「わさび菜」
ピリッとしたさわやかな辛味の“わさび菜” 調査情報部
■わさび菜の特徴
鮮やかな緑色の「わさび菜」は、九州の在来種‘からし菜’の中から選抜固定、育成された品種です。ギザギザとした大きな葉は軟らかく、葉面はちりめん状に縮み、わさびに似たピリッとした辛みが特徴です。
ビタミンC、B2、Aなどのビタミン類が豊富に含まれている「わさび菜」は、老化やがんの予防効果があり、抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進する働きが期待されます。
■行方市‘わさび菜部’の取り組み
行方(なめがた)市における「わさび菜」の栽培は、平成17年に北浦鍬頭会議(任意の団体)の農業活性化委員会による取り組みの一環として4件の農家で始まりました。 当時、同委員会が、高齢者向けの作物として栽培していた‘あしたば’の種子の購入先であった種苗会社から、新品種である「わさび菜」を紹介されたのが生産のきっかけです。平成19年には、生産者が39名に増え出荷量も大幅に増加したことから平成20年4月に‘行方市わさび菜部’として独立しました。これらの活動が認められ、平成20年12月に「わさび菜」の茨城県銘柄産地に指定され、現在は生産者48名を擁する産地に発展しました。同部会では、比較的栽培が容易である‘わさび菜’を高齢者や兼業農家向けの作物と位置づけて普及に努めています。
■わさび菜の生産
行方市では「わさび菜」は、1年を通して生産されていますが、最盛期は9~3月です。「わさび菜」は、収穫しないと花が咲いてしまうので、次々と成長する葉を掻いて、こまめに収穫する必要があります。
行方市わさび菜部では、JAなめがたと連携して市場出荷を行うほか、スーパーなどでの「わさび菜」の販売促進により販売先を開拓しています。しかし、「わさび菜」の市場における認知度はまだ低く、限られた数量しか出荷できないため、最盛期には、収穫した葉の半分以上が無駄になることもあるなど、まだまだ多くの課題を残しています。
■産地から一言:おすすめの食べ方
ピリッとした辛みが魅力の「わさび菜」は、そのまま生で食べるのがおすすめです。食べる前に氷水にサッと浸し、サラダにしたり、パンにはさんでサンドイッチにして食べると「わさび菜」独特のさわやかな辛さが味わえます。また、辛味はなくなりますが、鍋に入れて加熱しても鮮やかな緑色を楽しめます。ほかにも浅漬け、おひたし、天ぷら、みそ汁と何にでも使えます。是非、一度ご賞味ください。
ピリッとした辛味を楽しむ「わさび菜を使ったサラダ」
鮮やかな緑色の「わさび菜の入ったお鍋」
問い合わせ先:行方市 農業振興センター
*https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/iroiro/1101_iroiro.html より
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