アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「カンニングOK」の入試がいいのでは?!

2012年03月03日 | Weblog
 大学入試もおわりに近づいております。
 まだ1年前のことなのに、すっかり埃をかぶってしまい忘れられそうなのが、大学入試問題ネット投稿事件。京大や早稲田大学などの入試問題をaicezukiさんが携帯端末を使って流出させた事件。
 結局、事件自体は曖昧な終結。残ったのは、「カンニング体策の強化」でした。各大学は不正対策に神経をとがらせたようです。
 妨害電波による通信遮断…そんなこと出来るのか?出来ませんよ。結局は監督者の増員しかなかった。京大も、「増員で対応した」と、言ってました。
 
 カンニング…不正行為というぐらいだから、良くない…だけど…過剰、異常とも思われるカンニング対策の報道を見聞きするにつけ、「カンニング対策より、窃盗、傷害、殺人の犯人を捕まえろよ!」と、言いたいです。えっ!カンニングは刑法に触れないから、一緒にするなって?
 だ、だとしたら、よけいに過剰な防止対策とるなよっ!「どんなカンニング方法でも、OK!」とした方が優秀な学生を獲得することが出来るんじゃないのか!?
 
 浅田次郎さんの、「蒼穹の昴」…貧家の子、李春雲(春児)は糞拾いによって生計を立てていた。貧しい家族のために自ら浄身し、宦官となった。宦官になるつまり…そのぅ…手術…これが生きるか死ぬか。最近、性転換した「もと男で、今は女」のタレントがバラエティー番組に出ているが…「大変だったろうなあ」と、思いますよ。
 おっと、逸れました。宦官になった春児は、西太后の下に出仕。
 春児の義兄の梁文秀(史了)は、科挙を首席(状元)で合格し…
 この「科挙」がいかに大変なものであったか、このあたり、ドライで知られる私ですら、どんどん引き込まれていきましたねぇ。浅田次郎さん、さすがだなと思いました。

 「蒼穹の昴」は、清朝末期の話。小説とはいえ、「科挙」の厳しさを推し量ることが出来ます。その時代の1000年近くも前から、「科挙」はありました。もっと前からあったのでしょうが、「宋代」を持ち出す呼び水なので、1000年も前としました。

 「宋代」の「科挙」…カンニングの監視に兵士が巡回していたという。兵士たちは、カンニングを見つけると、報奨金をいただけるので、それはそれは厳しく取り締まったという。冤罪の受験者もさぞ多かったでしょう。
 カンニングをした受験生は、大勢の兵士に取り囲こまれ、大声の罵倒の中を連行された。科挙合格の夢を断たれ、罵倒という辱めを受け…立ち直れませんよ。

 もっとも、当時はカンニングが大流行だったのだそう。「カンペ」ではぜんぜん間に合わないので、「カンニング用の豆本」が作られ、受験生がそれを試験会場へ持ち込んだ。で、大勢の兵士が監視に当たらなければならなかった。大勢の兵士ということは、…軍隊!
 日本の大学も、自衛隊の出動を要請すればいいのに。えっ!防衛大臣が許さないだろうって?う~ん、コーヒーを飲みに行ったスキに出動すれば大丈夫!

昨年の事件での京大の学内調査・検証委の結論は、「受験者の良心・倫理観に期待することを基本」にすべし。素晴らしい結論です。
 基本があれば、応用もあるわけで…この際、次のような応用ではいかが…?
 「受験会場においては、他の受検者の迷惑にならない範囲でどのような機器・書物を使って解答しても良い。機器・書物の数も他の受検者に迷惑がかからない程度。それこそが、生きる力。なお、視力に頼るのも可とする」