おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

シンプル化

2024年06月08日 | レッスン

今日、大人の生徒さんに話したこと。

管楽器や声楽は自分の息で音を出す、ピアノは重さで音を出す。

ピアノという楽器の困った所は、管楽器・弦楽器・声楽と違って自分自身で音を出す止めるが出来ない。

ピアノはメカニカルに出来ていて、自分が中に入って何かすることが出来ず、中で勝手に動いてくれるものに任せるしかない。

でも、そのまま中のものに任せていたら機械的で素っ気ない音になる。だから少しでもそれを和らげるために、鍵盤に重さを上手く載せて弾き、音が自然に消えるように手首から鍵盤を離す。

それがピアノの基本の弾き方です。

と話しました。


シンプルに整理するとそういうことだと思います。
音楽的にしようと思い、音を作り出す方法をあれこれ言いますが、基本はこの2つだけです。

重さを使って音を出し、自然に音が消えるように手首を使う。

力で音を出すと勘違いしている日本人は非常に多く、それをどの程度使うかは演奏者の考えにもよると思います。力の使い方、出し方はあると思います。力任せにガンガン弾くのは間違いであることは確かです。



今日は他の子どもの生徒さんのレッスンで、自分で言って「そういうことか」と今頃気付いたことがあります。

その生徒さんは3月からピアノを始めました。
実はピアノを習ったことがあるようですがそのことは知りませんでした。現在小学2年生。

習ったことのないテイで進めています。少なくとも弾き方は習っていません。

鍵盤の音の名前がまだ曖昧な所があるので、「ファソラシ・ワルツ」というものを上行下行ともに全ての音域でした後に、「かえるのうた」を音名で歌いながら弾きました。

3の指で弾いてと言いましたら、本人は他の指でも弾けると言いましたが、私は「3の指で弾くと手首が使えるから」と言いました。

と言って、そうか3の指で弾くと音を離すときに手首から離すことがしやすいんだ、と今頃思いました。


そう思っていたかもしれませんが、教えている内に私の頭の中も何か難し気な回路に陥っていたのか、芸術的思考に偏って行っていたのか、3の指が一番重さを載せやすく、離す時に手首を使い易い、という単純な理由を忘れていました。


ピアノという楽器がどのように音を出し、どうやって音を止めるか、それを教えることから始めるのが「不思議な音の国」の教本なのだと、シンプルにそれを最初に生徒や保護者の方にわかって頂ければ良いのだと思います。

他の楽器でしている当たり前のことをピアノでしたらこうなる、というだけの話です。


この方法でピアノを始めたら様々な技術を身に付けやすく、要らぬ苦労が減るはずです。
ただ、7年このメソッドで教えてきて、鍵盤に重さを預けることが苦手な人は存在すると思っています。力を抜くことが上手くできないのです。それは精神的なことが関係しているというのが私の考えです。


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