「ひたし豆」
主な伝承地域 北信地域、東信地域
主な使用食材 青大豆
歴史・由来・関連行事
北部の西山地域の土壌は、大豆の生産に向いていることで、以前から麦類や豆類の栽培が盛んにおこなわれている。香りの良さとほっこりとした甘みのあるよい大豆で、西山地域で育てた大豆は品質よく「西山大豆」と名付けられている。また、戸隠地域では花豆を特産品としており、標高800m以上が栽培適地とされる「高原花豆」を栽培している。高原花豆は、黒と紫が交わった色で、紫花豆ともいわれている。大粒で味が良く、煮豆や甘煮にされる。
「ひたし豆」は、長野県の北信地域と東信地域をはじめ、新潟県や東北地方でも食べられている郷土料理で、正月のおせち料理にも使われる。青大豆をゆでて、薄味のだし汁に浸したものである。長野県では鞍掛豆(くらかけ豆)でもつくられる。鞍掛豆は青大豆の一種で、馬の背中に鞍を掛けたような模様をしていることから鞍掛豆といわれるようになった。また、のりのような風味がするので「海苔豆(のりまめ)」とも呼ぶ地域もある。この独特の風味と豆のコリコリした食感と濃厚な味わいが見事にあいまって、豆自体が大変美味しいので、ゆでてシンプルな味付けで美味しく食べられている。最近は生産量が減少し、入手するのが難しくなってきている。
食習の機会や時季
日常的に食べられており、お茶請けとしても食べられている。「ひたし豆」に数の子を入れたものは、「数の子豆」としておせちに使われる。
飲食方法
そのまま食べる他、醤油や大根おろしをかけたり、豆ごはんにすることもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
今も各家庭でつくられている。青豆はスーパーマーケットや産直、ネット通販などで手に入れることができる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hitashi_mame_nagano.html より
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