いかなる分野においても卓越した技術の習得には「10000時間以上の計画的練習」が必要なのだそうです。
フロリダ州立大学のエリクソン教授が調査した結果だそうです。
以前、中国人の生徒さんに中国では10000時間練習したら上級になれると言われている、と聞きました。
中級は2500時間、初級1000時間、と言っていたと思います。
エリクソン教授の10000時間というのはプロになるための時間です。
ピアノでしたら14歳でコンサートの曲目は一通り勉強している場合が多いので、5歳から始めたら毎日3時間、7歳でしたら毎日4時間は練習している計算です。
そうかもな、と思います。
10000時間は特別枠の人たちの話ですが、一般の人がそこそこの上達を目指すとしたら2000時間なのだそうです。
2000時間をいつまでに達成するかが問題です。
1日5分を約66年続けたら2000時間です。そこそこというのは、ピアノでしたら最低ソナチネアルバムやツェルニー30番まで進んでいることだと思います。
果たして、6歳から習い始めたとして72歳でそこまで達しても、そこからショパンのノクターンやドビュッシーの月の光、はたまた革命のエチュード、別れの曲が弾けるかと考えるとほぼ無理です。
もっと早い段階で2000時間に達していないと、趣味でもそれらの曲を弾くことは叶わないと思います。
では、いつまでに2000時間を達成するかというと、
「小学校高学年から中学生」なのだそうです。そうすると、どんな分野の習い事でも頭一つ抜き出た上級者になれるそうです。
初級で1000時間はもしかしたら多いかもしれませんが、1日1時間練習すると3年で終わります。この調子で中級も続けたら中学生の途中で上級になれます。
この上級がどの程度のものを言っているかはわかりませんが、ソナチネアルバム、ツェルニー30番、インヴェンションは目安になると思います。
ここまで進んでくれると、古典派の譜読みしやすいソナタを弾くこともできますし、何年か経つとショパンやドビュッシーも弾けると思います。
小学校卒業までに2000時間クリアを目指すには、小学1年生から始めたとして毎日54分の練習が必要です。
これは不可能ではないと思います。
これで行くと初級を3年で終えることも全く難しい話ではないです。
計算上はこうですが、親子関係や周りの環境で思うように進まないのも現実・・
しかし、教える立場としては無期限に2000時間は先の見通しは立てられないので、やはり中学が終わるまでに達成することを目標にしたいと思います。
そうしたら生徒さんが受験でレッスンを辞めたとしても、自分で好きな曲が弾けるはずです。