おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

村長さんに救われる の続き

2021年08月09日 | 不思議な音の国
もう5カ月くらい、限界かな‥と思っている生徒さんがいます。

小学1年生。

以前はお母様にレッスン室に一緒に入って頂いておりました。
しかし、昨年6月より楽器店が基本的に生徒さんと講師のみでレッスンを行う、としたことを受け一人でレッスンを受けています。


そのこと自体は、他の生徒さんもそうしているので大きな問題ではないのです。
(現在でも就学前の生徒さんの多くは保護者の方と一緒にレッスンを受けています)


ところがこの生徒さん、送り迎えがお父様になりました。

レッスン後に、レッスン内容や宿題のことをお話しても、よくわからないといった雰囲気でした。

その内、「自分でやってね、一人でやってね」と仰るようになりました。



あー・・・


これは続かない・・



この言葉は小さなお子さんには禁句です。
練習の責任を一人で背負うことになり、間違えて弾いていくと全て一人の責任になります。


音やリズムの間違いは誰にでもあります。
私にとっては初級の内はそれは大して問題に思っていないのですが、間違いを直されると子供は自分が悪い、といった気持ちになります。


保護者の方と一緒にレッスンを受けているお子さんは、間違えて譜読みすると「ママがそう言った!」とよく抗議します 
保護者の方の立場をフォローしなければならず、これはこれでまた大変ですが、子供の「自分はちゃんとやった」というアピールにはなります。


話は逸れますが、今年4歳の生徒さんが4分、2分、全音符の名前と長さをしっかり覚えてきたので、お母様が一緒にして下さったのかと思いましたら、全く手伝っていない、と。

その生徒さん、「だれもおしえてくれないから、ひとりでおぼえた」と言っていました。

強い

これは、普段一緒に練習してくれるのに、新しいリズムは一緒に覚えようとしてくれないので本人が自分でやるしかない、と思ったのです。きっと。


話を戻しますが、一人でやってしっかり覚えられる、出来る場合は良いですが、そうではなく、しかも練習もひとりぼっちとなると、言い分けの術もないのです。

その生徒さんは、元々が言い分けをするタイプではないお子さんでもあります。

春頃、お父様に「一緒に音を読む練習をしてあげてください」、とお願いした時に少しひきつった表情をされたので、「お母様が一緒にしてあげるとか」と言いましたら、ホッとした表情をされていました。

これはお父様に何かをお願いするのは無理だ、と思いました。

しかし、その後も上手くいかず、「練習でひとりぼっちになるのが寂しいと思うので、教えなくて大丈夫なので、5分で良いのでそばで聞いてあげてください」とお願いしました。

結局、それも叶いませんでした。

このくらい練習して下さい、とお願いすることは私にとっては最終手段です。
練習で曲の最後まで弾かなくても良いですからと、例えば、月曜日火曜日はここまで、水曜日木曜日はここまで、と区切って例を提案しました。

この方法で1週間毎日やっても、1曲を通して弾くところまで行かない区切り方でした。
毎日やってもこうなのだ、と知って頂く意図もありました。

練習は5分で良いですから、まずは週に4日の練習を目指して下さい、と頼みました。

カレンダーも渡しました。
最初の週は3日練習していました。しかしその後は、カレンダーを持ってくることはなくなりました。


弾けていないので、毎回レッスン室に入るのが苦痛になってきている様子でした。
レッスン室の外でまごまごしている様子が窺えました。


レッスンで何とか自信をつけてもらおうと思っても、復習ができていないので同じことの繰り返しが続きました。

ご自宅にはシンセサイザーがあります。以前、電子ピアノでも良いのでご購入の予定があるか聞きましたら、きっぱりと「ありません」と言われました。

楽器に関しては期待できません。ただ、習い事で得られるものがあるはずです。
そのためには、小さいうちは保護者の方のお力がどうしても必要だと感じます。10歳まではお付き合いいただきたい。


この生徒さんには、自信を無くさないこと、が私のレッスンの目標になりました。
自信をつける前の段階です。

元々できなくもないし、わからなくもないお子さんです。

しかし、レッスンが進んでくると復習が必須です。そこができないのであれば、気持ちが落ち込んでしまうことをレッスンでしないこと。但し、むやみに励ましてもこの生徒さんの性格には合いません。


今回も長くなりました。


―またしても続くー
コメント
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