おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

テキストの絵

2019年01月07日 | 重力奏法
子供たちはテキストの絵を結構よく見ています。

私が初心者に使っているテキストは「不思議な音の国」です。
ウクライナ出身でアメリカ在住のイリーナ・ゴリン先生が作られたものです。

日本人が好むかわいいイラストはありません。
しかしテキストにはたくさんの絵があり、五線の中にまで描かれているものもあります。

この絵を子供たちはよく観察しているのです。

このシカは前のシカと違う顔だとか、歌とイラストの動物の絵が反対だとか、お姫様と王子の冠が音になっているとか、音と階段の色が違うとか・・

これらは私は全く気付きませんでした・・

絵が美しすぎたり、曲と関係のないただメルヘンチックな絵であったりすると案外子供たちは興味を示しません。
完成品の中に自分が入り込める余地はないと感じるのかもしれません。

以前使っていたクラウス・ルンツェの「2つの手12のキー」には子供たちが書いた絵しか載っていません。(楽譜もありません)
その時も生徒たちはジーっとその絵に見入っていました。

ロシアの「初めての音楽との出会い」というテキストの絵は古い感じで、今の子供たちには受け入れられないと思っておりましたら平成生まれの人たちにとっては逆に新鮮なようでした。

絵も曲の内容と一致している、または理解の助けになるものばかりです。

ところがこの絵を見たあるお母様がどうやら子供に「昭和だ」と言ったようで、それからこの生徒は「この絵は古い、昭和みたいだ」と言うようになりました。

9歳で昭和の絵に馴染みがある年齢ではありません。

正直なところ私もこの絵は自分の子供の頃によくあった絵で古いと思いました。
しかし子供たちにそれを言ってはいません。

この生徒や保護者の方には曲も受け入れ難かったらしく、ジブリや童謡を弾きたいというのでこの生徒にはそれ以来私から曲を紹介することはなくなりました。

たくさんの生徒さんに接しているとよく思うことがあります。

大らかさと好奇心は世界を広げると。
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