹に懲りて膾を吹く」という形で使うことが多い言葉。
問3 濯纓濯足 -たくえいたくそく-世の中の流れに合わせて身の振り方を変えること。
または、善い行いをすれば尊ばれ、悪い行いをすれば蔑まれるということのたとえ。
または、世俗を超越すること。
「纓」は冠の紐。
水が綺麗なら冠の紐を洗い、水が汚れていれば足を洗うという意味から。
問4 邑犬群吠 -ゆうけんぐんばい-小人しょうじんがこぞって集まり、人のうわさなどを盛んに言い合うことの形容。また、小人が多く賢人を非難するたとえ。村里にすむ犬が群がって吠ほえるという意から。▽「邑」は村里のこと。「群吠」は群がって吠える意。「吠」は「べい」とも読む。
問5 偃武修文 -えんぶしゅうぶん-戦いをやめ、文教によって平穏な世の中を築くこと。▽「偃武」は武器を伏せかたづける意。戦いをやめること。「偃」は伏せる意。「修文」は文徳を修めること。学問を修めること。「武を偃せ文を修む」と訓読する。
今回の出題
次の四字熟語の読み方を答えてください。
※読み方が複数あるものには代表的な読みを答えとして表示しています。
問1 婉娩聴従
問2 彫心鏤骨
問3 跳梁跋扈
問4 鞠躬尽瘁
問5 菜圃麦隴
*漢字検定Web問題集 HP より
*goo辞書・四字熟語辞典オンライン より
「京繍」
Description / 特徴・産地
京繍とは?
京繍(きょうぬい)は京都府京都市周辺で作られている刺繍です。京都ならではの雅な文化を反映した繊細で優雅な刺繍は、高度な技術が必要とされています。
京繍の特徴は、絹糸や金糸、銀糸を使い30通りもの技法を駆使した完成度の高さです。京繍の用途は様々で、着物に装飾するのはもちろんのこと、小物から緞帳(どんちょう)まで多岐に渡ります。特に京繍は多彩な色彩を用いており、用いる色糸の種類は2,000色にも及び、着物に刺繍する場合は、図柄にもよりますが20~30色は使用します。
京都と同じく刺繍文化が盛んなフランスでは刺繍を刺す際片手で刺すのに比べて、京繍は両手を使って布の上下へと自在に刺し進めることで、より繊細な表現が可能となりました。
日本独特の優美な表現を著した京繍は江戸時代には輸出品として海外で人気を博しました。平安時代から続く京繍は、日本文化の美しさを凝縮した伝統工芸品として現在でも人々を魅了しています。
History / 歴史
日本の刺繍の起源は古く、1400年前の飛鳥時代にはあったと言われています。当時は仏画に刺繍を施す儀礼的なもので、とても貴重な品でした。
平安時代に入ると都の貴族達が刺繍を施した衣装を着るようになり、宮中に「織部司(おりべのつかさ)」と呼ばれる織物から染色まで着物に関わる部署が出来たことで、都のあった京都で刺繍の技術が格段に発達していきました。この頃の京繍の用途はさまざまで、艶やかな十二単を飾ったり、能の豪華な衣装などに使われました。
安土・桃山時代に入ると、宮中の貴族だけでなく武士や武士の奥方の小袖などに京繍が用いられるようになり、京繍を愛用する範囲が更に拡がっていきました。
江戸時代には裕福な庶民の財力を反映するかのように、小袖の全面に刺繍を施す図柄が流行し、刺繍文化の最盛期とも言える時期でした。
近年では、現代の生活様式にあわせた和装小物や帯、インテリア用品の制作などで京繍の伝統が受け継がれています。
*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kyonui/ より
刺繍の枠を超えた芸術、京繍
京に夏を告げる、祇園まつり。多くの観光客の目的は、言うまでも無く三十二基の山鉾巡行だ。ゆっくりと優雅に町を行列して行く山鉾を飾る豪華な胴懸(どうかけ)や鉾の見送りは、全て京繍をあしらったものである事を知っているだろうか。
二十七年のベテラン職人
私が取材に伺ったのは、三月のまだ肌寒い頃だった。紹介されたのは小松二三三(ふみぞう)さん。手を休めて、快く迎え入れて下さった。小松さんが先ほどからされていた仕事は、山鉾の胴懸の修理である。「痛んでくると、修理もしてやらないとね」と京都はすでに夏の準備である。胴懸は、肉入れ繍と言われる技法を用い、中に綿などを入れ立体的に刺繍したものである。修理もまた、手間と根気のいる作業である。
伝統にのっとったオリジナル
図柄も配色もすべてが職人の感性にゆだねられている京繍。世界に唯一のオリジナル作品なのだ。「繍う度に、受け継がれてきた伝統のすばらしさ、技術の凄さを感じますね」と小松さん。今では、十一代目を継ぐ小松さんであるが、修行時代は足来の稽古をしながら、先生や先輩の仕事を盗み見していたそう。「自分ならどうするか、自分ならどんな風にできるだろうか」。職人一人一人の手づくりであるがゆえに、個性や手の運び、そして職人のひたむきな思いが折り重なり、世界に二つとない作品ができ上がるのだ。
糸と針で描く
作品を見せて頂くと、絵画ではないのかと目を疑ってしまう。それくらいに繊細で、立体的に見えてくるのだ。「地色に溶け込ますように繍い上げるには、やはり手でないとできない事ですね」と笑顔でおっしゃる小松さん。いったいどれくらいの時間ででき上がるのだろうかとうかっがてみると「物によって全然ちがいますよ。一年くらいはゆうにかかる大作もあるんですから」と気の遠くなるような話である。しかし、京繍ならではの風格や優雅さは何カ月、いや何年もかかるからこそ、味わい深いものになっていくのだ。そしてまた、一つの作品と作り上げる事による達成感が、職人を次なる作品へと意欲をかき立てる活力ともなるのだ。
京繍に終わりはない
「仕事を止めるまで修行が続きますね。上を見たらキリがないですから」と次なるステップを試みる小松さん。京繍への思いが熱く感じられる。最近では、神社のテーブルセンターや額、椅子の背もたれ部分なども手掛けているが「洗ったりできるものではないんで、作品の幅が限られてしまうんですよね」ともおっしゃる。ものづくりが好きで入った世界、地味な仕事でありながら大胆に表現の出来る世界。いま小松さんは、伝統に自身の個性を繍い重ねている。
こぼれ話
祇園祭 京繍をまとった三十二基の山鉾巡行
京都に夏を告げる祇園祭は疫病が流行した869年、災厄除去を祈るために行われた祇園御霊会が始まりです。その後11世紀になって鉾が登場し、さらに応仁の乱の後、1500年に祭が再興されるようになりました。町衆らの自治組織により作り上げられた祭であり、京都市民の精神の歴史とも言えるでしょう。その祇園祭の7月13日から16日までの宵山では、各山鉾町の町会所で、山鉾を飾るご神体や京繍を施した豪華な胴懸・見送りなどを展示しています。もちろん17日の山鉾巡行では、三十二基の山鉾が豪華な飾りをまとい、ゆっくりと京の町を進みます。祭のにぎわいはもちろんの事、京の伝統工芸の美しさにも心を奪われる事でしょう。
*https://kougeihin.jp/craft/0303/ より