「尾瀬の郷片品湧水群」
瀬の郷片品湧水群について
優れた水質に加え、清掃・植林・山林保全・環境活動等、村民による長年の取り組みが評価され、平成20年度に環境省より「平成の名水百選」として認定されました。
尾瀬の郷片品湧水群は、片品村全域の湧水を対象としています。
湧水群の成り立ち
尾瀬や片品村を囲む至仏山、武尊山、白根山など2000メートル級の山々に降った雪や雨が地下に浸透し、長い時間をかけて自然の中で濾過され、各所に湧出したものです。湧水源は村内に広く数ヵ所にあり、村民は古くからこの土地の恩恵としてその流れを汲み、生活に、また田畑の用水として使ってきました。
おいしさがわかる水
ハイキングや各種のサマースポーツ、スキー・スノーボードなどで片品村を訪れる観光客の中には早くから水のおいしさに着目していた人たちがいました。一般に飲んで「おいしい」、料理が「おいしい」と言われる水は、感覚的な評価のほかに、水質検査による裏づけがあります。片品湧水群の水は、硬度11~55、pH7.3~8.2と、おいしい要素を満たしています。水グルメとは言わずとも、おいしさは誰にもわかるものです。
おいしい湧水を気軽に味わっていただくために
村民プロジェクト
片品村では「平成の名水百選」認定を機に、村を訪れる方々に是非この湧水のおいしさを直接味わっていただきたいと考えました。しかし、場所によっては湧水源が深い山林の中にあり、自然環境を守るという方針から保存林となっているために立ち入ることは出来ません。そこで、湧水源を持つそれぞれの地域住民の協力を得て、いわば村民プロジェクトとして運動を起こしました。このようにして、村内の10ヵ所に取水設備を整え、おいしい水を求める人に便宜をはかることができるようになりました。それぞれ一番近い水源から直接引いてきています。
尾瀬の郷片品湧水群のひとつ「観音様の水」
夏でも手の切れそうな、というたとえがたとえでないほど冷たい水が滾々と湧き出しています。湧出源はこのすぐ後ろ。そこから直接引いているピュアな水です。
歴史
ここは古くは御座野入と書き、上州の観音札所・沼田横堂三十三所の二十九番の札所になります。背後の山の中腹、右上に見える神社がこの地の歴史の一端を物語ります。興味をそそられて登って行きますと、最近建て替えられた様子の社の前に控えめな石碑があり、御詠歌が彫刻されています。古文書の知識をもって眺めていると、このような字に読めます。
「満以りき定 以まそあら多に 美さの入 山乃奥にも ありあけの月」
上の句を現代的な文字使いに改めますと
「参り来て 今ぞあらたに御座の入り」
となるようです。この地の由来がしのばれます。そして同時にその背後に、おそらく無名のままそこに生きた多くの人々の生活の歴史もあります。
村民プロジェクト
この給水施設は地元の人たちが寄進して整備したもの。かやぶきの屋根の中にその人たちの名前が記されています。
御座入の人たちは、毎月一回、日を決めてこの周辺の清掃を行っています。右の写真のように、冬の間も休まず行っています。
*https://oze-katashina.info/meisui/kannonsama/ より
水質・水量
1日の湧水量:1・1万トン
由来・歴史
水源の裏に沼田横道三十三番観音霊場があったため「観音様の水」と名付けられた。
水質保全活動
「観音様の水」は、地域の村民が、毎月1回清掃活動を行い、湧水群周辺は森林組合やボランティアによる計画的な森林の整備や上下流交流の植林体験会を毎年行っている。又、「自然保護の原点」と言われる尾瀬を中心に清掃活動等、地域住民、村内小中学校、企業、ボランティア団体等と連携を図り多くの自然保護活動が行われている。
周辺の自然環境-尾瀬国立公園と日光国立公園にまたがる湧水群。1日11,000トン以上の豊富な水量で、入山者や地域住民の簡易水道として利用されている。また、片品村全体が豊かな自然に包まれており、良好な景観を保持している。
利用状況-「岩清水」は、登山者の水場として利用されている。
「観音様の水」は、お茶やコーヒー、料理に利用されている。
水道水としては市民の生活用水や、観光施設でも利用され、またミネラルウォーター、どぶろくや豆腐等の製造が行われている。
*https://water-pub.env.go.jp/water-pub/mizu-site/newmeisui/data/index.asp?info=17 より
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