吉野の山中で「道がイノシシに崩されて困っている」と相談されたとき、私は、土中の通気透水を改善するために、道の脇をスコップで掘る簡単な造作を施しました。すると、毎月崩されていたその道が、半年後に訪れるとまったく崩れていなかったのです。私は、イノシシが「ここはOK」の合格サインをくれたのだと思いました。彼らは、いなくなったわけではなく、その近くの谷で水脈の詰まったところを、また一生懸命に掘っていました。イノシシが土を掘るのは、ミミズを掘り出す目的だという人もいますが、目的がなければ行為がないというのは人間本意なものの見方であり、私は懐疑的です。土中で呼吸不全を起こしているような場所の「気持ち悪さ」を解消しようと、本能的に掘っているのだと考えても不思議ではないでしょう。
そのとき、彼らはやみくもに掘ったりはせず、木の実生(種から発芽した芽)があればよけています。環境の豊かさを守る行動をしているのです。
シカはたくさんいるのに荒らされなくなったわけ
この3年ほど、森の環境改善を行なっている山梨県のある山では、持ち主の方が動物の侵入を恐れ、広大な敷地を何百メートルもの柵で囲っていました。私は、それを10メートルおきに切って柵を開けることにしました。本来、通気透水性が高いはずの等高線上に柵を立てることで、気の流れが遮断されているのを感じたからです。さらに、シカが通り抜けれるよう、簡単な道もつくりました。
すると、森の環境改善が進むとともに、木々がシカにかじられる被害がなくなっていきました。シカは変わらずたくさんいるにもかかわらず、荒らされなくなっていったのです。
転載おわり
(自然栽培vol.20 より
高田造園設計事務所代表・高田宏臣さんの文より一部転載しました。)
現在休刊中なのが残念な自然栽培ですが
高田さんの文は自然と動物の別の視点を
提示してくれます。
自然は元に戻ろうとする
その手下?に動物がいたとしても
なんらおかしなことではないと思います。
ここ数日前から
我家の畑にお猿さんが来ています。
一匹猿さん。
母上のじゃがいもやられました。
草のない丸裸の土の上にじゃがいもの葉っぱ。
明らかに不自然な環境です。
もちろん食べるためもあるかもですが
不自然すぎてかえって目立ちます。
まるでここだよ〜っていう感じで生えてる(笑)
人間視点からの動物の解釈ではなく
動物視点からの行動をみてみないことには
本当の理解と対策は立てれないのでは?
と感じている今日この頃です。
害獣と決めつけるのは
すべて人間都合です。
動物たちにとっては
私たち人間が害獣になるでしょう。
申し訳ないです。