「中身汁」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 豚の内臓
歴史・由来・関連行事
豚肉がよく食べられる沖縄県では、余すところなく料理に使うことから「鳴き声以外は全て食べ尽くす」と言われている。中でも沖縄県で“中身”と呼ばれる内臓を使った「中身汁」は、「中身の吸い物(なかみのすいもの)」とも呼ばれ、豚の大腸や小腸、胃といった中身を具にし、すまし汁仕立てでシンプルに仕上げた郷土料理である。内臓を使っているにも関わらずさっぱりとした味わいが特徴。そのためには丁寧な下処理が重要であり、おからや小麦粉などを使ってもみ洗いした上で何度もゆでこぼし、脂と臭みを取り除く。だしにはかつおと豚を合わせて使い、高級客膳料理として振る舞う場合は、具材を中身のみにしたりシイタケだけを添えたりする。また、独特の爽やかな香りを持つコショウに似た香辛料のヒハツを加えることもあるが、現在では代わりにショウガのすりおろしを入れて食べるのが一般的となっている。
食習の機会や時季
正月料理や祝いや法事の料理として食されるが、現在では日常食としても親しまれている。
飲食方法
おから、または小麦粉でもみ洗いしたあと、たっぷりの水と中身を入れた鍋を火にかけ、沸騰しにごりが出たら煮こぼす。6~7回ほど繰り返し臭みがとれたら、再び水から中身を火にかけ、やわらかくなるまで煮る。中身を細切りにし、再びゆでこぼす。豚だしとかつおだしを合わせて煮立て、中身と水で戻して細切りにした干しシイタケを加え、塩や醤油で吸い物の味に調え、中火で煮て味を染み込ませる。椀に盛り、ショウガのすりおろしを加える。また、こんにゃくやかまぼこを具材に入れることもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的につくられるほか、県内の飲食店でも味わえる。また、小売店ではレトルトの「中身汁」も販売されている。料理教室やイベント、病院給食で提供されることもある。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/47_1_okinawa.html より
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