「天然ほやの酢の物」
主な伝承地域 三陸沿岸地域
主な使用食材 ほや、きゅうり、塩
歴史・由来・関連行事
ほやは、「海のパイナップル」と呼ばれ、甘味、酸味、塩味、うま味、苦味の五味すべてを持つ食材として知られている。タウリンやグリコーゲンのほか、亜鉛、ビタミンEやビタミンB12など栄養素も豊富である。鮮度が落ちると臭みやえぐみが出てくるのも特徴。成長するまでに3~4年かかる。旬は夏だが、12月から1月の産卵を迎えたほやもまた美味。岩手県はほやの養殖もおこなっているが、天然物は水深20メートルから30メートルの海底に生息しており、特殊な潜水技術が必要になる。三陸沿岸北部の洋野町(旧種市町)には100年以上前に生まれた「南部潜り」という潜水技術があり、天然もののほやは、南部潜りのダイバーがひとつひとつ海底から採取することから、非常に貴重なものとされるのである。
食習の機会や時季
おもに5月から8月頃、ほやが獲れる時期に食される。
飲食方法
ホヤの殻と内臓を取り除いたものを食べやすい大きさに切り、きゅうりや塩とともに二杯酢で和える。ほやは独特の風味があるため、一般的に酢の物が好まれる。天然物は一段と風味がよく、素焼きや、炊き込みご飯にしても美味しい。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
天然のほやは貴重なためなかなか市場に出回らない。また天然のほやを採取するには「南部潜り」が必要であるが、重厚なヘルメットと潜水服を付けて潜るその潜水方法は、現在も県立種市高等学校で学ぶことができる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_26_iwate.html より
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