「こしね汁」
主な伝承地域 富岡市
主な使用食材 こんにゃく、しいたけ、ねぎ
歴史・由来・関連行事
群馬県の南部にある富岡市は自然豊かな街。赤城山、榛名山とともに上毛三山と呼ばれる妙義山があるほか、市の中心を利根川水系の一級河川・鏑川が流れている。さらに温暖な気候であることから肉や野菜などの農畜産物が美味しく育ち、多くの特産物を輩出している。中でも有名なのが、甘楽・富岡地域で栽培されているこんにゃく、しいたけ、ねぎの3つの野菜だ。からっとした富岡市の天候では、湿気を好まないこんにゃくや原木栽培によるしいたけ、太くて立派な下仁田ねぎなどが良く育つ。そこで富岡市婦人会連合会がこれらの農畜産物がたっぷりと入った汁物の郷土料理を考案。「こんにゃく」「しいたけ」「ねぎ」の頭文字を取り、「こしね汁」と名付けた。
食習の機会や時季
世界遺産に登録された富岡製糸場の存在からもわかるように、富岡市はその昔、養蚕の盛んな地域であった。しかし、時代の変化とともに絹製品の消費が少なくなってきたため、代わりに気候を活かした農業が増えていったという。その中でこんにゃくの素となるこんにゃく芋やしいたけの生産が行われるようになり、こしね汁のような郷土料理が作られるようになった。
飲食方法
こんにゃく、しいたけ、ねぎの3つを入れることが決まっているが、それ以外に使う野菜や味噌は家庭によって異なる。ごぼうや里芋、ニンジン、豆腐、豚肉など、地域で採れる農畜産物をたっぷりと入れるのがこしね汁。先に火が通りにくい野菜や肉を炒めてからだし汁で煮て、野菜に火が通ったら味噌や醤油で味付けする。さらに油揚げや豆腐、ねぎなどの火が通りやすいものを後で加えて仕上げる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在は家庭料理として親しまれているほか、学校の給食としても提供されている。また、認知度を上げるため、ぐんまの農畜産物を紹介するWebサイト「ぐんまアグリネット」では、大手企業とタイアップしたアレンジレシピを紹介。富岡市で行われている料理教室でも取り上げられている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/32_24_gunma.html より
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