「どんこ汁」
主な伝承地域 三陸沿岸地域
主な使用食材 どんこ、大根、人参、豆腐、じゃがいも、ねぎ、味噌
歴史・由来・関連行事
「どんこ」とは三陸沿岸でよく獲れるエゾイソアイナメ、チゴダラのこと。どんこは冬になると身が締まり、肝にも脂が乗る。身はクセがない白身で上品な味わいで、一般的に味噌汁や鍋物の具として好まれる。濃厚で脂肪分のある肝を使うのもポイント。白身で淡泊な味は産後の肥立ちに良いとされ、体力回復の料理として食されてきた。
また「大きな口からたくさん入って、小さな尻から出ていきにくい」として、お金が貯まる縁起魚ともいわれ、陰暦10月20日の恵比寿講に尾頭付きのどんこ汁を神前に供え豊漁を祈願した。気仙地方では現在もこの習慣が続いている。秋仕舞い(庭仕舞い)の際に食べられる地域もある。
どんこは汁物以外にも、たたき、なます、塩焼き、干物、田楽などの方法でも食される。
食習の機会や時季
陰暦10月20日の恵比寿講の際に、尾頭付きのどんこ汁を神前に供えた。また秋仕舞い(庭仕舞い)の際に食べる地域もある。現在も、冬の味覚として家庭で食されている。
飲食方法
大根、人参、じゃがいもを大きめに切って煮た後、ぶつ切りにしたどんこの切り身と肝臓を入れて静かに煮込み、豆腐を入れ味噌で調味し最後にねぎを加える。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭でも作られるため、季節になると「どんこ」はスーパーや鮮魚店に並び、鍋や汁物用にさばいたものを販売している店舗もある。鮮魚を扱う居酒屋などで「どんこ汁」を提供する店舗もあるが、数は少ない。岩手県は郷土料理を伝承する人や団体を「岩手県食の匠」として認定しており、「どんこ汁」についても「岩手県食の匠」がいる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_23_iwate.html より
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