アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ベトナムのコーヒー ~「アンティークマンのベトナム」第7話 

2009年09月14日 | Weblog
 「ベトナムについては、ワタシが先輩」と自慢する我が家の長男に、「ベトナムへ行ってくるよ」と、言ったら、「コーヒーを買ってきて」と頼まれた。味わったことがある人なら、クセになるかも知れません。

 どうして、ベトナム土産がコーヒーなのかって?ベトナムとコーヒーは、関係なさそうにも感じられますが…ベトナムはブラジルに次いで世界第2位のコーヒー生産国なのです。本当ですよ!コロンビアより上なのです。年間生産高は、100万トンを超えています。輸出額は、およそ20億ドル。ベトナム一の輸出品でしょう。
 日本にはあまり入ってきていません。ドイツ、アメリカ、そしてスペインが三大顧客とのこと。ただ…ヨーロッパでのベトナムコーヒーの評価(品質)は芳しくないらしく、品質の向上が当面の課題とのこと。それでも、輸入しているドイツは立派です。さすが日本の元同盟国!「またそれか!イタリアは褒めないのか?同盟国だったんだぞ」って?その問題は、またいずれ…。

 余談になりますが、果物屋でカカオが売られているのを発見。カカオといえば、チョコレートやココアの原料のはず。どうして、果物屋の店頭にあるのか?「割って食べる」のだという。カカオが生で食べられる?これは味見しなければ。割ると、中は、白いトウモロコシの親玉が入っておりました。しゃぶると甘く、中の種は正しくチョコレート色でした。ガーナばかりがカカオじゃない、ベトナムでも収穫しているのです。

 コーヒーに話を戻します。英語が通じない喫茶店でも、「コーヒー」で十分通じました。(発音をよくして)「カヒ」と言っても通じる。「カフェ」もOK。喫茶店は、街中にたくさんあります。レストランより多いと感じました。コーヒー豆屋さんも、目立ちました。市場にも、街中にも。コーヒーが庶民の生活に根付いていることがよく分かります。それでも、日常的にコーヒーを飲む習慣のある国民は、7%程度という数字を目にしました。ベトナムには飲むものが多いですからね。緑茶も、紅茶も、ココアもありますから…。南国果実のフレッシュジュースは飲み放題ですし。

 予想はつきましたが、コーヒーがベトナムへ入ってきたのは、19世紀のフランス植民地時代なのだそう。コーヒー栽培は、どんどん広がり、今日がある。

 ベトナムコーヒーは、何かが違う。バニラ風味であったり、カシューナッツ風味であったり…美味しいと感じました。風味付けをしているのも特徴の一つかもしれませんが、ベトナムコーヒー独自の秘密を聞き出しました。秘密と言うほどのものではないでしょうが…「焙煎の時、バターを使用する」のだそうです。香りとコクは、バター焙煎によるもののようです。

 喫茶店では、ステンレス製のフィルターでコーヒーを抽出し、そのフィルターを載っけたままテーブルへ運んできてくれます。ステンレスのフィルターで時間をかけて、ゆっくり落とす。濃いです。コーヒーは、注文したらすぐに出てくるだろうと思っていたのに時間がかかったのは、ゆっくり落としていたからなのだと了解しました。この方式も、昔のフランス式なのだそうです。フィルターを外すと、表面にバターの油膜が浮いているのが確認できます。ウエイター氏、砂糖もクリームも持ってこない…。それもそのはず、たっぷりの砂糖と、クリームの代わりの練乳があらかじめ入れられているのです。すごーく、甘いです。