「かてそば」
主な伝承地域 県央~県南、鹿沼市
主な使用食材 そば粉、小麦粉(中力粉)、にら、だいこん
歴史・由来・関連行事
ここで言う「かて」とは増量材のこと。だいこんやにらなどを加え、かさ(量)を増すことを目的のひとつとした郷土料理。冬はだいこん、春先は柔らかなにらを使うことで、かさに加え風味も増し、食糧難の時代に庶民に広がったと伝わる。
鹿沼市でにら栽培が盛んになってきた約40年前、市内にあるそば店で「にらそば」が商品化され、その後提供する店舗が増えていった。鹿沼市周辺で「にらそば」が、佐野市周辺で「だいこんそば」が定着し現在に至る。
農林水産省の調査結果では、栃木県はそば生産量全国3位であり、発表されており、そばは日常的にも行事にも欠かせない料理となっている。
かつて鹿沼市周辺は麻の産地でもあった。伝統的な手法の「麻後蕎麦(あさあとそば)」は、麻を刈り取った後の地力回復として作付けされ収穫されるそばであった。現在、麻の生産量は少ないが、そばは現在でも栽培されており、また、にらの生産も多く「鹿沼にらそば」としてふるまわれている。
食習の機会や時季
栃木県はにらの産地でもあり、晩秋から春先にはそばににらを加えた「にらそば」、冬にはだいこんを加えて「だいこんそば」が地域の人々に親しまれている。また、だいこんそばを年越しそばとして食べる地域もある。
飲食方法
にらやだいこんを加えると増量だけでなく、そばに風味が出ておいしさが増す。
だいこんそばの場合はだいこんを10cmくらいの長さに切り、皮をむき、千突き(だいこん突き器)で線状にするか千切りにする。湯をわかし、先にだいこんを入れてゆで、後からそばを入れ、だいこんと一緒にゆで、水にとり、冷たくしてざるにあげる。
にらそばの場合は、湯にそばとにらを入れ一緒にゆで水にとり、冷たくしてざるにあげる方法と、そばとにらを別々にゆでてトッピングのようにそばの上ににらをのせる食べ方がある。別々の場合は、にらの固さを調整でき好みで食することができる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
鹿沼市では、平成19(2007)年に「鹿沼そば振興会」を設立。ホームページやSNS、イベントなどでにらそばをはじめ、そばの広報活動を実施している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_8_tochigi.html より
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