アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ブータンは同胞でしょっ

2020年04月03日 | Weblog
 国別軍事力ランキング最新版(2020年版)。第1位から、第138位まで載っています。軍事力が皆無に近いランキング最下位の第138位が、ブータン。いいぞ、ブータン!軍事力がなくても、国民が、「幸福」であればよいのです。
 「ブータンには軍隊はないのか」って?まあ、あるにはあります。
 「警察官が、1,000人。国王の護衛が2,000人。国王軍が7,000人。合計1万人程」これらが、まあ、軍隊と言えるかも。海軍は、ないのかって?あ、あのね、ヒマラヤの麓ですよ。ブータンには海は、ないのっ!

 ブータンを旅したことがある日本人は、少ないと思います。鎖国状態の国でしたし、観光客を受け入れ始めてからも、厳しく人数制限をしていますから。私がブータンへ行った9年前は、「日本人の枠は、年間3,500人」とのことでした。あくまで、「枠」であって、年間3,500人の日本人がブータンを訪れているということではありません。

 で、国民の殆どが「幸福」というブータンですから、この度発表されたばかりの世界幸福度報告書(World Happiness Report)」2020年版では、何位になっているかな?と、楽しみにしながらランキングを眺めていました。なぬ?「ランキングが好きなんだなぁ!」って?私は、「日本野次馬ランキング」では、上位1%に入るであろう、「筋金入りの野次馬」ですから、ランキングには目がないのです。

 フィンランドが3年連続で世界で最も幸福な国になった…。ブータンは、3年前から1位の座をフィンランドに譲ったんだなぁ。と、不承不承納得し、…2位、3位をみてみるとぉ、あれあれっ!北欧諸国とスイス、ニュージーランド、オーストラリア、ルクセンブルク・・・とあり、ブータンが出てこない?

 62位に日本。日本って、幸福度が低いんだねえ!私は、「自分は、幸福だ」と、思っていますがね。…まだ、ブータンは出てこない。そして、最下位156位まで見たのですが、ブータンは出てきませんでした。世界幸福度ランキング2020で、上位156の国や地域に入らなかった?
 なぬ?英文で202ページにわたる、「World Happiness Report 2020」だから、見逃しているんじゃないかって?私もそう思って、4度も見直しましたよ。しかし、「Bhutan(ブータン)」を見つけることが出来ませんでした。
 最下位争いの、アフガニスタン、南スーダン、ジンバブエだって、156位以内なのに。武力紛争や極度の貧困に苦しめられている国々よりも幸福度が低い国ブータン・・・!一体何が起こっているのかっ?

 国民の殆どが「幸福」と感じているブータンが、ランキング外。どういうことなのであろうか?

 国連(UN)は、どのような評価基準で幸福度を計っているのか…
 1 1人あたりのGDP…これは、ブータンにとっては逆風かも
 2 困った時に頼れる人がいるか(ソーシャルサポート)…これは大丈夫
 3 健康寿命…う~ん、寿命となると結構短いのかなあ。
 4 人生に選択肢があるか(選択の自由度)…これは、ないかも
 5 寛容さ(過去1か月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるか)…寛  容だとは思うが、「寄付」はぁ…ないかも知れません。
 6 腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延してい  ないか)…これって、どう評価するのかねえ?ブータンに、腐敗の蔓延などな  いですから!
 これらの評価基準なら上位は無理でも、中ぐらいには入ると思うが。入っていないのだからしょうがない。

 で、思い出しましたよ。世界幸福度ではなく、国民総幸福量(GNH)。これなら、ブータンは世界一。国民からの尊敬と人気と注目を常に集め続けている「国王」という絶対的リーダーの下、「医療や教育が無償で平等に提供されている」という福祉の手厚さ、そして信仰心。裸で生まれてきたのに、衣食住に困らない。こんな幸福なことがあろうかってことなんですね。
 私は、「世界幸福度」と、「世界幸福量」を混同しておりました。と、いうか、同じものだと。

 なぜか我が家に3冊もある「広辞苑」で、「幸せ」を調べると…載ってないのです!?「幸せ」は載ってませんが、「仕合わせ」が、載ってます。「仕合わせ」の③に(「幸せ」とも書く)幸福とありました。
 どうして、わざわざ広辞苑かって?広辞苑の説明に、「幸せ=ブータン人のこと」と、書かれているかと思ってさ。期待したけど、「幸せ」そのものの項目がなかった。
 なぜそこまでブータンに肩入れをするのかって?ブータンの公用語は、ゾンカ語と英語。学校教育は、英語。ゾンカ語は、年配の方が使っておられる。いずれ消えてゆく言語ですね。
 ゾンカ語の数字の発音…「1→チィ、2→ニュィ、3→スム、4→ジィ…(中略)…11→チュウチィ、12→チュウニィ、13→チュスム、14→チュウジ…」嬉しくなります。これって、日本語でしょ!これを見つけ出したアンティークマンって、自分で言っちゃいますが、「偉いっ!」。
 このことを知った野次馬度が高い日本人は、間違いなくブータンの信奉者になるはずです。そして、私のように、いても立ってもおられず、ブータンへ出かける。
 ブータンへ行くと、自分の国にいるような、穏やかぁーな気持ちになります。ブータン人は、同胞ですよ。