アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

全く根拠がないのに、「正常性バイアス」がはたらくという危険

2012年12月23日 | Weblog
「のど元過ぎれば熱さを忘れる」…やはりこの諺は健在でした。

 忘年会の最中にけたたましい非常ベルが!30数人の参会者の誰しもが動こうともしませんでした。ワイワイガヤガヤ…話に熱中。毎日顔を合わせているのに、忘年会でもまだ他愛ない話を。いくら騒々しくても、非常ベルは聞こえたはず。かく言う私は、ほかの人がどういう動きをするかを注目しておりまして…自ら避難行動を起こしませんでした。煙が見えたら、窓から飛び出せばいいわけで…2時間飲み放題なので、避難すると飲み放題の時間を損してしまいます。
 案の定、「スミマセーン、今の非常ベル間違いでしたぁ!」と。どういう経緯で鳴ったのかの説明?そんな説明、あってもだーれも聞いちゃいない。

 12月7日の地震の時…「津波警報が出ました。急いで逃げてください。命を守るため、急いで逃げてください。東日本大震災を思い出してください。逃げてください!」 …NHKが必死で呼び掛けてくれました。東日本大震災で被害に遭った経験者は、すぐに避難したでしょう。
 NHKは、「命を守るために一刻も早く逃げてください」などの文言を新設したほか、従来の、人を落ち着かせようとする口調はやめた。呼びかける文言は、命令調や断定調に変えた…良いと思いました。私は津波が及ばないと思われる内陸に住んでいるので、避難行動は起こしませんでしたが、放送を聴いていて緊張しましたよ。

 7日には津波の被害はありませんでした。忘年会でも何の非常ベルか分からないまま…全く被害がなかった。と、いうか…非常ベル自体が間違い…。

地震は、ほぼ毎日。…もう慣れっこになってしまっています。
 これが良くないバイアスで…。オオカミ少年。「警報?大丈夫、何も起こらないよ」という、偏見、先入観がつくられる。つまり、「正常性バイアス」と「同調バイアス」が作られてしまう。
 その結果、非常事態が起きても、過小評価して「きっと大丈夫」と思い込む。なんの根拠もないのに。せっかく「想定外は、ない」という世論になっているのに…。
 そしてまた「想定」が作られ、「想定外」という言葉が使われることになるのかも知れません。

 注意報、警報、非常ベルには即座に反応して避難行動を!…「次の忘年会で非常ベルが鳴ったら、私一人でも、外へ飛び出すぞ!」…今はこう思ってはいますが…多数派の行動に合わせてしまいますねきっと…。これが危険な心理とは解っていますが。