おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

されど挿絵

2020年03月09日 | 楽譜の話題
ロシアのこちらの楽譜。


色彩豊かに丁寧に描かれた挿絵がたくさんあります。
どれも曲のイメージや情景にマッチしていて、なんとなく載せた絵というものはありません。

この中に3の指だけで弾ける曲があります。
こちらの曲、

リストのハンガリー狂詩曲第2番です。

このリズム、子供たちが弾くと必ずと言ってよいほど16分音符と8分音符の間がくっつくか重くなります。

16分音符の後の8分音符がどうしても重たくなり、リズミカルに弾けない生徒がおりました。
初参加の発表会でこの曲を弾くのでボタボタ感をどうにかしたいと思いましたが、聴いただけでは直すことがまだ出来ません。

「ん~、どうしたら通じるか」と思いながら挿絵をよ~く見ると、ちゃんと意味のある絵が描かれているではありませんか。

男の子が水たまりに足をバチャっと突っ込んで、驚いた動物たちが慌てて逃げています。

この曲は結構使っているのに、絵の内容に今頃気付きました

そこで、「男の子が水たまりに足をバチャってやってるね。水が飛んできて、ガチョウもスズメも、むこうのネコ?これキツネ?もみんな逃げてるよ」

いじわる?と言うので、「こういう遊び、水バチャっとかけて遊んでるの」

「水たまりに足バチャっとやるみたいに弾いてみて」と言うと、なんとリズミカルに弾けるではありませんか!

しかし弾いている内に効力がなくなり、またボタッとしてきました。
「水たまりに足、ズボズボって入れてるみたいだよ。それじゃみんなキャーって逃げないよ」

すると再びリズミカルに弾くではありませんか!
しかも最後までカッコよく弾けました。お母様、思わず拍手。

この絵ひとつで、全く違う演奏ができるのです。
子供のレッスンでは話だけでは通じないことがたくさんあります。このような絵があると本当に助かります。しかもこの教本の絵は私の想像をはるかに上回る世界が描かれています。

残念ながら、現在はこの楽譜は入手できなくなっているようです。
昨年までは入手出来ていたのですが・・

迷惑になる水バチャはいけませんよ。想像の世界のお話。


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