アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

蛍の光トイレの明かり

2020年11月28日 | Weblog
 入院の同室に、高校2年生が部屋替えで入ってきました。退院するとすぐに試験があるのだそうで、病室でも懸命に勉強していました。ルックスは、どこから見ても「のび太くん」。ところがこの「のび太くん」、立ち上がると身長180cmを超える。良く伸びたもんです。「ドラえもん」の「のび太くん」との身長のアンバランスさに慣れるまで、数日を要しましたよ。高2の「のび太くん」学業成績は上位らしく、「数学さえやっておけば、あとは大丈夫」とか。ドラえもんの力を借りなくてもいいらしい。
 ベッドサイドテーブルの上には、「数ⅡB」の教科書が。思わず、開けて見たくなりました。「数ⅡB」の教科書…懐かしかったです。このように、入院中もしっかり勉強する高校生がいる。いいぞ日本!

 比較しちゃ悪いが、同室に同じく高校2年生の子が。バスケットボール部。入院に際し、教科書は持ってきていない。髪は、金髪を刈り上げている。見る度、寝ている。部屋頭(へやがしら)の私に、挨拶もしない。こんな高校生もいるのです。これじゃダメだろう、日本!

 病棟の消灯時刻は、午後9時。消灯後も、トイレの照明は点けっぱなし。私の苦悩は、この消灯後から始まるのでありまして、90分~120分ごとにトイレに起きる夜も。
 午後9時半頃、トイレへ行ったのですが、怪しい動きをしている人を発見。「のぞき」ではない様子。手には、なんと参考書を持っている!私は、全てを理解しました。消灯の病室を抜け出し、明かりがついているトイレへ来て、参考書を暗記しようとしていた。学年は、不明ですが高校生。
 私は、にこやかに教えてあげました。「デイルームは、消灯後も23時まで使えますよ。音量を抑えれば、テレビもOKだよ」
 参考書の高校生は、「ありがとうございます」と、挨拶してくれました。きちんとした高校生は、挨拶がしっかりできるんだよねえーっ!

 翌朝、彼に会いました。満面の笑みで、「おはようございます!牢名主様」と。牢名主様はぁ…言ってなかったかもしれません。
 夜間も点灯しているトイレから漏れてくる明かりで、勉強しようとする高校生がいる。いいぞ日本!
 ♪蛍の光 トイレの明かりぃー♪(字余り)