アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「アンティークマンのベトナム」第四話 台頭する若手実業家

2009年09月11日 | Weblog
ジャンボ氏の仕事の関係で、グエン氏の会社(ホーチミン市)を訪問しました。グエン氏を仮名にしなくてもいいのかって?「グエン」は、日本でいうところの、「佐藤さん、鈴木さん」ですから、特定されることはないでしょう。グエン氏は、ハノイ出身の32歳。1997年に日本の高専へ留学し、さらに東京工業大学へ進んだ。優秀な頭脳に加え、ベトナム人の勤勉さとネバーギブアップの粘り強さ(アメリカ軍に勝った民族ですから)を備えておられる。日本一の工業大学を卒業して、2005年にホーチミン市で起業。ソフトの開発からはじめたが、今は手広くやっている。日本語学校も買収して傘下におさめている。あと、10年もしないうちにベトナム有数の企業になることは間違いないでしょう。

 グエン氏の会社名は、「緑の太陽(仮名にしました。問題が起こらないように)」。命名のイメージは、第一に親日(太陽が日本ですね)。第二に新鮮(緑が新鮮)。第三に優しさ…解ります!グエン氏の名刺には、会社のモットーである、「BETTER THAN BEST」が刷り込まれてあります。

 32歳の社長さん、ライフステージに応じた目標を持っておられる。
 30~40歳・・・MIND
 40~50歳・・・BODY
 50~60歳・・・HEART

 これには、感服させられました。今は、MINDの時期。智慧を出して、事業を盤石のものにし、拡大を図る。BODYでは、健康、環境、病院、バイオロジーの分野で頑張る。HEARTの時代には、「人の楽しさ」を追求する。サッカークラブの経営、映画制作も手がけたい…。
 これらの話が、夢物語ではないと思えるのです。実際、現在結果を出しているわけですから。今後も、何でも出来ると思えます。

 グエン氏、威張ってもいいのに、実に腰が低い。帰りがけ、社屋のビルから出てきて、我々のためにタクシーをつかまえてくれた。「最も安全なタクシーは、マイリン(MAI LINH)」グエン氏の意見も同じでした。
 夕食のためホテルへ迎えに来てくれて、海鮮レストランへ向かうときも、一生懸命、「マイリン」を探していた。そして、マイリンをつかまえたとき、協力してくれた、ホテルのベルボーイ達と、肩をたたき合って喜んでいた。大会社の社長がですよ!この、人柄が会社急成長の理由か?!
 「緑の太陽」の社長に、タクシーをつかまえさせる日本人…そう多くはないでしょう。また自慢が増えましたなあ。この自慢、10年後には、「絶対に嘘だ」と、言われるでしょう。なぜだって?「トヨタの豊田章男社長が、私にタクシーをひろってくれたよ」と、言ったら信じてくれますか?

グエン氏、「ベトナムの町は、一年不在にしていると道が解らなくなる」と。それほどめまぐるしい発展を続けています。高層ビルも建築ラッシュでした。