ブータンでマグニチュード6.1地震があった。がけ崩れが発生、寺院や住宅が倒壊するなどの被害が出て、数十人が死傷した。
M6.1で、家屋倒壊…家屋は石を積んだものが主体でしょう。犠牲者が数十人と聴いたとき、「?」と、思いました。少なくて不満だ、ということではありません。被害と、幸福度と関係があるのかなと考えたからです。どう考えても、地震の被害と、幸福度は相関がなさそう。このことのほうがむしろ不満かな。
地震があったブータンは、GNH(国民幸福度=Gross National Happiness)で一躍有名になった国。
「人間は物質的な富だけでは幸福にはなれない。充足感も満足感も得られない。経済発展と近代化は、人々の生活の質および伝統的価値を犠牲にするものであってはならない」
つまり、「お金やモノが豊かだから幸福ということではないよ。生活の質、伝統的価値は、経済発展や、近代化より大切なものだよ」…極言すれば、「精神生活(物質的なものより精神的なものに人生の意義や価値を認める生活)」 私がブータンをうらやましく思う理由は、このような考え方の国だから。
ブータン唯一の大学で教鞭を執る、ワンチュクさんからの情報をもとにブータンの現状(と、いってもほんの一部分にすぎないのですが)を…ワンチュクさんを仮名にしなくてもいいのかって?大丈夫、ワンチュクはブータンでもっともポピュラーな姓ですから。ベトナムなら、グエンさん。北朝鮮なら金さん…に相当しますね。
人口は、70万人に満たない。
公用語は、「ゾンカ語」と「英語」。私の考えとしては、まもなく、英語がブータンの第一言語になるはず。なぜなら…例えば、「おはよう」をゾンカ語で書くと、頑張っても40秒かかる。英語なら、6秒で書けます。(それでも、ゾンカ語のワープロがあるというところが驚きなのですが…電気が普及していない国なのに)
ブータンの首都であり、最大都市である、「ティンプー」にも交通信号は、ないらしい(なぜ、「…らしい」と書いたか?信号が、一箇所できたという話を聞きましたが、ワンチュクさんには未確認なもので)。それもそのはず、休電の時間帯が長いので交通信号を設置したところで開店休業。休電のほか停電が頻繁なので、交通信号があることによる混乱が起こりそう。もっとも、混乱するほど車は走っていないそうですがね。都市部でも、電気は暗くなってからの3時間のみ通すというところが普通。これが、幸福か?日本人の多くは、「そりゃあ不幸だべ!」と言うと思いますが…。夜間頻尿者の場合(スミマセン、私のことです)、手探りでトイレへ行かなければなりません。落ちたらおしっこまみれです…。
ブータンの男子は、丹前(たんぜん)のような民族衣装を着ています。「丹前」を知っている日本人は…ゴーゴーと、音を立てて減っています。ブータンでは、「ゴ」と呼ばれています。
「あ!だから着物のことを、呉服(ゴフク)というのか!丹前も着物の一種だから」と、考えた人は、探求心・好奇心旺盛な人で素晴らしいです。しかし、BUT!ブータンの男子の民族衣装「ゴ」と、「呉」は違うようです。「ゴ」はチベットの影響を受けたもの。呉服は、呉の時代の繊維に由来する。女子の民族衣装は、「キラ」。「キラ」は、インドのサリーと同じようなもの。ブータン王国では、民族衣装の着用が法律で義務付けられていました(現在も義務かどうか…未確認。多分今も義務)。民族衣装着用の義務が幸福か?日本人の多くは、「服装は個人の自由だべ。義務で和服を着せられちゃあかなわない」と、言うと思いますが…。
ブータンは原則として、「団体の観光客以外は入国させない」。鎖国状態政策、これって幸福か?日本の場合、外国人による犯罪が、非常に深刻な問題になっています。不幸ですよ、間違いなく。
小学校から、「英語」を教える。年配者を除き、実にきれいな英語を話す。英語圏の植民地になったことがあるんじゃないかって?そんな歴史はありません。鎖国状態にしているが、「英語」はしっかり学ばせる。これって幸福?繰り返しになりますが、ゾンカ語は、世界で一番やっかい(難しいではなく、やっかい)な言語ではないかと思いますよ。文字の画数が膨大で、書くのがやっかい。
カンボジアのアンコールワットで観光客になにやら執拗に売ろうとする幼い子たち、ホーチミン市の靴磨きの子、宝くじ売りの子。ブータンでは、子供が物売りをすることはない。
ブータンの食文化は、トウガラシと乳製品に代表されます。そして驚くなかれ、納豆、どぶろく、焼酎、ソバ…あれあれ、日本と酷似。仏教国であり、漆器もある…漆器は英語で、「ジャパン(日本)」です。私がブータンに惹かれるのは、このブータン文化によるところも大きいのです。
日本の幸福度は…
2006年・・・90位(178カ国中)
2007年・・・43位( 97カ国中)
ブータンより、モノは豊富。交通信号も豊富。電気は点く。丹前を着なくても良い。黒船が来たので鎖国はやめた。英語が分からなくても逮捕されない。それなのに、幸福度は低い。政権が変わって、お金が(一部)国民に来るようになると幸福度が上がるかな?お金をバラ撒かれても幸福にはなるとは思えませんがね。
「カンボジアには希望がないのでは…」希望の有る無しと、幸福か不幸かは別の問題。アンコールワットに、キティちゃんが付いた朽ち果てる寸前のサンダルを履いていた物売りの少女がおりました。彼女は、「私は、なんて不幸なんだ」と、思っているか?「私は、幸福だ」と思っているか?
もっとも、「キティちゃんサンダル少女」の場合、幸福も不幸もな~んも関係なく、今日を生きているとは思うのですが。それが幸福なのかも?
