「凍豆腐の卵とじ」
主な伝承地域 福島市
主な使用食材 凍豆腐、卵、信夫菜(小松菜)
歴史・由来・関連行事
豆腐を凍らせてから戻し、乾燥させて作る「凍豆腐」は、寒い地域特有の郷土料理。寒風に2週間ほどさらして、水分を抜いていく。阿武隈川が流れ、阿武隈高地の山々に囲まれている福島は、冬は特に寒く、強い風が吹くエリア。北西からやって来る強い季節風「吾妻おろし」も吹くため、「凍み」の食文化が根づいていったと言われている。特に福島市の南部で親しまれている。
凍豆腐は煮物や和え物、汁物、雑煮などさまざまな料理に活用されているが、そのうちの一つに卵とじがある。凍豆腐を、福島で生産されている「信夫菜(しのぶな)」と呼ばれる葉物野菜とともに炒め、卵でとじる。
食習の機会や時季
昔は冬の時期に、薄切りにした豆腐をわらで包み、「吾妻おろし」の寒風に数週間さらして凍豆腐を作っていた。作り始めるのは、作物の収穫を終え、農作業が一段落する11月頃。現在はわらを使わず、巻きすで包んで作っているところもあるという。大正時代から続く伝統的な製法と言える。
飲食方法
凍豆腐を水で戻し、短冊切りにしてから使用する。凍豆腐と数センチ長に切った信夫菜を炒め、醤油、砂糖、だし汁で煮込んでから、溶き卵を入れてさっとかき混ぜる。煮込む際には弱火にして、汁気がなくなるまでじっくり煮るのがポイント。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的に作られている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_19_fukushima.html より
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