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<伝統野菜> 山形 野良だいこん

2021-09-09 07:38:35 | 伝統野菜

 「野良だいこん-のらだいこん」

 

【産地】庄内地域>鶴岡市藤島地区

【特徴】根長20cm、根径10cm、根重200~600g。は種から収穫まで約60日を要する。

【食味】肉質は緻密で繊維質である。ひげ根が多い。

【来歴】野生だいこんの一種で、「はまだいこん」とも呼ばれる。昭和60年代に在来の野良だいこんで栽培が始まった。これを元に作られた辛み大根が、平成3年に「ピリカリ」で商標登録をしている。一般的な辛み大根より辛みが持続するのが特徴

【時期】 -

*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%E2%80%9506-%E5%B1%B1%E5%BD%A2/#i-66 より

 

 「野良だいこん」
 旧藤島町には様々な在来作物があります。そのひとつに平成4年に「ピリカリ大根」という名前で商標登録した辛味大根があります。この大根は長さ20~30cm、太さ10cm、重さが200~600gと小型のもので、くさび形の形状、ひげ根が多いことなどが特徴です。通常の青首大根の3~5倍もの辛さがあり、また、わさびにはない独特の野趣あふれる風味があるため、主にそばの薬味として使われています。古くから取り引きのある首都圏のそば屋さんからは、「この大根の風味や辛さは、そばをより一層美味しくする!これ以上の薬味は考えられない!」と太鼓判を押されています。
 このピリカリ大根の魅力はもちろんその味や風味にありますが、その他にも生産上大きな魅力があります。それは収穫時期が稲刈りの終わった10月中旬から始まり、雪の降る前の12月までのため、作業の競合が起きにくいこと、比較的栽培が簡単で、無農薬栽培も可能なこと、通常の大根に比べ単価が高いこと、翌年6月までの長期出荷を行っているため、収入の少ない春にも収入があることなどがあります。
旧藤島町は古くからの園芸産地で、篤農家と呼ばれる人たちが多くいます。そのひとりが生産組織JA庄内たがわ藤島支所山菜部会を率いる斉藤睦彦氏です。斉藤氏は前部会長からピリカリ大根そのものの魅力や、それにかける生産者の情熱を感じ栽培を始めました。斉藤氏をはじめ部会員は少しでも優良なピリカリ大根をつくるため、日々研究に余念がありません。
 ピリカリ大根をはじめ在来作物の多くは栽培農家が個人で自家採種していますが、大根などのアブラナ科作物は、はくさいなど他のアブラナ科作物と交雑しやすいため、本来の形質を損なってしまうということが多々あります。そのため、最近ではピリカリ大根の形質がバラついてくるという問題が発生し、地元山形大学と連携し優良種子の選別を行ってきました。
 その結果、ピリカリ大根の真髄ともいえる辛さや形にバラつきが見られなくなりました。また、出荷調整の際に邪魔であったひげ根が少なくなり、肌つやも良く、収穫量も増えました。これにより生産や販売にあたって非常に有益な成果が得られ、販売先からの評価もますます高まっています。
 美味しいピリカリ大根をみんなに食べてもらいたい一心から地元の大学や普及課を動かしたこの部会は、平成19~21年には地元庄内農業高校の研究課題にも取り上げられました。地元の高校生が地域に伝わる在来野菜に興味をもって研究したことで、地域全体への波及効果もより現れてきています。ピリカリ大根の生産拡大、知名度向上もあわせて、これからの部会の活躍が楽しみです。

*https://syokunomiyakoshounai.com/ingredient/ingre-04/011.html より


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