アウェイにお泊まりで出かけた時のお楽しみの1つに、新聞の地方紙で相手目線で書かれたゲームの記事を読むってことがあります。新潟で言うなら「新潟日報」的な新聞が、どの地方にもありますからね。宿泊したホテルで朝のバイキングをいただいた後に、フロントのところに置いてある「ご自由にお持ちください」ってコーナーから部屋に持っていって読むんですよ。
負けた時には「くそ~!言いたこと言いやがって!」って憤りながらね。でも最高なのはアルビレックスが勝った時です。「どれどれ。アルビのアウェイでの勝利は、相手の地元でどんな記事になっているのかな?」って見る幸福感。たまらない瞬間です。
はい。こちらが6月30日(日)の鹿児島の地方紙、南日本新聞の朝刊です。
「速攻許し逆転負け」「ミス重ね術中はまる」などの見出しの中に、「枝本、先制ゴールを演出」なんていう「さすが南日本新聞」的な見出しも混じります。この記事を鹿児島のホテルでご覧になってニヤニヤしていたアルビサポは、ボクらだけでなく大勢いらっしゃったのではないでしょうか?
ただね。今回ボクが話題にしたいのはこの記事ではないのですよ。この翌日、7月1日(月)の南日本新聞のスポーツ欄の記事なんです。鹿児島での2泊目の朝(豪雨で知覧と指宿には行けなかったけど)ボクらが偶然目にした記事がこれです。
「久永辰徳の目」っていうサッカーコラムです。新潟日報で言うなら、「えのきどいちろうコラム:新潟レッツゴー」か「ウッチー&クロの分析コラム:オレンジスタイル」みたいな感じかな。ちなみに久永辰徳さんっていうのは、鹿児島実業で全国制覇をした地元出身のMFで、アビスパ福岡、横浜Fマリノス、大宮アルディージャなどで活躍された現サッカー解説者だそうです。
その久永さんの記事の中から少し抜粋しますね。
●大人と子供のようなサッカーの差を感じた。
●サッカーを大好きな子供にボールを好きなだけ持たせてあげる。しかし、やらせてはいけないところでは大人がしっかりと止め、奪ったボールを素早く前線のブラジル籍選手へ…。この試合幾度となく高速カウンターを受け、決定機を与えてしまう。
●新潟はJ1、J2と経験豊富でJリーグクラブとしても歴史があり、年間運営予算もJ1クラスだ。もはやピッチの中の話だけではとどまらない試合と感じたのでこのように書いてみた。(中略)
●勝ち点の奪い方も対照的だ。新潟のように外国籍選手のフィジカルでスピード感を演出して勝つのか、鹿児島Uのようにボールを自在に動かしテクニックや戦術で観客を魅了して勝ちに結びつけるのか?鹿児島のサッカーファンにはどのように映っているのだろうか。
「へぇ~。新潟って他のチームからはこういう風に見られているのか!」ってつくづく思い知らされました。まぁ「子供のひたむきさや純粋さを忘れちゃいけないよね」って気持ちももちろんあります。「そうか?」って内容もあったけど、この文章を読んでいろいろ考えさせられましたね。大人のサッカーはいいけど、年寄り臭いサッカーはダメだぞ…とかね。
久永さんのコラムは次のように結ばれています。
●サッカーを鹿児島の文化とするためには…と考えさせられる敗戦に感じた。現時点で鹿児島UはJ2ではまだまだ子供だ。次節は大人への成長として一歩踏み出せるように気持ちを切り替えて欲しい。頑張れ!鹿児島ユナイテッド。
なんか、いいですね。南日本新聞という地方紙で鹿児島ユナイテッドを応援する文化があり、新潟日報という地方紙でアルビレックス新潟を支える文化がある。全国各地の地方都市で、こんなふうに「おらがチーム」「おいどんのチーム」を応援し支える文化が確かに根付いてきているってことに、Jリーグ100年構想の偉大さを感じます。
鹿児島に2泊したおかげで、いいものを見ることができました。ありがとうございました。それにしても、是永、吉永、そして久永って、サッカー関係者には「○永」って姓が多いのかな?
さぁ大宮戦です。リーグ戦連勝で、上位との差を縮めましょうぜ!頑張れ!アルビレックス!