M6.1で、家屋倒壊…家屋は石を積んだものが主体でしょう。犠牲者が数十人と聴いたとき、「?」と、思いました。少なくて不満だ、ということではありません。被害と、幸福度と関係があるのかなと考えたからです。どう考えても、地震の被害と、幸福度は相関がなさそう。このことのほうがむしろ不満かな。
地震があったブータンは、GNH(国民幸福度=Gross National Happiness)で一躍有名になった国。
「人間は物質的な富だけでは幸福にはなれない。充足感も満足感も得られない。経済発展と近代化は、人々の生活の質および伝統的価値を犠牲にするものであってはならない」
つまり、「お金やモノが豊かだから幸福ということではないよ。生活の質、伝統的価値は、経済発展や、近代化より大切なものだよ」…極言すれば、「精神生活(物質的なものより精神的なものに人生の意義や価値を認める生活)」 私がブータンをうらやましく思う理由は、このような考え方の国だから。
ブータン唯一の大学で教鞭を執る、ワンチュクさんからの情報をもとにブータンの現状(と、いってもほんの一部分にすぎないのですが)を…ワンチュクさんを仮名にしなくてもいいのかって?大丈夫、ワンチュクはブータンでもっともポピュラーな姓ですから。ベトナムなら、グエンさん。北朝鮮なら金さん…に相当しますね。
人口は、70万人に満たない。
公用語は、「ゾンカ語」と「英語」。私の考えとしては、まもなく、英語がブータンの第一言語になるはず。なぜなら…例えば、「おはよう」をゾンカ語で書くと、頑張っても40秒かかる。英語なら、6秒で書けます。(それでも、ゾンカ語のワープロがあるというところが驚きなのですが…電気が普及していない国なのに)
ブータンの首都であり、最大都市である、「ティンプー」にも交通信号は、ないらしい(なぜ、「…らしい」と書いたか?信号が、一箇所できたという話を聞きましたが、ワンチュクさんには未確認なもので)。それもそのはず、休電の時間帯が長いので交通信号を設置したところで開店休業。休電のほか停電が頻繁なので、交通信号があることによる混乱が起こりそう。もっとも、混乱するほど車は走っていないそうですがね。都市部でも、電気は暗くなってからの3時間のみ通すというところが普通。これが、幸福か?日本人の多くは、「そりゃあ不幸だべ!」と言うと思いますが…。夜間頻尿者の場合(スミマセン、私のことです)、手探りでトイレへ行かなければなりません。落ちたらおしっこまみれです…。
ブータンの男子は、丹前(たんぜん)のような民族衣装を着ています。「丹前」を知っている日本人は…ゴーゴーと、音を立てて減っています。ブータンでは、「ゴ」と呼ばれています。
「あ!だから着物のことを、呉服(ゴフク)というのか!丹前も着物の一種だから」と、考えた人は、探求心・好奇心旺盛な人で素晴らしいです。しかし、BUT!ブータンの男子の民族衣装「ゴ」と、「呉」は違うようです。「ゴ」はチベットの影響を受けたもの。呉服は、呉の時代の繊維に由来する。女子の民族衣装は、「キラ」。「キラ」は、インドのサリーと同じようなもの。ブータン王国では、民族衣装の着用が法律で義務付けられていました(現在も義務かどうか…未確認。多分今も義務)。民族衣装着用の義務が幸福か?日本人の多くは、「服装は個人の自由だべ。義務で和服を着せられちゃあかなわない」と、言うと思いますが…。
ブータンは原則として、「団体の観光客以外は入国させない」。鎖国状態政策、これって幸福か?日本の場合、外国人による犯罪が、非常に深刻な問題になっています。不幸ですよ、間違いなく。
小学校から、「英語」を教える。年配者を除き、実にきれいな英語を話す。英語圏の植民地になったことがあるんじゃないかって?そんな歴史はありません。鎖国状態にしているが、「英語」はしっかり学ばせる。これって幸福?繰り返しになりますが、ゾンカ語は、世界で一番やっかい(難しいではなく、やっかい)な言語ではないかと思いますよ。文字の画数が膨大で、書くのがやっかい。
カンボジアのアンコールワットで観光客になにやら執拗に売ろうとする幼い子たち、ホーチミン市の靴磨きの子、宝くじ売りの子。ブータンでは、子供が物売りをすることはない。
ブータンの食文化は、トウガラシと乳製品に代表されます。そして驚くなかれ、納豆、どぶろく、焼酎、ソバ…あれあれ、日本と酷似。仏教国であり、漆器もある…漆器は英語で、「ジャパン(日本)」です。私がブータンに惹かれるのは、このブータン文化によるところも大きいのです。
日本の幸福度は…
2006年・・・90位(178カ国中)
2007年・・・43位( 97カ国中)
ブータンより、モノは豊富。交通信号も豊富。電気は点く。丹前を着なくても良い。黒船が来たので鎖国はやめた。英語が分からなくても逮捕されない。それなのに、幸福度は低い。政権が変わって、お金が(一部)国民に来るようになると幸福度が上がるかな?お金をバラ撒かれても幸福にはなるとは思えませんがね。
「カンボジアには希望がないのでは…」希望の有る無しと、幸福か不幸かは別の問題。アンコールワットに、キティちゃんが付いた朽ち果てる寸前のサンダルを履いていた物売りの少女がおりました。彼女は、「私は、なんて不幸なんだ」と、思っているか?「私は、幸福だ」と思っているか?
もっとも、「キティちゃんサンダル少女」の場合、幸福も不幸もな~んも関係なく、今日を生きているとは思うのですが。それが幸福なのかも?